目標の紅白出場へ STU48石田千穂&中村舞、5周年コンサートで感じた6年目への思い

瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」は、7月10日に広島グリーンアリーナで行った「STU48 5周年コンサート」に密着したドキュメンタリーブック「STU48 5th Anniversary Concert Documentary Book-明日への出航-」(玄光社)を9月22日に発売した。コンサートを追体験でき、その先の未来への思いも詰まった全208ページにわたる一冊の見どころや、グループ6年目の展望について、1期生・石田千穂とドラフト3期生・中村舞の「ちほQ」コンビに聞いた。

「STU48」石田千穂(左)と中村舞【写真:小田智史】
「STU48」石田千穂(左)と中村舞【写真:小田智史】

目標だった広島グリーンアリーナでのコンサートに2人は何を感じた?

 瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」は、7月10日に広島グリーンアリーナで行った「STU48 5周年コンサート」に密着したドキュメンタリーブック「STU48 5th Anniversary Concert Documentary Book-明日への出航-」(玄光社)を9月22日に発売した。コンサートを追体験でき、その先の未来への思いも詰まった全208ページにわたる一冊の見どころや、グループ6年目の展望について、1期生・石田千穂とドラフト3期生・中村舞の「ちほQ」コンビに聞いた。(取材・文=小田智史)

――「STU48 5th Anniversary Concert Documentary Book-明日への出航-」の見どころを教えてください。

石田千穂(以下、石田)「ボリューム満点でこれだけ分厚くて、インタビューとかメンバーそれぞれのことを取り上げていただいているのはもちろん、リハーサル、コンサート中、終わった後に達成感に満ちあふれている姿、当日メンバーが撮ったショットまであって、写真だけでも見ごたえのある一冊だと思います」

中村舞「メンバー全員の思っている胸の内を聞けることはなかなかないので、ぜひそこを読んでいただきたいです」

――お互いの個人ページを見た印象は?

石田「舞ちゃんの写真はどれも美しい! バレエをやっていたから姿勢がすごくいいし、踊り方も実際にとか映像で見ていてもきれいですけど、それが写真から伝わってきます」

中村「いやん(笑)」

石田「(笑)。舞ちゃんのインタビューをじっくり読みたいと思ってる」

中村「千穂ちゃんはもう圧倒的な目力です。目がキラキラしてる!」

石田「うれしい!」

――5周年コンサートはSTU48の楽曲だけでセットリスト(全30曲)が組まれ、改めて5年間の軌跡を感じるものだったと思います。

石田「STU48は今まで、シングルの発売延期、船上劇場(STU48号)の完成延期、広島グリーンアリーナでの5周年コンサート延期、いろんなことでみなさんをお待たせしてしまいました。でも、その分、『待っていて良かった』と思っていただけるようなコンサートを今回できたのかなって。STU48の楽曲だけでずっと目標にしていた広島グリーンアリーナに立てて、本当に感慨深かったです」

中村「ドラフト3期生はSTU48に加入して4年ですけど、グループ結成からの5年間の軌跡をすごく感じました。延期があった分、次にできるコンサートを大切にしようと一致団結して、より良いものをお届けできたんじゃないかなと思います」

石田千穂は現在の「たんぽぽ制服」がお気に入りだという【写真:小田智史】
石田千穂は現在の「たんぽぽ制服」がお気に入りだという【写真:小田智史】

メンバー間アンケートで上位にランクインできず「悲しい」

――一番印象に残っているシーンや曲はありますか?

石田「1期生で披露した(STU48デビューシングル)『暗闇』です。(森下)舞羽ちゃんが休業で出られなかったのはとても残念でしたけど、16人選抜の曲で、1期生だけでとなるとやったのは本当に数えられるくらいなので、『暗闇』は感慨深いものがありました。感極まって泣いているメンバーもいましたね」

中村「(STU48ドラフト研究生楽曲の)『やがて菜の花が咲く頃』は、周年コンサートとか節目でしか披露していないのと、ドラフト3期生が揃っての楽曲はあまりないので、3人でできたのが印象的でした。最後のサビを、みんなで輪になって顔を向かい合わせて歌ったんですが、その時の沖ちゃん(沖侑果)とそらは(信濃宙花)がすごくうれしそうな顔をして笑っていて、今でもその表情がよみがえるし、『ここからまた頑張ろう!』という気持ちになりました」

――今回のドキュメンタリーブックでは、「〇〇なメンバーは?」というアンケートも実施されています。石田さん、中村さんは掲載された上位にはランクインしていませんが、入りたかった部門はありますか?

