ヒットメーカーimaseのルーツとは 音楽制作開始1年でメジャーデビュー果たした21歳

令和の音楽シーンに彗星(すいせい)のごとく現れた21歳のimaseは、TikTokでのバズをきっかけに音楽制作わずか1年でメジャーデビューをつかみとった。ポカリスエットやJTのCMソングを務めるなど順風満帆な21歳は、8月19日には5作目となる配信曲「NIGHT DANCER」をリリースした。そんな急成長を続けるimaseを直撃し、音楽活動のルーツや今後について聞いた。

飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を見せるimase【写真:ENCOUNT編集部】
飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を見せるimase【写真:ENCOUNT編集部】

遊び感覚からスタートした音楽活動

 令和の音楽シーンに彗星(すいせい)のごとく現れた21歳のimaseは、TikTokでのバズをきっかけに音楽制作わずか1年でメジャーデビューをつかみとった。ポカリスエットやJTのCMソングを務めるなど順風満帆な21歳は、8月19日には5作目となる配信曲「NIGHT DANCER」をリリースした。そんな急成長を続けるimaseを直撃し、音楽活動のルーツや今後について聞いた。(取材・文=中村彰洋)

――5作目の配信となりました。率直なお気持ちを教えてください。

「ダンスナンバーの曲を作ってみたいと思っていたので、自分が作りたかったジャンルの曲になりました。リズムとグルーブ感が今回はポップスながらも“R&B色”が強めになっているかなと思います。昔から作りたいと思いつつ、これまでの実力では形にすることができなかったのでやっと1つ作りたいと思っていた曲を作ることができて、すごくうれしかったです」

――今作の特徴はどういった部分でしょうか。

「これまでは、ファルセットでサビ部分を歌いきったりしていたのですが、今回は地声が特徴となっている点が今までとは違うかなと思います。リズムも今までよりもグルーブ感重視です。今までは、1巡目のAメロBメロと2巡目のAメロBメロがまったく同じようなリズムやグルーブだったんですけど、今作に関しては、より遊び心を詰め込みたいなというところがあったので、2巡目以降のBメロに関しては全然違った乗せ方で作ってみたり、遊び心がある点が今までとは違うのかなと思います」

――5作目で余裕も出てきたいうことですね。

「いやいやいや、そんなことないですよ(笑)」

――これまで武器としていたファルセットでしたが、今作では意識が変わったのでしょうか。

「ファルセットだけだと、世界観がミニマムになりがちなんです。例えば、壮大な楽曲を作りたい場合でも、裏声だけだとパワーが足りなかったりしてしまうので、曲幅が狭くなってしまうと思っていたんです。そう考えたときに地声で歌うことも今後必要になってくるなと、意識が変わりました」

――5曲目ともなるとバリエーションも大事になってくるかと思います。

「今までと違ったテイストで大衆性があるものを作ることは、大事だなと思っています。いろんな人に聞いてもらうためにはいろんな幅で、自分のテイストを感じさせつつ作るのが、大切なのかなと。自分のプレイリスト内だけでいろんなタイプの楽曲を聴いて、imaseだけで聴きたい曲を全部完結できることができればいいですね」

――ご自身で考える「imase」の魅力はどういった点ですか。

「自分独特のリズムの乗り方だったり、グルーヴ感は特徴になるなのかなと思います」

学生時代はサッカーに熱中「当時はサッカー選手になりたいなと」

――音楽を作り始めたきっかけを教えてください。

「いろんなことに興味を持つ友達がいて、ギターを買っていたんです。それで、歌うのが好きなので、弾き語りでもしてみようかなと影響を受けて、僕も買ったところが始まりでした」

――どういう流れで、TikTok投稿を始めたのでしょうか。

「TikTok上に投稿されている楽曲を見て、ショート尺だったらもしかしたら自分でもできるんじゃないかなと始めたのが最初でした。本当に遊び感覚で、『曲できたし投稿してみようぜ!』って感じでしたね」

――初めて“バズり”を実感したのはどのタイミングでしたか。

「『Have a nice day』ですね。『本当にこんな増え方するんだ』みたいな。倍々ゲームのようで、伸び方がすごくて驚きました。『こんなにリスナーの方に評価してもらえるんだ』とびっくりしましたね」

――通知が鳴り止まなかったんじゃないですか?

