高橋和也が準主演映画で過去振り返る男 29年ぶり活動再開の男闘呼組と「重なる部分ある」

「男闘呼組」を期間限定で再始動させた俳優の高橋和也(53)。映画「追想ジャーニー」(11月11日より池袋シネマ・ロサにてロードショー、谷健二監督)では、高校生の主人公・文也(藤原大祐)の30年後を演じた。映画と男闘呼組の共通点は?

映画「追想ジャーニー」主人公の30年後を演じた高橋和也【写真:ENCOUNT編集部】
映画「追想ジャーニー」主人公の30年後を演じた高橋和也【写真:ENCOUNT編集部】

映画「追想ジャーニー」で売れない俳優演じる

「男闘呼組」を期間限定で再始動させた俳優の高橋和也(53)。映画「追想ジャーニー」(11月11日より池袋シネマ・ロサにてロードショー、谷健二監督)では、高校生の主人公・文也(藤原大祐)の30年後を演じた。映画と男闘呼組の共通点は?(取材・文=平辻哲也)

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 本作は高校生の文也と「30年後の文也」を名乗る男が、ともに人生のターニングポイントを振り返り、未来を変えようとするファンタジー。2人の文也は人生のカギを握る幼なじみ、クラスメイトに人生の選択を迫られる。高橋の役は、売れない俳優。撮影は今年6月、劇場用映画としては自身最短となる3日間だったというから驚きだ。

「脚本がすごく面白かったんで、ぜひやりたいと思ったんです。ただ撮影期間が非常に短い。膨大なセリフ量で、撮影までの準備期間もそんなになかったんですよ。1週間ぐらいでその膨大な量の覚え切れるのかどうかという不安もありました」と振り返る。

 物語は2人の文也が掛け合いを繰り広げて進んでいく。撮影に入ってから監督にはリハーサルをやらせてほしいとリクエストしたが、ほとんど本番勝負だった。

「このペースでは大変だと思ったんだけど、(映画初主演の)藤原(大祐)君は若いし、勘もいいから、どんどん役を掴んでいく。僕も演じながら、その内容がわかっていく。やっぱり、脚本を読んでいるだけじゃ分からないものがあって、実際に俳優同士がセリフをかけあってみないと分からないものなんです。結果的にはものすごい臨場感が出ているなと思いましたね」

 1988年に「男闘呼組」としてデビューし、93年の活動休止後、休養を経て、95年に現在の事務所に所属し、俳優として芸能活動を再開した高橋。伊丹十三監督の「マルタイの女」や橋口亮輔監督「ハッシュ!」を始め、今年は映画「今はちょっと、ついてないだけ」「破戒」、WOWOW「DORONJO/ドロンジョ」(放送中)などに出演。着実にキャリアを積み上げてきた。

 本作は、過去を振り返る役だが、自身には同じ思いはあるのか。

「失敗した過去に戻りたいなんて思ったことはない。やっぱり、それを引きずっては生きていけないと思って、前向きに生きていこうと思ったからね。ただ演じてみると、いろんな過去における失敗はあって、後悔していることは俺の中にもあったんだな。例えば、子供に対する気持ち。なんで、あんなことを言っちゃったんだろうとか、なんであんなしかり方をしてしまったんだろうとか、親だったら誰でも経験するものだと思うんです。映画の中の、文也と娘のシーンでは、涙が止まらなくなっちゃうぐらい、あふれてきたんです。きっと思いが重なっちゃったんだよね。こんなことはめったになくて、演技を超えた瞬間に遭遇すると、悲しいシーンなんだけど、すごく幸せな気持ちになれるんだ」

 奇しくも、今年は93年から活動停止になっていた「男闘呼組」が29年ぶりに復活し、来年8月まで期間限定で活動する。10月15、16日には東京・有明の東京ガーデンシアターで復活ライブも行ったばかり。この映画も、男闘呼組の活動再開もリンクするところがあるのではないか。

「ライブは奇跡のような2日間、最高の2日間だった。岡本健一がライブのステージでも言っていたけど、『願い続ければ、絶対叶う』と。それが答えなんだろうな。本当だね。たとえ失敗しても、諦めちゃいけないんだ。映画と重なっている部分もあるよね」と高橋。前を向き続けた男は噛みしめるように言った。

□高橋和也(たかはし・かずや)1969年5月20日生まれ。東京都出身。88年、男闘呼組として音楽デビュー。93年に活動休止したが、22~23年8月までの期間限定で再結成し、話題を呼んでいる。近年の主な映画出演作に「そこのみにて光輝く」(14年)、「あゝ、荒野 前篇・後篇」(17年)、「新聞記者」(19年)。今年は「今はちょっと、ついてないだけ」(22年)、「破戒」(22年)が公開された。

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