中村「そう、名前がないんです(笑)。悲しい」

石田「入りたかったね(笑)。でも、『やっぱりこのメンバーだよね』ってアンケートの結果には納得」

中村「千穂ちゃんは『私服がおしゃれなメンバー』に入ると思ってた」

石田「えー、絶対入らないよ(笑)。でも、舞ちゃんがそう言ってくれてうれしい」

中村「私、千穂ちゃんの私服が大好きなので」

石田「私は食べることが大好きだから、『ご飯をおいしそうに食べるメンバー』に入りたかったな。でも、よく一緒にいるメンバー以外にそういう姿をあまり見せてこなかった分、イメージがなかったみたい。来年のランクインに向けて、おいしそうに食べる姿をどんどん見せていかなきゃ(笑)」

中村「千穂ちゃんは『おいしい!』を全力で伝えてくる(笑)。おいしいものを食べるときの幸せそうな雰囲気をよく見ているから、なんでランクインしなかったのか不思議なくらい。みんな知らないだけで、すごいですよ(笑)」

――制服やシングル衣装の紹介ページもこれまでの歴史を感じさせます。

石田「全部が並ぶと、STU48はやっぱり青色が多いなって。どの制服もいいんですが、(一番新しい)『たんぽぽ制服』は黄色で新しさを感じします。大好きなベレー帽をかぶれるのがうれしいです(笑)」

中村「私は2017年の最初の制服がお気に入りです。この頃はまだ自分もSTU48に加入していなくて、実は今まで一度も着たことがありません。でも、(STU48初のオリジナル楽曲)『瀬戸内の声』のミュージックビデオをよく見ていましたし、当時1期生メンバーさんが着ていた姿を思い出して、エモい気持ちにさせてくれます。私の中では『これがSTU48』って感じがします」

STU48の良さを残しながら、さらに「パワーアップ」宣言

――中村さんが石田さんのことを「千穂さん」から「千穂ちゃん」と呼ぶようになるなど、さらに仲が良くなった印象がありますが、何かきっかけはありますか?

石田「私はもともと舞ちゃんのことを推しメンと言っていて、楽屋でガツガツ絡みに行ったり、癒しを求めて抱きついたりしていました。私が(2021年に)休業していた期間に、初めてプライベートで一緒にご飯に行って、そこから距離が近づいた気がします」

中村「お仕事終わりにカフェとかには行ってましたけど、ここまで仲良くなったのは(7thシングル)『ヘタレたちよ』くらいから。その頃にはもう関係が築かれていました(笑)」

石田「『花は誰のもの?』で一緒にトライアングルセンターをやって、さらに絆は深まったね」

――仲良くなっての新発見は?

石田「舞ちゃんがこんなにも夜行性だとは思わなかった(笑)。夜に『電話していい?』って聞いてもだいたい起きてるし、すぐに返事が返ってくる。最初はもしかしたら寝てるかもと思っていたけど、今は確信を持って連絡してる(笑)」

中村「夜中3時、4時くらいまでは行けます(笑)」

石田「それは仲良くなってから知った」

中村「千穂ちゃんは言葉づかいが独特で面白い。『何かこれ』って言われると難しいけど、今回の発売記念のトークイベントに来てくださったファンの方々も絶対に感じたはず」

石田「『ぱおん』『ぴえん』も口癖みたいなものだからね(笑)」

――最新シングルの「花は誰のもの?」がロングヒットし、ダンスリリックビデオは再生260万回を突破。グループとして初の音楽番組「ミュージックステーション」出演も実現しました。

石田「広島や長崎の原爆のこともあって、8月や夏は平和について深く考える時期だと思います。でも、『花は誰のもの?』は今年だけではなくて、来年、再来年、何十年経っても、夏に平和について考えるならこの歌という曲にしていきたいですし、年末のレコード大賞と紅白歌合戦は絶対に出たいです」

中村「初めてセンターを務めさせていただいた曲をたくさん披露する機会をいただいて、いろんな方に見ていただいて、ロングヒットになってうれしいです。今、戦争はリアルタイムで起こっていることですけど、決して他人事ではなく、身近にというか、『花は誰のもの?』をきっかけに、平和について考えてもらえるようになったらいいなと思います」

――6年目に向けた目標をお願いします。

石田「5年間で卒業したメンバーもいれば、新しく入ってきてくれたメンバーもいます。STU48としての良さを残しつつ、形は変わりながらも、さらにパワーアップして、進化していきたいです」

中村「いつの間にか長い月日が経て、2期生、研究生と入ってきて、自分もいつまでも後輩ではいけないなって。もっともっと背中を見せていけるような存在になれるように頑張ります」

□石田千穂(いしだ・ちほ)2002年3月17日、広島県出身。STU48 1期生。おっとりした性格ながら、ひとたびステージに立てばキレのあるパフォーマンスと優しく包み込むような笑顔でファンを虜にする。1期生の峯吉愛梨沙&矢野帆夏、ドラフト3期生の沖侑果と楽屋で繰り広げたラップバトルで惨敗し、「これから鍛えていきたい」とスキルアップを誓う。

□中村舞(なかむら・まい)1999年4月4日、愛媛県出身。STU48ドラフト3期生。アイドル然としたルックスと少女のような透明感だけでなく、ミステリアスさも兼ね備えた“オンリーワン”の存在。大のタキシードサム好きで、愛用する巨大ぬいぐるみに関して、「私の大事なものなのに、沖ちゃんはギュっと潰したりしてきて本当にありえない!」と同期の沖侑果にご立腹。

○STU48 5th Anniversary Concert Documentary Book-明日への出航-(玄光社)
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=29478

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