「僕、全SNSの通知オフにしているんです。急にピコーンってくるの苦手で(笑)」

――“バズ”を狙って楽曲を制作するスタイルですが、ご自身の好きな音楽とのギャップを感じることはありますか。

「バズを狙うという感覚より、自分がそのときに作りたい楽曲がリスナーの方の需要とあまり離れていないことが多いと思います。最初に投稿した『n1ght』という曲も自分が作りたいように作った曲がリスナーの方も気に入ってくれたので、あまりそこにギャップはないですね」

――いつアーティストになりたいと思うようになったのでしょうか。

「そこの実感が今もあまりないんですよね(笑)。活動を続けるにつれて、よりいっそう意識しなくちゃいけないなと思うようになりました。メジャーデビューについても当時はそんなによく分かっていなかったので、『メジャーデビューとは……?』って感じだったんです(笑)後から調べて『なるほど、そういうことだったんだ』と知って、頑張らなきゃと思いましたね」

――現在は、ライブ未経験になりますが、ライブへの思いはありますか。

「自分の楽曲を人前で歌うことに最近すごく興味が出てきました。それに向けて楽曲を作ってみたいなって思っています。ライブというのは今までとは別軸の音楽の見せ方になってくるので、今まではSNS投稿ばかりだったので、そういう意味では新しい経験、新しい楽しみが増えると思っています」

――どんな学生時代を過ごしてきましたか。

「小中は“ガチ”でサッカーをやっていました。高校も途中までやっていました。音楽とは無縁の生活でした。当時はサッカー選手になりたいなと思っていましたね」

――きっかけとなった友人はimaseさんの今の状況についてどのように?

「『すごいなぁ』って(笑)。今でも毎回、作ったらすぐ送っています」

――最初のリスナーですね。

「リスナーというよりもプロデューサーですね(笑)」

――岐阜への愛着は強いのでしょうか。

「そんなに愛着があるわけではないですが、楽器を好き勝手に弾けるので制作においてはすごくいい環境だなと思っています。だけど、コンビニが遠いので……(笑)。上京への憧れとかはないんですけど、絶妙に交通の便がいいところがいいなと思ってはいます。だから、岐阜県内でもいいんですけどね」

――今後の目標を教えてください。

「ライブみたいに、1組のアーティストに向かってたくさんのリスナーが集まるのはすごいことだと思いますし、実際に見てみるとすごい光景だったので、自分もああいう舞台でやりたいなと思います。楽曲面でもいろんなジャンルで自分のテイストを残しつつ、音楽自体が消費されやすい時代になっていると思うので、その中でもちゃんと残り続けるような普遍的にいつ聞いてもいいなと思ってもらえるような作品を作りたいです」

――気づいたらアーティストになっていたということですが、モチベーションの保ち方が難しそうですね。

「そうなんです。だからモチベーションになるものを常に見つけつつ頑張っているって感じです。今はライブという1つ大きい目標ができました」

――今後ずっと音楽活動を続けていると思いますか。

「どうなんですかね……、まだ自分でも分からないです。急に変わるかもしれないですね。性格的に(笑)」

□imase(いませ)岐阜県在住の21歳。音楽活動開始わずか1年で、TikTokに投稿したオリジナル曲の総再生回数が12億回を突破しティーンから絶大なる人気を得ている。また、ポカリスエットやJTのCMソングを担当するなど活躍の場を広げている。2022年8月19日には「NIGHT DANCER」、9月14日には新曲「うたう」を配信リリースした。

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