魅力は「不便さ」と「唯一無二」 昭和レトロな「モトコンポ」を大切に乗り続ける理由

栃木県宇都宮市でバイクとコスプレの複合イベント「ひでぶ祭 vol.2」が10月2日に開催され、さまざまなコスプレ姿のライダーや思い思いのカスタムが施されたド派手なバイクの数々が集結した。その中でもひときわ注目を浴びたレトロなバイクが「モトコンポ」だった。所有者のトモさんに話を聞いた。

ひときわ注目を浴びた「モトコンポ」【写真:ENCOUNT編集部】
ひときわ注目を浴びた「モトコンポ」【写真:ENCOUNT編集部】

現役バリバリの激レアな1台

 栃木県宇都宮市でバイクとコスプレの複合イベント「ひでぶ祭 vol.2」が10月2日に開催され、さまざまなコスプレ姿のライダーや思い思いのカスタムが施されたド派手なバイクの数々が集結した。その中でもひときわ注目を浴びたレトロなバイクが「モトコンポ」だった。所有者のトモさんに話を聞いた。

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 モトコンポはかつて本田技研が1980年代に発売していた原動機付自転車。「モータバイク=モト」と、当時はやっていたオーディオの「コンポ」を合わせ「持ち運びのできるモト」という意味を込めて名付けられた。そんな激レアな1台が同イベントに姿を見せた。

 46歳のトモさん。父親がモトコンポに乗っていて、実家にこの貴重な1台が保管されていた。「私が5歳のときに父親が知人から譲り受けました」と入手のきっかけを明かす。

 約40年もの間、走り続けるモトコンポだが、「今でも現役」と走りに問題はないとのこと。しかし、故障は頻繁に起こるようで、「ライトがつかなくなったり、エンジンがかからなかったり、ガソリンが漏れてきたりとその都度メンテナンスに出しての繰り返しでした。今はやっと落ち着いて走れる状態になっています」と歴史を振り返る。

 モトコンポは車載できるようにハンドルなどをたたみ、コンパクトな形にできることも魅力の一つ。現在は新車・中古ともにほぼ流通していないため、なかなかお目にかかることのできない1台だ。

 そんな同車だが、乗り心地については「正直言ってつらいです」と本音も吐露。「お尻が痛いし、スピードは出ない。タイヤが小さいからブレて怖い」とマイナス面ばかりが飛び出す。しかし、「実用性はあまりないですが、乗っていて楽しくて仕方がないです。この不便さと、唯一無二の存在であるところがいいですね」と笑顔で魅力を熱弁した。

 重量は約45キロ。燃料タンクも約2リットルで満タンとなる。しかし、それでも約70キロは走れると言うからさすがは原付の燃費といったところだ。

「子犬みたいにかわいいバイクです」と笑顔を見せたトモさん。今後も希少価値の高い1台を大切に乗り続ける。

次のページへ (2/2) 【動画】ハンドルやシートを車体に収納…今では貴重なモトコンポが実際に変形する様子
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