夢の国産旧車を2年がかりで自分でレストア「まだまだ完成じゃない」 ベンツは“後回し”

往年の名車を自らの手で復活――。メローグリーンの独特な色合いが印象的な1970年式の日産「ローレル セダン 1800GL」のオーナーの男性は、整備関係の仕事をやっていただけに、クルマの趣味も本格派。旧車を自ら直し、走らせている。手塩にかけている初代ローレルもその1つだ。

日産「ローレル セダン 1800GL」は今後に塗装し直してメローグリーンの輝きを取り戻すつもりだ【写真:ENCOUNT編集部】
日産「ローレル セダン 1800GL」は今後に塗装し直してメローグリーンの輝きを取り戻すつもりだ【写真:ENCOUNT編集部】

オリジナル重視“じゃない” 塗装は「きちんときれいにしてあげたい」

 往年の名車を自らの手で復活――。メローグリーンの独特な色合いが印象的な1970年式の日産「ローレル セダン 1800GL」のオーナーの男性は、整備関係の仕事をやっていただけに、クルマの趣味も本格派。旧車を自ら直し、走らせている。手塩にかけている初代ローレルもその1つだ。

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 もともと、初代ローレルには憧れがあった。「免許を取りたての頃に、親戚のおじさんが持っていて、1度乗させてもらいました。エンジンが回る、その時の感動が忘れられなかったんです」。これが出会いだった。2013年にネットオークションを通して入手。2、3回流れていたが、ちょっとした競合の末にゲットした。

 男性オーナーのモットーは、「時間をかけてコツコツと」。休日の時間などを利用し、2年がかりでレストアを行った。足回りを挙げると、「タイヤは現代のものに寄せてちょっと太めにしました。ショックは前後、マフラーも取り替えましたね」。整備に対する基本的な考えとしては、オリジナル重視ではなく、「現代でも快適に、高速道路を安心して走れるようにすること。現代車とそん色なく走れるようにすること」を目指している。

 実は「まだまだ完成じゃないんです。このクルマはずっとやり続けますよ」という。本来なら全体的にメローグリーンの爽やかさを放つはずだが、外装の主にボンネットにはサビのような跡がところどころに出ており、けっして最良の状態ではない。「これはこれで味が出ているかも(笑)。いやいや、きちんときれいにしてあげたいです。可能な限り長く乗っていきたいです」。業者に依頼してしっかり塗装を施し、“あの時”の輝きを取り戻すつもりだ。

 そもそも男性のコレクションのほんの1台だ。一番新しい年式は80年式のボルボだといい、「日産・初代サニーも持っていますし、メルセデス・ベンツ W114はね、これはまだ整備に手を付けてないんですよ」とにっこり笑顔を見せる。

 クルマの整備に引かれる理由とは。旧車は正規品や純正品がすでにない場合も多く、他の部品で合うものを流用したり、加工するなどして、「どうやってやろうかと自分で考えていじるのが楽しいんですよ。そこに面白味があります」と教えてくれた。

 これまで技術者たちが名車を作り上げてきた熱意、旧車を大事にすることにも思いを強めている。「コンピューターやロボットのない時代に、職人たちが一生懸命に設計して作って、しかも流通させた。これはすごいこと、素晴らしいことなんですよ。先人たちの思いを感じます。こうやってクルマが作られてきたということがもっと広まってほしいです」。

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