格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.39」（10月23日、マリンメッセ福岡＝ABEMAで全試合完全生中継）第6試合、RIZIN キックボクシングルール：3分×3R（61.0キロ）

　第6試合では梅野源治（PHOENIX）がムエタイとMMAの“二刀流ファイター”トレント・ガーダム（オーストラリア）をわずか21秒で秒殺した。試合後の記者会見では“梅野節”がさく裂した。

　あっという間に終わった。1R、梅野の左のカーフキックがガーダムの右の膝の内側を捉えた。その瞬間、ガーダムはもん絶しダウン。立ち上がれないまま、担架で運ばれた。

　試合後のリング上では「榊原さんどこですか？　そろそろRIZINのムエタイのベルト作ってください。みんなも見たいでしょ。オレがどこまでムエタイでやれるのか」と新たなベルト創設を要求した。

　試合後の会見ではドヤ顔だった。梅野は「皆さん学んでいただけました？　あれカーフキックなんですけど、結構カーフキックは練習していた。ドンピシャではまった。あれで何人も倒していたんです。結果として早すぎた。本来は肘を見せたかったんですけどね。そこまでは出せなかったので、ちょっと残念でしたが、結果としては良かったかなと思います」と笑顔を見せた。

　カーフのポイントについては、「膝の3、4センチ下です。（多くの選手は）カーフキックをなんとなく蹴っているんですけど、ピンポイントで効くところがあるので、それを一から学んだ」。さらに「蹴った瞬間分かった。（膝に）めり込んでいったというか、立てないだろうなと思った」とKOシーンを解説した。

　梅野にとっては試合と同様に、会見も見せ場だ。「一番気にしていたのは対戦相手の試合前インタビュー。28分。なんですかあれ？　ずるしている。そんなに簡単に俺のインタビュー時間の衝撃を超えられると思うなよと」。

　梅野のインタビューといえば、今年3月の「RIZIN.34」で皇治に敗れた後、判定への不服もあって記者会見の時間は23分11秒に及んだ。通訳を介したこともあり、ガーダムの試合前インタビューがそれを超えたことを気にしていようだ。

　また試合前のコミカルなあおり映像については、「ヤバいヤバい、歌は誰が作ったんですか？　あれふざけてますよね。お前のほうがヤバいぞと。作った人調べて学ばせようと思う。お前がヤバいぞと。あれだけいじくり倒して。人のことをいじって。あの歌からヤバさを感じた」と苦笑い。

　さらに持論を続けた。「僕は傷つけられたけれど、だれも傷つけていない。そういう格闘家たちをうまく広告に使って、RIZINに肘ありルールをもってくるというのが、大人のやり方。“ベビー梅”はおれのやり方を学んだほうがいい。榊原さんにもRIZINファンにも梅野源治が、ムエタイルールでやったらどれだけヤバいのか、それを学ばせられたかなと。そろそろムエタイのRIZINのベルトを作れよと。学ばせてやるよと」と独特の表現を交えながらじょう舌だった。

　ムエタイのレジェンドはトークも絶好調。「きっかけはRIZINでしょう。今までも言ってるんですけど、やったことは何も後悔していない。どうやって向かいたい方向に向かうか。“幸梅”以外何者でもないだろ。嫌なことがあっても、梅野源治の姿を見ていただいて、未来はいくらでも自分で変えられる。あれだけ炎上しても関係ない。俺は俺だし、バカにしたやつを上手く使う。みんな“小梅”なんですよ」とまくしたてた。

　大みそか参戦の可能性には、「榊原さん、ムエタイベルト作ってくれたらやってあげる。いつもオファーがぎりぎりだから。うまくコラボして大みそかRIZINムエタイ王者、期待していてほしいなと」と匂わせ、続けてベルトをかけてやりたい相手は、「誰でもいい。ぼくとやれるなら、国内だったら誰もいないかな……。そこで勇気を出してやってくれる相手がいるならやってあげてもいい。皇治わかった？　待ってるよ？」と過去に2度対戦している皇治に“オファー”していた。

　梅野節が冴え渡った記者会見。付き人から「まだ13分です」と告げられると、「今回は“小爆梅”になっちゃった。次回楽しみにしてもらえたら」と苦笑いしつつ、「最後にガーダム選手はすごいいい選手。今後RIZINでガーダム選手を見られることを期待しています」と相手へのリスペクトを示し、14分13秒で会見場を後にした。