23年3月に解散のピアノバンド「WEAVER」デビュー記念日にファンと祝杯「人生の財産」
2023年2月に解散することを公表している3人組ピアノバンド「WEAVER」が10月20日、東京・横浜・大阪の3都市を巡るツアー「WEAVER Billboard Live 2022~The Unplugged~」をスタートした。ラストアルバム「WEAVER」の発売日で、メジャーデビュー記念日の10月21日にビルボードライブ東京(東京都港区)で行った1stステージの様子をレポートする。
ビルボードツアーで積み重ねてきたアンプラグドライブの集大成を見せる
2023年2月に解散することを公表している3人組ピアノバンド「WEAVER」が10月20日、東京・横浜・大阪の3都市を巡るツアー「WEAVER Billboard Live 2022~The Unplugged~」をスタートした。ラストアルバム「WEAVER」の発売日で、メジャーデビュー記念日の10月21日にビルボードライブ東京(東京都港区)で行った1stステージの様子をレポートする。
開演時刻の午後6時を過ぎ、ピアノ・ボーカルの杉本雄治、ベース・コーラスの奥野翔太、ドラム・コーラスの河邉徹が、待ちわびていたファンの間を通り抜けてステージへ。杉本がグランドビアノを奏でた瞬間に、会場の空気が変わった。
「最高の1日にしましょう!」という杉本の呼びかけに、熱い拍手で応えた客席。杉本のピアノの粒立った音色、きらめきとつや。奥野がエレキベースで繰り出す超絶技巧とコントラバスの響き。ドラムの河邉の身体に響くキックとシンバルの残響音は唯一無二のもの。
ステージでは、この日リリースされたばかりのアルバムに収録した「33番線」を3人だけで演奏したほか、メドレーも披露し会場を盛り上げた。中盤には盟友のバイオリニスト・雨宮麻未子が率いる「雨宮カルテット」が登場。杉本が初めてストリングスの譜面を書いた「The Sun and Clouds」をカルテットと共に演奏するなど、同地ならではのアレンジでファンを楽しませた。デビュー日をステージで迎えた3人は、オリジナルカクテルが入ったグラスを手に、ファンと乾杯。大切な日を共に過ごせる喜びをかみしめていた。
「気持ち良かった! 最高ですね、ビルボード」と笑顔を見せた杉本は、ライブが中止になるなどしたコロナ禍を振り返り「自分が『いつまで音楽続けられるか分からへんな』とリアルに感じる瞬間もあった」と吐露。改めて「13年音楽ができたことは本当にありがたいことだし、音楽をつくる仲間がたくさんいたことが、僕にとっての人生の財産」と感謝。つくった音楽を届ける相手が「今日ここにいるみなさんで良かったな、と心から思います」と思いを込めていた。
同地でのライブ用に楽曲をアレンジするなど大活躍した奥野は「ビルボードでこうやって好き放題アレンジして、それを『いいね!』と言ってくれるみんながいてやっと報われる」と安堵の表情。「13年間続けてきた、ここまでたどり着けたのは、みんながいてくれたから」と呼びかけていた。
河邉は「今日はデビュー日で、しかも新しいアルバムの発売日。僕らにとってすごくうれしい日にこうやって一緒に音を共有できて、……本当にうれしいです」とコメント。「今日という時間は過ぎ去ってしまうんですけども、今日この瞬間の時間が、この景色が、5年後、10年後とか、ふとした時に思い出して、みなさんの力になれたら本当にうれしいなと思いながら演奏していました」と心境を明かした。
10月30日は横浜、11月10日には大阪での公演を予定。12月11日からの、ライブハウスツアー「WEAVER LAST TOUR 2022『The Songs Are On Your Side』」を経て、2023年2月26日に地元・兵庫県にある「神戸国際会館 こくさいホール」で開催する公演をもって解散する。