小雪、盲ろう者の母役で12年ぶりに映画主演 “指点字”の練習で「ノイローゼみたいに」

女優の小雪が27日、都内で行われた映画「桜色の風が咲く」(11月4日公開)の完成披露試写会に、共演の田中偉登、本作の題材となった東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野の福島智教授、メガホンをとった松本准平監督、プロデューサーの結城崇史氏とともに出席した。

完成披露試写会に登場した小雪【写真:ENCOUNT編集部】
完成披露試写会に登場した小雪【写真:ENCOUNT編集部】

撮影はコロナ禍真っただ中で撮影中止を経験も「熱意が変わらなかった」

 女優の小雪が27日、都内で行われた映画「桜色の風が咲く」(11月4日公開)の完成披露試写会に、共演の田中偉登、本作の題材となった東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野の福島智教授、メガホンをとった松本准平監督、プロデューサーの結城崇史氏とともに出席した。

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 本作は、9歳で失明、18歳で聴力を失いながら、やがて盲ろう者として世界で初めて大学教授となった息子・福島智(田中)と、その母・福島令子(小雪)との実話をもとに“生きる希望”を書き出す真摯(しんし)で温かな物語。

 令子さん役を演じることに対し「プレッシャーがとてもあった」という小雪だが、「先生のエネルギーと人間的な懐の豊かさとか、そういったものを感じた上で、計り知れない人生だったんだろうなという思いをはせながら、この作品を多くの人にお伝えしなければいけないなという使命を感じて、参加させていただくことに意義があるのではないかと思ったことを、いま思い出しました」と胸の内を告白。

 また、令子さんは指をモールス信号のようにたたいて言葉を伝える指点字を発明したが、小雪も時間がない中、それを1週間ほど練習したそうで「いつでもどこでも指点字のノイローゼみたいな感じで、寝ている間も残るような思いでしたが(笑)、そこはまず自分の中に染み込ませないとという思いでやった記憶がります」と苦労を明かし、「家族として生きていく母としては、息子の思いや心境の少し先を歩いていかないとならないという思いを持っていたと思います」と回顧した。

 そんな小雪について、福島教授は「お袋は恥ずかしいと言っていますし、2人の兄は『お袋はそんなにいいものか。小雪さんとは雲泥の差だ』と言ってました」と打ち明けて笑いを誘いつつ、「私は小雪さんとお会いして、握手をしたらすごく手がきれいだし、肩の高さもお袋よりも15センチは高い。お袋は関西のおばちゃんだけど、小雪さんはきれいな東京言葉で話されるし、あまり共通点はないと思ったんですが、お話をしてみるとお母さんとしてのパワーを感じて、私のお袋と同じだなと思いました」と笑顔で語った。

 さらに、本作で12年ぶりに映画主演を務めた小雪だが、撮影はコロナ禍真っただ中だったそうで「主演であるとかないとか、あまりそういう意識を持って仕事に携わったことがないので、マイペースにやっていました」と振り返り、「(コロナの影響で撮影が)中止になったりしつつも、みなさんのこの映画を作り上げたいという熱意が変わらなかったので、すぐ撮影に戻ってこられたので、違和感はなかったですね」と語った。

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