アントニオ猪木さんの“最期の言葉” 亡くなる10日前に明かしていた本当の病状
元プロレスラーの“燃える闘魂”アントニオ猪木さんが1日に亡くなってから5日が経過した。猪木さんのYouTubeチャンネル「アントニオ猪木『最後の闘魂』」が6日に更新され、「最期の言葉」が公開された。
4回目の手術では10キロ減
元プロレスラーの“燃える闘魂”アントニオ猪木さんが1日に亡くなってから5日が経過した。猪木さんのYouTubeチャンネル「アントニオ猪木『最後の闘魂』」が6日に更新され、「最期の言葉」が公開された。
2022年9月21日に撮影された映像だった。病床の猪木さんが、振り絞るように自らの言葉をつないでいった。
まずスタッフから食事について問われると、「食べたいと思うんだけど、実際に並べられると、もういいやって。二口三口食べて、とりあえずは栄養をとらなきゃいけないから。缶(栄養ドリンク)を飲んでいれば、何も食べないでいいとかね。まさかそれじゃ味気ないよね。おいしいものを仲間と食べるのが好きなんで」とニヤリ。スタッフから「今度食事に行きましょう」と誘われると、嬉しそうに笑った。
また「感謝とか色々な言葉があるけど、結局は『ありがとう』、この中に全部含まれている。『ありがとう』はいい言葉だなと。『道』を読んで、『道』の詩を披露して、そして今自分が『道』に迷ってます(笑)」と冗談を口にし、場を和ませた。「笑わせるつもりはないんだけど、いつからこんなキャラクターになってしまったのか」と言いながら嬉しそうだ。
一方で、「普段は病気の話はしない。なぜかというと、病気の話したって健康にならない。電話でも『大丈夫だから電話に出てるんだよ』って」とも明かした猪木さん。
そう言いながらも、自身の体について説明を始めた。「少しずつ、1ミリ、2ミリ、そんな感じかな。一時良くなって、また手術して、3回目、4回目にはそのたびに筋肉が落ちちゃう。最後の時はいきなり10キロ落ちた。筋肉の力をどう出すか。そういう商売をやって。人間の体というのは複雑で、そういうことまで研究勉強しないと。ドクターもいるけど、医者が診断して、自分痛い思いしたことないだろ。今回の全身性アミロイドーシスも体験したことないだろ? したことがないから俺は自分であれ(体験)して。いやでももう大丈夫です。しょうがないけど。人がやらない出来ないことをすべてやらせてもらった。だから最近、『ありがとう』と言葉にしている」。そう言って柔和な笑みを浮かべた。
全てを自分で体験するのが猪木さんのやり方。「こういう状況をひとつ例として、これからの子どもたちの為に。みんな女方になっちゃった。これは何なのか。銀ぶらってあるだろ。わかる? 銀座をぶらつくこと。ちんぶらって言うのもある。俺はやっぱりね。パンツなんて履かない。パラオの海でね。水の流れを、潮の満ち引きを、キレイだしね。これはまた快感。パラオに? 行きたいですね。久しぶりに。ブラジル、アマゾン、色々なところがあるけど、やっぱりパラオだよ。パンツ一丁で、朝起きたら背伸びして、それで一日が始まる」と昔を懐かしみながら、南国に思いをはせていた。
ストローで水を吸う力もない猪木さん。「喉の筋肉も衰えていくし」と言いながら、また撮影に来たいと願うスタッフに対し、「どうぞ。本当久しぶりで、どうしてるかなと」と言葉をつないだ。
病室を後にしリビングで話をしているスタッフのもとに、猪木さんが。ガリガリ君のソーダ味を自らも口にし、スタッフにも振る舞った。このシーンが映像に残る猪木さんの最後の姿となった。