テレビ朝日新人シナリオ大賞は大学4年生・若杉栞南氏の「拝啓、奇妙なお隣さま」

「第22回テレビ朝日新人シナリオ大賞」受賞発表会見が28日、東京・テレビ朝日で行われ、応募総数1064篇の中から大賞には若杉栞南氏の「拝啓、奇妙なお隣さま」が選ばれた。若杉氏は「第22回で22歳という年齢で取れたことをうれしく思っております」と喜びの声を上げていた。

「第22回テレビ朝日新人シナリオ大賞」を受賞した若杉栞南氏【写真:ENCOUNT編集部】
「第22回テレビ朝日新人シナリオ大賞」を受賞した若杉栞南氏【写真:ENCOUNT編集部】

大賞は植物状態に陥った青年が主人公

「第22回テレビ朝日新人シナリオ大賞」受賞発表会見が28日、東京・テレビ朝日で行われ、応募総数1064篇のなかから大賞には若杉栞南氏の「拝啓、奇妙なお隣さま」が選ばれた。若杉氏は「第22回で22歳という年齢で取れたことをうれしく思っております」と喜びの声を上げていた。

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 22回目の開催となった今回は「家族」をテーマにシナリオを募集。第1次選考は日本脚本家連盟に所属する脚本家によって行われ、178篇が通過した。第2次選考と第3次選考はテレビ朝日のプロデューサーやディレクターなどで構成された「社内選考委員会」によって審査が行われ、第3次選考で10篇に絞り込まれた。

 さらに脚本家の岡田惠和氏、両沢和幸氏、井上由美子氏による最終選考会が行われ、3篇を選出。大賞のほか優秀賞には平岡達哉氏の「さすらいのパンツマン」、宮本真生氏の「代表取締役息子」が受賞した。

 大賞に輝いた若杉氏の作品は遷延性意識障害で植物状態に陥った青年が主人公。病院では同じ症状の患者同士で当人しかわからない会話を展開する。そんななか、何も知らない家族がお見舞いに訪れ、それぞれの事情が描かれていく。

 現在大学生の若杉氏は「私は今大学4年生で、就職をしないで脚本家を選ぶという思いを家族に伝えたときに、『じゃあ頑張りなさい』と背中を押してくれました。いろんな思いが詰まった作品なので、この賞をいただけたことをうれしく思っております。今後はたくさん脚本を書いて、若杉栞奈の作品だとわかってもらえるようなものを残していきたいと思うので、この賞をこれからのスタートラインにしたいと思っています」と涙ながらに喜びの声を上げつつ、今後の抱負を語っていた。

 選考委員の岡田氏は「若杉さんの作品はとても面白かったです。ずっと心の声だけで芝居していただく。プロとかになると、俳優さんのことを考えると書けないんですよね。でも、読んでいるうちにそんなことはどうでもよくなりました。作家の思いがちゃんと整理されていて、技術が高いと思いました」と評価。

 両沢氏は「若杉さんの作品はなかなか大胆な設定。植物状態から目覚めて終わりじゃないことがよかったですね。後半戦が印象的でした」と感想を述べた。井上氏は「大賞の若杉さんの作品はファンタジーなんですけど、登場人物の感情のリアリティーがあって、悲劇と喜劇、絶望と希望のバランスが巧みでした。家族というテーマを説教くさくなくつかまえていて、ここ10年でもっとも好きな作品の一つです」と大賞作品を絶賛していた。

 大賞には賞金500万円、優秀賞には100万円が贈られる。

次のページへ (2/2) 【画像】テレビ朝日新人シナリオ大賞授賞式の模様
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