唐沢寿明、ラスト50代でも挑戦意欲 「固定観念は通用しない」縦型ドラマへの思い

俳優・唐沢寿明(59)がLINE NEWS VISIONで現在配信中の「トップギフト」(配信中)で縦型ドラマに初挑戦した。演じたのは、ヒロインを導く「天使」を名乗る謎めいた主人公。ラスト50代を迎えた唐沢が今、感じていることとは?

縦型ドラマに初挑戦の唐沢寿明【写真:荒川祐史】
縦型ドラマに初挑戦の唐沢寿明【写真:荒川祐史】

LINE NEWS VISIONで現在配信中「トップギフト」で縦型ドラマに初挑戦

 俳優・唐沢寿明(59)がLINE NEWS VISIONで現在配信中の「トップギフト」(配信中)で縦型ドラマに初挑戦した。演じたのは、ヒロインを導く「天使」を名乗る謎めいた主人公。ラスト50代を迎えた唐沢が今、感じていることとは?(取材・文=平辻哲也)

 縦型ドラマ「トップギフト」は、LINEが運営するスマートフォン向けニュースサービス「LINE NEWS」の縦型動画コンテンツ「VISION」が展開するコンテンツレーベル「上下関係W(上下関係ワールド)」の最新作。問題の多い家族を支えてうつむいてばかりの少女・小雪(石井杏奈)が、「天使」と名乗る謎の男・天童(唐沢)から、自分や家族が“ある物”のせいで不幸になっていると告げられ、その謎を解くために天童と行動し、成長しながら驚がくの事実に辿り着く……というストーリー。菅田将暉の弟で新人の菅生新樹らとのアクションシーンも見どころだ。

「若い子はケータイで映画やドラマを見ている時代ですし、簡単に電車の中などどこでも見られるじゃないですか。これが今の時代なんだと思っています。今は、ドラマは横型じゃなきゃいけないとか、これじゃなきゃいけないっていう固定観念は通用しないと思っていますから」。撮影は今年7月に行ったが、最初は縦画面での撮影には戸惑いもあったという。「(左右に余白がないため)あんまり、あっちこっちに動けないけれども、自分たちがやることは今までと変わらないので」と演技に揺るぎはない。

 主演の天童役は、目まで銀色の髪が達する謎めいた男だ。

「天使を主人公にしたら、なかなか話が作れないので、実際は天童と出会うことでヒロインの小雪が自立していく姿を描く成長物語になっています」

「トップギフト」は、“上下関係”をテーマにコンテンツを展開するレーベル「上下関係W」の作品だが、唐沢の考える上下関係とは何か。

「後輩の俳優に対して、頭ごなしに自分が先輩だからと言うことはないですね。ただ、共演したことがない俳優さんでも、会えば先輩・後輩に関係なくあいさつはしますけど、たまにあいさつができない子はいます。あいさつは、しておいても損なことはないのに! そういう基本的なことを現場で教えてもらえる環境は大切だなと思います。」

 今でこそトップの座にいる唐沢も10~20代にかけては東映の特撮アクションの敵役スーツアクターを演じるなど長い下積みも経験してきた。

「僕の場合は先輩に厳しく指導されました。『きちんとあいさつしなさい』と。最初のあいさつをしないと、その後もうまくやれないんじゃないかな。これは芸能界だけに限らず、社会人だったら、当たり前のことだと思います。人見知りとか、シャイだとかっていうのは、その人の性格なのでいい。ただ自宅から一歩出たら、そこは社会。損得でモノを言いたくはないのですが、やった方が得だと思います。そういう人は、今はいいかもしれないけど、最後は孤立しちゃうものなんだよね」とアドバイスを送る。

50代最後の年を迎えている唐沢寿明
50代最後の年を迎えている唐沢寿明

50代ラスト「今は、やりたいことだけやればいいんじゃないかなと思っています」

 6月に59歳の誕生日を迎え、50代最後の年を迎えている。年齢による変化をどう感じているのか。

「山崎努さんと共演させていただいたときに『50代が一番面白いよ。頭も体もシャキっとしているからね』と言われたことがあるんですが、50代に入ってから、映画やテレビでも、いきなりアクションの仕事が多くなってきました。僕の若い頃はあまりアクションをやっている俳優はいなかったけども、今は若い子たちがアクションをやりたがっている。でも、素人がやるものだから、けがをしてしまう。アクション自体は10代の頃からやっていたので、できないわけじゃないんだけど、頭から落ちるとかは、だんだんきつくなってきたかな。昔のイメージでやると、実際は違うし、目新しさもないので。

 今は、やりたいことだけやればいいんじゃないかなと思っています。30代とか40代とかは、『これ、お願いします』みたいな仕事もあって、自分が本当にそれをやりたかったのかなって思うこともあったんです。今はある程度選択できる。そうじゃないと、何を目指しているのかが分からないので」

 さまざまなジャンルに挑戦する唐沢だが、代表作の一つは、山崎豊子原作のドラマ「白い巨塔」や「不毛地帯」だろう。ドラマの放送回の常識を超えた長尺の物語で、苦悩・成長する人間の姿を体現している。

「仕事は頼まれれば、それはそれでうれしいことだし、この『トップギフト』に出演を決めたのも企画の面白さを感じたからなんです。結果はどうなるか分かりませんが、それは後からついてくるものだと思うんです」。ラスト50代で、今後も、唐沢は新たなチャレンジを見せてくれそうだ。

□唐沢寿明(からさわ・としあき)1963年6月3日、東京都出身。主な代表作は「純ちゃんの応援歌」「愛という名のものに」「白い巨塔」「THE LAST COP/ラストコップ」「ハラスメントゲーム」「グッドワイフ」「ボイス110緊急指令室」など。ドラマ、映画、舞台など幅広く活躍。自叙伝「ふたり」もベストセラーになった。

唐沢が主演を務めた縦型ドラマ「トップギフト」は、LINE NEWS VISIONにて毎週金曜18時に配信中(全11話)。

作品情報
■上下関係W(ワールド)公式サイト:https://jogekankei.com/
■上下関係W(ワールド)LINE公式アカウント:https://line.me/R/ti/p/%40oa-vi-jogekankei

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