「ショー・マスト・ゴー・オン」 無観客「レッスルマニア36」はカブキ・ウォリアーズでスタート!

プロレス界最大のイベントに登場したカブキ・ウォリアーズ/(C)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.
プロレス界最大のイベントに登場したカブキ・ウォリアーズ/(C)2020 WWE, Inc. All Rights Reserved.

「レッスルマニア」を機に新たな展開が始まったWWE女子部門

 そして迎えた「WM36」。挑戦者は前王者のアレクサ&ニッキー組だ。振り返ってみれば、アスカが17年の日本公演で凱旋した際、アスカはNXT女子王者で、アレクサはロウ女子王者だった。アスカはメインロースター昇格前ながら歴代のNXT女子王者トリオをベイリー&サーシャ・バンクスと結成し、アレクサ組と2連戦をおこなった。

 この2日間、両者の間で決着がつくことはなかったが、試合後にはお互いのベルトを掲げてリング中央で視殺戦を展開。現在はタイトルこそ違うものの、WMでベルトを懸けて本当に戦う日が来ようとは。また、アスカはアレクサのパートナーであるニッキーとはNXTで王座を懸けて何度も対戦。とくに17年の凱旋直前におこなわれたラストウーマン・スタンディングマッチは印象深い。アスカのベルトを狙っていたニッキーは、カイリとも対戦経験がある。ニッキー・ストームのリングネームで2度来日。スターダム参戦時にはタッグマッチで2度対戦しているのである。当時、ニッキーは紫雷イオとシングル、タッグのベルトを巡り好勝負を連発。テーマ的には対イオが中心だったのだが、当時、カイリ VS ニッキーがWWEでおこなわれるといったい誰が予想しただろうか。

 アスカ、カイリとも、WMは3年連続の参戦だ。アスカは初登場の18年「WM34」でシャーロットに敗れ連勝を267で止められたのだが、こちらは記録ストップよりも、日本人女子が祭典でタイトル戦という快挙が印象面で圧倒。カイリはキックオフショーでのバトルロイヤルで初登場し、翌年もバトルを闘った。よって、カイリは本編初登場だ。

 試合は中盤、王者組が挑戦者組を分断し、ニッキー、アレクサの順にローンバトルに持ち込むなど優位に運んでいく。しのいだニッキーが五分の展開に持ち込むと、カイリがインセインエルボー、アレクサがツイステッドブリスでパートナーのピンチを救う。アスカのパワーボムとカイリのダイビングエルボーアタックが合体する場面もあったが、アスカの突進をニッキーがかわしコーナーポストに直撃させた。王者組を分断したニッキーがカイリをかいくぐりスピニングネックブリーカー、タッチ受けたアレクサがツイステッドブリスを決めるとカイリが返せず3カウント。アスカ&カイリにはまさかの結末、アレクサ組が王座奪回に成功した。

 どうやらアレクサ&ニッキー組は、カブキにとって目の上のたんこぶ的存在のようだ。これからもそういう関係が続くのか。アスカにはアレクサがますます「イヤな女」に映るに違いない。この結果、アスカもカイリもWM初勝利はお預けになった。ゴールドバーグを抜き連勝記録を大幅に更新したアスカでさえいまだ勝てないWMの魔力とは…。反対に、過去に祭典でスマックダウン、ロウ女子王座を失ったアレクサにはWM初勝利、昨年、キックオフでのバトルロイヤルで初出場したニッキーは本編初登場での初勝利がもたらされたのだった。

 サプライズでスタートした無観客の「WM36」。ある意味、カブキは第1試合の役割を試合内容とともに見事果たしたのではなかろうか。だからこそ、彼女たちにかかる期待はさらに大きくなったと言えそうだ。その証拠に「WM36」終了後、翌日の4・6ロウでは無冠のアスカがオープニングに登場、リブ・モーガンを一蹴し反撃の狼煙を上げた。

 さて、年々ステイタスを上げているWWE女子部門の試合では、2日間でタッグを含む4大タイトルマッチがおこなわれた。スマックダウン女子王座は5人で争われ、ベイリーが防衛に成功。ロウ女子王座戦はシェイナ・ベイズラーを破ったベッキー・リンチがベルトを死守。昨年、女子初の祭典メインを王座奪取で飾ったベッキーは、丸一年に渡りロウ女子王座を守り抜いたことになる。祭典初のNXT女子王座戦はリア・リプリーが通算でシングル王座11度戴冠のシャーロット・フレアーを迎え撃つという異例の図式。試合は中盤からリアの脚に狙いを絞ったシャーロットが足4の字固めからブリッジに移行するフィギュアエイトでギブアップを奪い、5年2か月ぶりの王座奪回を果たしてみせた。古巣の王座奪取は今後のNXTになにをもたらすのか、興味は尽きない。(日付はすべて現地時間)

次のページへ (3/3) 【ギャラリー】カブキ・ウォリアーズ出場のオープニングマッチに様子
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