じゅんいちダビッドソン、実はギネス記録保持者 倉庫に寝泊まりして鍛えた芸能界屈指の腕

お笑い芸人のじゅんいちダビッドソン(47)は、本田圭佑の“ものまねネタ”、YouTubeで話題の“キャンプ芸人”、アメ車愛好家だけでなく、「ビリヤード芸人」としての顔を持っている。実は、ビリヤードに関するギネス記録保持者でもある。先日は国内最高峰の大会にアマチュアとして出場。壮大な夢を描いているらしい。早速、本人に聞いてみた。

じゅんいちダビッドソンは芸能界きってのビリヤード好きとして知られている【写真:合同会社潤一提供】
じゅんいちダビッドソンは芸能界きってのビリヤード好きとして知られている【写真:合同会社潤一提供】

俳優の金子昇とはビリヤード仲間 「アメトーーク!」でも話題

 お笑い芸人のじゅんいちダビッドソン(47)は、本田圭佑の“ものまねネタ”、YouTubeで話題の“キャンプ芸人”、アメ車愛好家だけでなく、「ビリヤード芸人」としての顔を持っている。実は、ビリヤードに関するギネス記録保持者でもある。先日は国内最高峰の大会にアマチュアとして出場。壮大な夢を描いているらしい。早速、本人に聞いてみた。(取材・文=吉原知也)

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 <多趣味の遊びを仕事にする男の“ビリヤード活動”が活発化している。今年6月、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の「ビリヤード芸人」の回に出演すると、8月には、「東京ポケットビリヤード連盟(TPA)」の月例大会にゲストとして招待されて出場。そして国内有数のビッグタイトル「第35回 ジャパンオープン」に挑戦。9月3日に行われた東日本予選では、2試合に勝利するも、4試合目でプロ選手に負け、次のステージには進めなかった>

 本格的な大会出場は20年ぶりぐらいでした。まずTPAの月例大会で久しぶりに勘を取り戻そうと1か月半練習しました。もともと仲のいいプロに誘われて、今回ジャパンオープンにチャレンジしてみました。最後の試合は、相手のプロ選手はどうも調子が悪かったようで、僕も久々の大会で疲れが出てしまいミスが多かったです。互いにチャンスもらったのに外すみたいな試合展開でした。ギリギリで負けたという感じで、もうちょい練習していればいけたかなという感触を持っています。これで75%ぐらいは取り戻せました。

 実はビリヤードは、芸能界でも結構できる方だと思っています。映画「ハスラー2」に憧れて、中学3年の時に初めてやって、大学時代はビリヤード場でバイトをしていました。それで芸人を目指そうと上京したのですが、アパートの家賃振り込みが遅れがちで出て行かされて(笑)、中野のビリヤード場に住み込みで働くことになりました。というか、倉庫に住んでました(笑)。そこで2年間、ビリヤード漬け。ものすごくのめり込みました。普段は倉庫で寝泊まりして、月1回の定休日は台の上で寝るみたいな、そんな生活を送りながら、ビリヤードの腕前はガンガン上達したんですよ。一応、アマチュアで上位クラスのA級です。当時あまりにもハマり過ぎて、このままいくとビリヤードの人になっちゃうなと思って、バイト自体も辞めて一度、ビリヤードから身を引いたんです。25歳の時です。

 30歳過ぎの時に一度2か月ぐらいビリヤードをやった時期もありましたが、そんなこんなで本格的にビリヤードに戻ってきたのは、本当に久しぶり。この2か月間はビリヤード場にガンガン行きまくったので、ちょっと家族に怒られちゃうかなと思ったぐらいです。でも、ビリヤードは楽しみながらの練習で何度も何度もプレーするんです。だから5、6時間は平気でやるんですよ。昔の店員時代は、毎日10時間ぐらいやってました。もし今回勝っていれば、10月下旬の次の試合までまたビリヤード場に通えたのに…なんて思っています。

じゅんいちダビッドソンはビリヤードで選手兼解説を務める芸能人参加のトーナメントを構想している【写真:合同会社潤一提供】
じゅんいちダビッドソンはビリヤードで選手兼解説を務める芸能人参加のトーナメントを構想している【写真:合同会社潤一提供】

