踏切内侵入で列車に上って横断、JR貨物「刑法に抵触する可能性」 危険行為発見の対処法とは

東京都内の踏切で貨物列車が停車し、通行人が次々と線路内に入り、車両を上って横断する様子を捉えたツイッター投稿が物議を呼んだ。約30分間の緊急停車だったが、待ち切れず、しびれを切らした人たちが動いてしまった状況と言える。ENCOUNT編集部の取材に対して、JR貨物が当日の詳細を明かした。そのうえで、「大変危険な行動であり、絶対にやめていただきたい」と呼びかけている。

警報機が鳴って遮断している踏切に立ち入る行為は危険だ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
警報機が鳴って遮断している踏切に立ち入る行為は危険だ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

貨物列車の車両は「一般の方が乗降するように作られておらず、転落し大けがをする恐れがあります」

 東京都内の踏切で貨物列車が停車し、通行人が次々と線路内に入り、車両を上って横断する様子を捉えたツイッター投稿が物議を呼んだ。約30分間の緊急停車だったが、待ち切れず、しびれを切らした人たちが動いてしまった状況と言える。ENCOUNT編集部の取材に対して、JR貨物が当日の詳細を明かした。そのうえで、「大変危険な行動であり、絶対にやめていただきたい」と呼びかけている。

 ネットで拡散された動画では、警報機が鳴り響く「日暮里道踏切」で、JR貨物のロゴマークが描かれたコンテナを載せた貨物列車が止まっている。遮断桿(かん)が降りているが、何人かの人が踏切内に入っていく。停車している車両を上って、向こう側に渡っていく人の姿も映されている。ネット上では「これ完全にダメなやつですね」「みんなでやれば怖くないってか」「1人が行ったからワタシもは絶対ダメ」など、批判を含めて反響が寄せられた。

JR貨物によると、事案は今月6日に発生。「18時19分頃、田端操~三河島駅間を走行していた第3050列車(札幌タ発隅田川行)20両編成の貨物列車が、前方の三河島道踏切の停止信号が動作しているのを認め、非常ブレーキにより、停車しました。停止信号を認めて非常ブレーキにより停止した箇所が、日暮里道踏切に掛かる形となっていました。停止信号は、踏切内に障害物を検知した場合に動作するもので、そのため列車は緊急停車しました。おおよそ30分停車し、安全が確認されたのちに、運転再開となりました」と、貨物列車が緊急停車したいきさつを説明した。

 踏切内の侵入や、貨物列車に上る行為について、どんな問題が生じるのか。同社に聞くと、「鉄道会社として一般的に、踏切の遮断桿が降りた後の線路内は大変危険であり、停車中の車両が動き出した場合に死傷事故につながる恐れがあります。立ち入ったことにより改めて安全の確認を行うまで列車の運転を妨げられ、遅延の増大につながる恐れがあります。貨物列車の車両は一般の方が乗降するように作られておらず、転落し大けがをする恐れがあります」として危険性について言及。そのうえで、「ご質問にある行為はいずれも鉄道営業法、刑法に抵触する可能性がある行為と考えます。大変危険な行動であり、絶対にやめていただきたいと思います」と強調した。

 踏切内での列車停車の事案について、安全対策としてどう対応すればいいのか。「前提として、警報機により遮断している踏切に立ち入る行為は大変危険なので絶対にやめていただきたいと思います。こうした危険な行為を発見した場合、踏切に記載された連絡先にお電話いただくか、警察に連絡をいただくようお願いします」としている。

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