「鎌倉殿の13人」撮影現場は「大河とは思えない」 実朝演じる柿澤勇人が語る撮影秘話
俳優の小栗旬が主人公・北条義時を演じるNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜、午後8時)。物語は年末の最終回に向けて大きく動き出し、源頼朝の死後に13人の家臣団と内部抗争を繰り広げ、権力を手に入れた義時の激動の人生が描かれている。そんな中、現在もっとも注目を集めているのが3代鎌倉殿・源実朝を演じている柿澤勇人だ。鎌倉殿として政治の表舞台に立っている実朝。さまざまな思惑が渦巻くなか、懸命に自分の生きる道を探そうとする姿は反響を呼んでいる。今回、柿澤勇人にインタビューを実施し実朝の魅力や今後の展開について聞いた。
「鎌倉殿の13人」で話題を集める柿澤勇人が源実朝について語った
俳優の小栗旬が主人公・北条義時を演じるNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜、午後8時)。物語は年末の最終回に向けて大きく動き出し、源頼朝の死後に13人の家臣団と内部抗争を繰り広げ、権力を手に入れた義時の激動の人生が描かれている。そんな中、現在もっとも注目を集めているのが3代鎌倉殿・源実朝を演じている柿澤勇人だ。鎌倉殿として政治の表舞台に立っている実朝。さまざまな思惑が渦巻くなか、懸命に自分の生きる道を探そうとする姿は反響を呼んでいる。今回、柿澤勇人にインタビューを実施し実朝の魅力や今後の展開について聞いた。
まず、実朝役のオファーを聞いたときの感想について、「実は、あまり深く知らなかった人物だったんです」と話しながら、「脚本の三谷幸喜さんとお話したときに、実朝に対して思い入れがあり、世間には知られてない本当の姿を描きたいと語っていたんです。なので、かなりプレッシャーを感じながらこれまで演じてきました」と胸の内を語った。
実朝を演じるにあたっての準備として、「ドラマの時代考証に入っている坂井孝一先生の本が実朝に関して最新の研究と言われているので、かなり読み込みました。あとは、太宰治の『右大臣実朝』も読んでいます。多少ファンタジー要素も入っているのですが、いかに良い将軍だったのかという部分を参考にしています。それと、和歌集もマネジャーが持っていたので読んで勉強しました」と明かした。
歌人だったことでも有名な実朝の歌については、「実朝が書いた和歌のイメージは日常的なものが多く、感情とくくり付けて表現するのが非常に上手だと思いました。頼朝と同じ血を引いてるとは思えないくらいに、すごく純朴なイメージを持っています」と説明。
実際に実朝を演じてみて、その偉大さについては「この時代に鎌倉で力を持っていた人たちは、自分の家や土地を大きくしようと考えていました。でも、実朝は後鳥羽上皇とか京側と手を組むことで、もっと世の中が良くなるんじゃないかと先のことを考えていた。史実として、実朝は中国行きの船を作りますが、日本を飛び越えて世界と交渉することまで考えていた。実際は、中国との貿易は失敗するのですが、そういった未来まで考えていたすごい人物だと思います」と説明した。
9月11日に放送された第35回「苦い盃(さかずき)」で衝撃の共演を果たした女優の大竹しのぶについては、「本当に僕も撮影直前まで、しのぶさんが出演することを知らなかったんです。しのぶさんとは、過去にミュージカルで共演していて、コロナの前までは良く飲みに行くなどかわいがってもらっていたんです。しのぶさんの、演技をするときの集中力や、役に対する向き合い方は尋常じゃなくて、僕もあそこまで行きたいといつも思っています」と裏話を披露。
さらに、共演した主演の小栗については、「座長として、長い期間に渡って主役を務めるのは本当に大変だと思います。義時もすごく難しい役ですし、普通だったら自分のことだけで精一杯なのに、スタッフや出演者に話しかけて雰囲気を作っています。僕は、この作品で大河ドラマは3本目ですが、大河の現場とは思えないくらいアットホームで変な緊張がない現場なんです。撮影に参加したときも、つけているマスクに『ようこそ実朝』と文字を書いて迎えてくれたり(笑)。嫌らしくなく、みんなが楽しくなるような雰囲気を作れる方です」と座長を頼もしく思っている。
さらに、「事前のリハーサルで、『ちょっと、1回やりたいように演じてみなよ』とアドバイスしてくれるんです。小栗君は役者が自分で考えたプランを尊重していて、それを周りの出演者に提案してくれるのですごくやりやすかったです」と明かした。
柿澤が演じる実朝の、さまざまな秘密が今後明らかとなり事態は急転していく「鎌倉殿の13人」。最終回まで目が離せないドラマとなりそうだ。
スタイリスト:杉浦優
ヘアメイク:松田蓉子