「大ブームを作りたい」 ミスをしたら負けでメンタル面が重要なスポーツ

 ギネスも持っているんですよ。2020年2月に、「スピードエイトボール」という種目に挑戦しました。チームでプレーして1時間で27ラック(回)以上を取り切れば成功という条件で、残り2秒で27ラックを達成しました。男子プロ5人と僕がチームを組みました。直前の2週間ぐらい集中して練習して臨んだのですが、ぶっちゃけ6人目もプロだったら、もう2、3分早く達成できていたと思います。これは実績を残すことが大事だったので、結果重視で頑張りました。このギネス記録を取りにいったことが、芸能界で話題を集めて「アメトーーク!」にもつながったので本当によかったと思っています。

 ビリヤードの魅力は、ショットを放って「カツン」と当てて、球がポケットに「ガタン」と落ちて、「コロコロ」と台の中を転がっていく。この音がいいんですよ、中毒性があります。初心者の方は最初の数日間は、うまい人からしっかり教わる必要があるので、ハマるのに時間がかかりますが、ハマったらどっぷりですよ。上達すると分かってくるのですが、「ミスをしたら負け」でメンタル面が重要なスポーツでもあるんです。試合ではイージーミスが命取りになります。でも、人間どうしてもミスが出てしまう。神経を研ぎ澄ませた自分との戦い、相手との心理的なせめぎ合いでもあります。この間のジャパンオープンの最終戦では、僕が簡単に狙えるはずのショットを外して、自分の中では「はい、もう終わり」となったのですが、相手が簡単な狙いをまさかのミス。「おいおい。勝てるかも」と僕の番が回ってきたのですが、いつもなら普通に落とせるところをまた外して、結局負けちゃいました。見ている側もハラハラドキドキで楽しめますよ。試合以外でプレーする時は、お酒をたしなみながら仲間3、4人でワイワイと。交流を深めるのにうってつけの遊びでもあるんです。

 もうね、ビリヤードの大ブームを作りたいんですよ。ビリヤード界の盛り上げに貢献できればと考えています。長時間になるので地上波は難しいかもしれませんが、テレビや配信番組で、「ガチ」のトーナメントをやりたいです。得意な芸能人にも参加していただいて。僕は選手兼解説として出場して、MCなのに1回戦とかで負けてしまい、その後は悔しくてムカついてずっと黙っちゃうみたいな(笑)。

 最近は1泊2日のキャンプロケの帰りにビリヤード場に行って戻ってきています。キャンプ帰りにビリヤードに行くルーティンを持ってるのは、多分国内で僕だけですよ!(笑)。そうしたら夢が芽生えてきまして、世界の憧れの「USオープン」がアメリカで開催されているんですが、アマチュア部門で出場することです。もちろん速攻で負けるので、その後は、グランド・キャニオンでキャンプをして帰ってくるという。ビリヤードとキャンプでYouTubeを撮影して、一石二鳥です(笑)。

 そうそう、俳優の金子昇は同学年で、芸能界で有名になる前からの仲なんですよ。中野のビリヤード場で20代の頃に僕が店員で彼は常連客で。互いにこれから芸能界で頑張るぞ、という時によくビリヤードを一緒にやっていたんです。時がたって久しぶりに昇に会った時に、「おう、昇、久しぶり!」と声をかけたら、少し反応が薄くて(笑)。後から聞いたら、その場では思い出せなかったらしいんです。そりゃそうですよね、当時の僕は金髪じゃなかったし(笑)。僕の本名は内海(うちのうみ)と言うのですが、「内海と昇君」の関係がリンクしなかったそうなんです。後日に共通のプロ選手から聞いて気付いたとのことで。もちろん今でもビリヤード友達として仲良くさせてもらってますよ。

□じゅんいちダビッドソン、1975年2月4日、兵庫県尼崎市生まれ。97年にデビューし、サッカー元日本代表・本田圭佑の“ものまねネタ”で知られ、「R-1ぐらんぷり2015」で優勝。キャンプ・アウトドア分野でも活躍を見せる。YouTubeチャンネル「ちゃんねるダビッドソン Channel Davidson」を運営。個人事務所「合同会社潤一」代表を務めている。愛車は、希少タイプの65年式シボレー・シェベル・マリブSSと、ヤフオクで買ったジープ・チェロキー。期間限定で海外に住みながら日本を行き来できるような仕事のスタイルを模索中で、筆頭候補はオーストラリアのメルボルン。

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