28年前の“伝説のマツダ車”がまるで新品同様 「フェラーリより希少だと思います」
“伝説”のマツダ車が今でも健在だ。1994年式のユーノスコスモ 20B タイプSX。ホイールのみタイプSに変えたものの、元の部品も保管しており、外装も内装もフルオリジナル「そのまんま」で残っている。しかもピカピカでまるで新品のよう。極上の1台を大事にする男性オーナー(50)に直撃した。
「3ローターエンジンが本当に好きで」 総走行距離は約3万キロの極上品
“伝説”のマツダ車が今でも健在だ。1994年式のユーノスコスモ 20B タイプSX。ホイールのみタイプSに変えたものの、元の部品も保管しており、外装も内装もフルオリジナル「そのまんま」で残っている。しかもピカピカでまるで新品のよう。極上の1台を大事にする男性オーナー(50)に直撃した。
25歳人気女優のクルマ愛…免許はマニュアル取得、愛車はSUV(JAF Mate Onlineへ)
入手して12年目。自身は2オーナー目になる。ずっと欲しくて探していた車種で、見つけた時の逸話がある。「東北マツダから昼に連絡があって、勤務中だったのですが、『ちょっと出かけます』と、そのまま上野駅から新幹線に飛び乗って山形に行きました。とにかく書類にはんこを押して手付金だけ払って。滞在時間は30分でした。夜には戻ってきていました」。
総走行距離は3万キロと少し。イベントで見せるために乗る程度で、ほとんど車庫に入れて保管している。18日に行われた「A PIT オートバックス東雲」主催のカーイベントで、久しぶりに人前で披露した。「久々に出てきました。コロナ禍で3年ぶりかな。もちろんエンジンをかけて洗って調整していますよ」。当日はマツダオーナーたちから熱視線を集め、「やっぱり気持ちいいよね。『懐かしいよね』って言ってもらえて。僕が免許を取った頃に出たクルマなので憧れなんです。20Bなんて、スーパーカーですよ。3ローターエンジンが本当に好きで。こうして維持できているのがうれしいんです」と破顔した。
内装のダッシュボードにはイタリア製ウッドがあしらわれ、高級感があふれる。ボディーはパッションローズマイカの渋いワインレッドが印象的。「元祖ソウルレッドと言われていて、ここから始まったと聞きました。バブルのお土産のようなクルマですよね。唯一無二で、もう作れないですよ。フェラーリより希少だと思います」とほれぼれだ。
兄がマツダの本社勤務だったため、マツダ車に興味があったといい、20歳当時に1度、ユーノスコスモ タイプE CCSに乗っていたことがあるという。「当時、教習所に通っていた(当時は彼女の)妻を乗せていたことがあって、思い出深いことに加えて、この強烈なエンジンをどうしても忘れられなくて。それで探し続けていたんですよ」。執念で見つけた1台でもある。
16歳の長女、小学生の長男もクルマ好きといい、「子どもが免許を取ったら乗りたいと言っているので、このまま渡せればいいかな」と、今後の夢を語った。「この色で20Bのものは当時3台しか出ていないと聞いているんです。現存で走っているのは日本に1台しかないと思いますよ」というほどの貴重車。先日ラジエーターを新品に交換し、コンピューターのコンデンサーを取り換えたことで、「マツダさんにやってもらっているんです。これでコンデンサーの液漏れを防げる。この先、20年は大丈夫です」。整備にぬかりはない。
ピッカピカのボディー。「磨きはかけない、これが大事です。手で圧力をかけることで、傷が入っちゃうんですよ。泡をかけて流して、布の重みだけで拭いていく。細かいところはブロワーで。頑張って拭いちゃダメ。スーパーソフトタッチで拭くんです」。とっておきの秘訣(ひけつ)を教えれてくれた。