熊がいないところで熊鈴使用はマナー違反? 炎上した“熊鈴論争”、投稿者の真意とは
「登山あるあるの話を炎上する覚悟で言います…熊がいない所で熊鈴鳴らすんじゃねぇー!!!!wwww」。先月下旬、ツイッター上でトレンドとなった「#炎上覚悟で嫌いなものを言う」というハッシュタグをつけた投稿が実際に炎上、登山かいわいを中心に熊除け用の鈴の使用マナーに関する“熊鈴論争”が巻き起こった。投稿したのは登山歴10か月のYouTuberぬっきーさん。なぜ炎上覚悟で熊鈴の投稿をしようと思ったのか、投稿に込めた真意とはなんだったのか。一連の騒動を振り返ってもらった。
「#炎上覚悟で嫌いなものを言う」というハッシュタグをつけた投稿が実際に炎上
「登山あるあるの話を炎上する覚悟で言います…熊がいない所で熊鈴鳴らすんじゃねぇー!!!!wwww」。先月下旬、ツイッター上でトレンドとなった「#炎上覚悟で嫌いなものを言う」というハッシュタグをつけた投稿が実際に炎上、登山かいわいを中心に熊除け用の鈴の使用マナーに関する“熊鈴論争”が巻き起こった。投稿したのは登山歴10か月のYouTuberぬっきーさん。なぜ炎上覚悟で熊鈴の投稿をしようと思ったのか、投稿に込めた真意とはなんだったのか。一連の騒動を振り返ってもらった。
ぬっきーさんが登山を始めたのは昨年10月。離婚を経験し、精神的にまいっていたところ、知人から登山を勧められ都内にある高尾山に登ったという。
「森林浴セラピーっていうんですかね。登頂を目指すピークハントや百名山ではなくとも、自然の中にいること自体がすごく楽しくて。そこからアクティビティーのある山にも行くようになりました。精神的な安定感も得られて、自分と同じような境遇の人にも登山の魅力を伝えたいとYouTubeでの発信を始めました」
冒頭の熊鈴に関する投稿については、ハッシュタグの通り、ある程度炎上する予感はしていたという。なぜあえて物議を呼ぶような内容を投稿しようと思ったのか。
「熊鈴に限らず、登山では昔からの暗黙の了解みたいなものがいろいろあって、本当は迷惑に感じていても口に出しちゃいけない雰囲気がある。事の発端は、ある山の登山口に向かうバスの中で、立っていた人のザックにぶら下がっていた熊鈴がバスの揺れで自分の頭にぶつかったことがあって、それがすごく痛かったんですよ。一言声を掛けたんですけど、ちゃんと謝られもしなくて悔しくて。今回ハッシュタグが回ってきて、一石を投じるいい機会だと思って、以前から感じていたことを投稿しました。あそこまで反響が大きくなるとは思っていませんでしたけど」
投稿は登山を趣味とするアカウントを中心に拡散。ヒグマが多数生息する北海道やツキノワグマの生息地である本州、熊がいないとされる九州など、地域ごとにも事情は異なり、実際に熊の生息数が少ない山域によっては、他の動物や野鳥への影響から熊鈴の使用を控えるよう掲示している所もある。ぬっきーさんの投稿は「熊がいないところ」の定義をめぐって大論争に発展した。
「自分は熊鈴の音は好きではないですが、TPOにあった場所で使おうと言っただけで、山の中でも使うなとはいってません。『熊がいないところで』というのは電車の中とバスの中とか、人が大勢いる観光地の山のこと。その他にも、例えば深夜や早朝の山小屋、キャンプ場では消音カバーをつけるとか、もう少し周囲への配慮があってもいいと思って投稿しました。ただ、勘違いする人や一部を切り取って解釈する人もいて『山で熊がいない所なんかない』とか『キャンプ場で熊が出た例もある』とか、段々と極端な話になってしまって。確かに熊がいるところ、いないところに絶対はありませんが、ケースバイケースの対応があってもいいと思います」
登山かいわいに一石を投じた熊鈴論争。2週間あまりがたち炎上は収束に向かっているものの、結論はまだ出ていないようだ。