“ハマの狂犬”黒石高大、俳優を続ける理由と葛藤「本当はアウトローが居心地いい」

アウトローが集まる総合格闘技大会「THE OUTSIDER」で元祖「負けても華がある男」として人気を博した者がいる。“ハマの狂犬”黒石高大だ。アウトサイダーのレジェンドとも言える存在が、朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める令和の格闘技エンターテインメント「BreakingDown6」に3日、出場し劇的な勝利を収めた。そんな黒石に参戦した意味と俳優業について話を聞いた。

アウトロー、俳優活動の間でもがいていたことを明かした黒石高大【写真:徳原隆元】
アウトロー、俳優活動の間でもがいていたことを明かした黒石高大【写真:徳原隆元】

「アウトレイジ ビヨンド」や「孤狼の血」などにも出演

 アウトローが集まる総合格闘技大会「THE OUTSIDER」で元祖「負けても華がある男」として人気を博した者がいる。“ハマの狂犬”黒石高大だ。アウトサイダーのレジェンドとも言える存在が、朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める令和の格闘技エンターテインメント「BreakingDown6」に3日、出場し劇的な勝利を収めた。そんな黒石に参戦した意味と俳優業について話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

「THE OUTSIDER」戦績は18戦7勝8敗2分1ノーコンテスト。恐ろしく強かったわけでもカリスマだったわけでもない。それでも泥臭い戦い方と負けても勝っても涙を見せる真っ直ぐな姿は見る者の心を打った。「THE OUTSIDER」卒業後は俳優の道へ。今では「アウトレイジ ビヨンド」(2012年、北野武監督)や「孤狼の血」(18年、白石和彌監督)に出演するまでになった。

――俳優として地位も築いているなか、なぜ「BreakingDown」に出場しようと思ったのでしょうか。

「ワンランク上に行こうかなっていうのはずっと役者として思っていました。それとたまたまブレイキングダウンのアウトサイダー対抗戦というタイミングが重なったので、本当にそれだけです。これがアウトサイダー対抗戦とかでなければ俺はここ(ブレイキングダウン)にいることはなかった。対抗戦で俺が出なかったら俺のファンは悲しむとも思ったから」

――芸能活動しているなかでリスクだとは思わなかったのでしょうか。

「リスクなんてないですよ。別に男だから顔がぐしゃぐしゃになろうがどうなろうがそれが勲章(くんしょう)なので何とも思ってないですよ。俺は別にイケメンとかでもないので」

――なぜ「THE OUTSIDER」卒業後には俳優の道へ。

「もともと子ども時代に映画『BROTHER』(01年、北野武監督)を見てすごい感銘を受けて。それから映画が好きになって、レンタルビデオ店にあったアウトローの映画を片っ端から全部見ました。好きで好きで、その向こう側に俳優の夢が生まれたわけです」

――けんか、戦いから離れて俳優活動で得たものは何でしょうか。

「すげぇ我慢強くなっちゃいましたよ。昔より我慢することばっかりです。現場だって我慢の連続。芸能人生でも納得いかないことってあるんですよ。こいつはぶん殴られても仕方ねぇなって心の中で笑いながら思うこともあります。でも、怒るのってやりっぱなしでいいから楽なことなんですよ。我慢して、自分の中で消費してそこで笑うのってマジで難しいんです。忍耐力と我慢強さは本当についたと思いますね」

――アウトローの世界と芸能界、肌で感じる違いはありますか。

「もう少しアウトローの方が真っ直ぐな人間が多かったと思います。だから本来はそっち(アウトロー)の方が居心地いいし、『BreakingDown』のなかにいた方が気持ちは安らぐと思います。でもここにいちゃダメなんだって思うんですよ。居心地がいいからここにいたら人として成長できないのかなって。俺がやりたいのは日本の役者として世界の役者として“黒石高大”ここにあり。そう思われたいので楽していちゃダメだなって」

――昔に戻りたいと気持ちはあったのでしょうか。

「昔は体張ってるのって自分の腕ひとつなので。自分が動いてそれだけで結果を変えられた。どうも俺のことを応援してくれる人は、俺から血のにおいがするのが好きらしい。なんかね、モヤモヤはずっとしていますよ。一生懸命に応援してくれる人がいっぱいいるのに満足させられてねぇんじゃねぇかなっていうそういう気持ちです」

――俳優としての夢は何ですか。

「『役者・黒石高大』ってすごいなってその言葉が欲しい。そのためにも、みんなを満足させられるような作品に出ることですね。もちろん自分が頭を張れるようなね。良い作品に巡り合って見ている人をわっと思わせたいです」

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