齋藤飛鳥、ウォーホルの魅力を語る 京都を描いた作品に「日本人として誇らしい」

米ポップ・アート界の巨匠、アンディ・ウォーホル(1928-87年)の回顧展「アンディ・ウォーホル・キョウト」が京都市京セラ美術館(京都市左京区)で2023年2月まで行われている。会場では米国の女優マリリン・モンローを題材とした「三つのマリリン」など100点以上を日本初公開。作品を説明するオーディオ・ガイドナレーターには、日本におけるエンターテインメント・カルチャーのひとつと言える「アイドル・カルチャー」を代表する存在として、人気アイドルグループ「乃木坂46」の齋藤飛鳥(24)が抜てきされた。9月16日に行われた開会式のために京都を訪問していた齋藤が、ウォーホルや京都の魅力について語った。

日本で初公開された「三つのマリリン」を見つめる齋藤飛鳥
日本で初公開された「三つのマリリン」を見つめる齋藤飛鳥

巨匠が描いた京都のデッサンに触れ、魅力を再発見「プライベートでも訪れたい」

 米ポップ・アート界の巨匠、アンディ・ウォーホル(1928-87年)の回顧展「アンディ・ウォーホル・キョウト」が京都市京セラ美術館(京都市左京区)で2023年2月まで行われている。会場では米国の女優マリリン・モンローを題材とした「三つのマリリン」など100点以上を日本初公開。作品を説明するオーディオ・ガイドナレーターには、日本におけるエンターテインメント・カルチャーのひとつと言える「アイドル・カルチャー」を代表する存在として、人気アイドルグループ「乃木坂46」の齋藤飛鳥(24)が抜てきされた。9月16日に行われた開会式のために京都を訪問していた齋藤が、ウォーホルや京都の魅力について語った。(取材・文:西村綾乃)

 回顧展は米国の大量消費社会の光と影を描いたウォーホルの作品を、初期から晩年まで包括的に展示するもの。会場には初期の作品から、セレブリティ(有名人)たちの注文肖像画、大型の「最後の晩餐」など約200点の絵画、彫刻及び、15点の映像作品も並ぶ。

「私は音楽が好きなので、(ロックバンドの)ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビューアルバムのバナナ(の絵)や、ウォーホルの名前は知っていました。でもどんなふうに生きて、どんな功績を残したのかは知らなくて。音声ガイドを収録する前にスタッフから口頭で作品について説明してもらいました」

 作品集などをめくるだけではなく、代表作などについて「人の言葉」で説明を受けた中で、その熱も感じたと語る。

「身体が病弱だった幼少期があったり、コンプレックスをたくさん抱えていたり、描いている鮮やかな作品の裏側に深いヒストリーがあって、あらためてアンディ・ウォーホルは深い人なんだなと思いました。ガイドを通じて、私のように初めて知る情報がたくさんある人も多いと思うので、そういった方々が楽しく知れるように友だちに話すような、ポップな気持ちで収録しました」

 会期前に行われた内覧会で、作品を鑑賞したという齋藤。会場では来日したアンディ・ウォーホル美術館館のパトリック・ムーア館長や、今回の展示でキュレーターを務めたホセ・カルロス・ディアズらから説明を受けたという。

「すてきな作品が多く、部屋に飾りたいなと思うものもたくさんありました! お2人の説明ですっかりハマってしまい、グッズも買い込んでしまいました」

 ウォーホルはまだ無名だった1956年、世界旅行の最初の訪問地として初来日。2度目はトップアーティストとなった74年、2回京都に足を運んでいる。会場には28歳のウォーホルが祇園の通りをかっ歩する写真や、宿泊先から母に宛てた手紙なども公開されている。

「ウォーホルが京都で描いた清水寺や、舞妓さんなどのスケッチを見て、あらためてこんなにすてきな街なのかと思いました。同時に、ウォーホルの心に響いたことが、日本人として誇らしいと感じました」

 齋藤自身は、コロナ禍前に、握手会のためにメンバーと一緒に京都を訪れた経験があるという。

「京都は景観の美しさとか、東京とはまた別の魅力があります。京都らしいお店で食事するなどの経験はありませんでしたが、(美術館までの道中)車の中からお寺が見えたり、商店街みたいな温かい街並みが見えて、温かい気持ちになりました。この展覧会は来年の2月までやっているので、プライベートで来られたらいいなと思います」

 会場内で利用できるオーディオ・ガイドは、来場者全員が無料でアクセスできるウェブブラウザ形式。スマートフォンなどを使えば、1分前後の説明を聴くことができる。

□齋藤飛鳥(さいとう・あすか)1998年8月10日、東京都生まれ。2012年にアイドルグループ「乃木坂46」としてシングル「ぐるぐるカーテン」でCDデビュー。15枚目のシングル「裸足でSummer」で初センターを務める。女性ファッション誌「sweet」のレギュラーモデルをはじめ、2018年に公開された映画「あの頃、君を追いかけた」ではヒロインを。20年公開の映画「映像研には手を出すな!」では主演を務めた。音楽トークバラエティ「ハマスカ放送部」(テレビ朝日)にレギュラー出演中。158センチ、O型。

○アンディ・ウォーホル・キョウト
会期は2023年2月12日まで。開館は午前10時から午後6時(入場は閉館30分前まで)。月曜休館(ただし祝日の場合は開館)。12月28日~23年1月2日は休館。チケットは土日祝一般2200円、平日一般2千円、大学・高校生1400円、中学・小学生800円。
詳細は公式サイト(https://www.andywarholkyoto.jp/

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