飛行機内での座席交換、拒否で分かれる賛否 避けたいトラブル…国内航空会社の見解は?

新型コロナウイルス禍が長引く中で、観光業の再開が本格化してきた。久しぶりに飛行機に乗って旅行に出かける人もいるだろう。個人や家族などさまざまな状況の人が利用することで、少しばかりトラブルになりかねないのが、座席位置だ。SNSなどでは、「飛行機内での客同士による座席交換」が話題に上がることが見受けられる。拒否する行為が賛否の議論を呼び起こすことも確かだ。注意するべきマナーやルールはどんなことなのか。国内の航空会社に聞いた。

「飛行機内での客同士による座席交換」はどうしても賛否が渦巻く(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「飛行機内での客同士による座席交換」はどうしても賛否が渦巻く(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「『私なら絶対譲らない!』と叱られ、嫌な思いをした」の声も

 新型コロナウイルス禍が長引く中で、観光業の再開が本格化してきた。久しぶりに飛行機に乗って旅行に出かける人もいるだろう。個人や家族などさまざまな状況の人が利用することで、少しばかりトラブルになりかねないのが、座席位置だ。SNSなどでは、「飛行機内での客同士による座席交換」が話題に上がることが見受けられる。拒否する行為が賛否の議論を呼び起こすことも確かだ。注意するべきマナーやルールはどんなことなのか。国内の航空会社に聞いた。

 機内でようやく座席にたどりついたところで、別の客から座席の交換をお願いされる――。国内線でも国際線でも、こういった経験は1度や2度はないだろうか。人によって事情は複雑だ。トイレが近いなど窓側を避けるために通路側を予約している場合は、動きたくない心理が働くのは当然だ。一方で、子連れの家族で搭乗する際は、離れた席に座ると不便になるため交換をお願いしたい気持ちも理解できる。

 SNSでは、「いつも通路側を指定しているけれど、同じ通路側だった時、数回交換したことがあったけれど、真ん中の席の時は、お断りした」「旅客機座席は搭乗券購入時に決まる筈搭乗してから座席の変更を搭乗客に頼むのは間違っている」などの声が上がる。一方で、体験談として、「予約の関係で夫と別席でした しかし!!私の隣の席の男性が、席の交換をしてくださって 申し訳なかったけど、本当に助かりました 私も、親切な心を大切にしたいと思いました」「以前、飛行機の窓側席を取っていたら、私の席で泣いてる子どもが。窓側に座りたいと。譲ってあげたら、知らないおばちゃんから『私なら絶対譲らない!』と叱られ、嫌な思いをした」といった報告も見受けられる。

 ENCOUNT編集部の取材に対して、航空会社の担当者は「一般的な見解」として答えてくれた。飛行機は事前の座席指定が基本で、「原則、搭乗券に記載のある座席に着席していただく決まりです。そのため、搭乗前にチェックインカウンターにて座席の調整を依頼してください」とのことだ。

 搭乗後に客同士の話し合いで座席交換をする行為はどうなのか。「搭乗前に座席の調整ができず、やむを得ず機内で交換を希望する場合は、お客様同士の同意が必要です。航空会社によっては、座席属性(窓側、通路側、最前列など)によって設定される運賃が異なる場合がありますので、配慮のもとでお申し出いただくことをお勧めいたします」と教えてくれた。

 家族で飛行機を利用する際は、座席の確保は課題になる。「事前座席指定のできる航空券をなるべく早めに購入していただくことをお勧めいたします」とのアドバイスを寄せた。

 担当者は改めて、「原則、搭乗券に記載のある座席に着席していただく必要がありますので、早めのご予約・座席指定、場合によっては追加料金でご希望の座席の確保をご検討ください」と注意喚起した。せっかくの楽しい旅行の時間で、座席交換を巡る無用なトラブルは避けたいところだ。もし、座席交換のやりとりをする場面になったとしても、冷静で落ち着いた対応が大事になるだろう。

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