松下奈緒、BS朝日「地球クライシス2022」出演 環境問題に「何かのきっかけになれば」
女優の松下奈緒がナビゲーターを務めるBS朝日の特別番組「地球クライシス2022~気候危機 転換への道しるべ~第4弾 ヨーロッパ編 都市の危機」(18日、午後9時)の収録が都内で行われた。
「若い世代の方々に見ていただきたいです」とアピール
女優の松下奈緒がナビゲーターを務めるBS朝日の特別番組「地球クライシス2022~気候危機 転換への道しるべ~第4弾 ヨーロッパ編 都市の危機」(18日、午後9時)の収録が都内で行われた。
本作は、大洪水、台風、山火事、熱波、海面上昇……世界各地で起きている異変を圧倒的な取材力と映像力を誇るイギリス・BBCのドキュメンタリーと日本の独自取材で届ける人気シリーズ・地球クライシス第4弾。今回は、気温上昇で永久凍土が溶け、地盤が緩み始めた最北の街スバールバル諸島の現状や環境先進都市デンマーク・コペンハーゲンの取り組みなどを描いたBBCのドキュメンタリーと、ゲリラ豪雨の原因の解明、干ばつによる街の影響などを取材した独自の映像を見ながら、地球の今と未来を、望月理恵の進行で気象予報士の依田司、気候科学者の江守正多とともに考えていく。
独自取材による映像では降水量が1時間80ミリにも及ぶゲリラ豪雨、一方、干ばつによって極端に地面が陥没し、建物の下に駐車スペースができるまでになった地域を紹介。松下は「豪雨と暑さの幅が広がっている。コロナ禍ですが、できることをやるしかない。気候変動は生活スタイルや食べ物まで大きく変わってしまうんだなと思いました。10、20年前はなかったことですが、常に折りたたみの傘を用意しています」と言うと、依田は「僕も日傘をさすようになりました。炎天下、日なたは歩けない。そのうちファン付きの服が一般化するんじゃないかな。天気予報では夕立は死語になりました。ゲリラ雷雨という言い方をしています」などと答えた。
番組の後半では、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(19)の活動に賛同し、日本でも2019年に立ち上がった団体「Fridays For Future Tokyo」の中心メンバーで大学2年生の阪田留菜さんがゲストで登場。松下が質問し、阪田さんが団体の活動を紹介する。2030年までに温室効果ガス62%削減(政府目標は46%)を掲げ、その啓蒙(けいもう)活動として渋谷に「クライメートクロック」を設置。日本のメガバンクが融資したベトナムの火力発電建設の中止を訴えた活動や、気候変動によって発展途上国や日本の貧しい人々の人権を侵害されていることなどを訴えた。
テレビ東京「ガイアの夜明け」でも、ナビゲーターを務める松下。収録を終えて、「今日が一番、気候危機をたくさん考えた日かもしれません。今まで意識していなかったわけではありませんが、プロの方のお話をここまで詳しく聞ける機会はとても貴重です。こうしたお話を聞くだけでも地球環境に携われるし、行動を起こして地球環境に携わることもある。いろんなレベルがあって、人それぞれの感じ方、捉え方があるんだと思いました。目に見える変化は、長い目で見たときに初めてわかるもの。地球温暖化に対して、小さな事でも継続して、地球環境をよくするための何かのきっかけになればと思っています。特に次を担っていく若い世代の方々に見ていただきたいです」とアピールした。
収録を終えた出演者のコメントは以下の通り。
松下 「地球温暖化という言葉は本当によく耳にしますが、実際映像で見ると、すごく説得力があります。そこで活動されている方の思いをうかがうことができました。番組最初の気候危機の映像では衝撃が大きかったのですが、まずはできることをやるのが環境問題への取り組みの第一歩。大きなことはできなくても、こういう環境問題を扱う番組で知ってもらうことが一つ何かのきっかけになるといいなと思います」
依田 「この番組は気候危機をまず見せるんですけど、そこで終わらずに救いがある。僕が地球温暖化対策として一番気にしているのが水素。番組では、水素ハウスが『10年後になれば、誰もが住めるようになるよ』というような話がありましたが、僕が生きているうちに実現してもらいたい。番組では、僕ら世代より若い世代の姿勢を知ることができて、逆に勇気をもらいました」
望月 「危機をどうしましょうかという話は、実はポジティブな話だと感じました。もっといいアイデアを出したら、よくなるんだ、みんなで話し合おうというのが番組の趣旨。CO2を吸収する泥炭土壌の話で出てきた、『自然と共に働く』という言葉がとても印象的でした」
――気候変動を止めるために、個人的にやっていることはありますか?
松下 「エコバッグとマイボトルと自転車ぐらいしかないんです。それを無駄だと思わず、続けていこうと思っています。私1人が自転車に乗ったところで何が変わるんだって言われれば、それまでですけど、それぞれの人ができることを最大限にやっていく。やれる事は大小それぞれだと思いますが、できることを継続していくことで頑張る。できることからやろうと思います」
依田 「僕は気象予報士でキャスターですから、日々テレビに出て、ことあるごとに環境問題の話を取り入れています。イベントなどでは、地球温暖化や気候変動をあまり知らない人たちにもとっつきやすい話をして、危機感を持ってもらうようにしています。一番良いのは行動に移してもらうことなんですが……なかなかそこが難しいんですけどね」
望月 「私は洗剤やシャンプーは海に悪影響を及ぼさないものを意識して使うようにしています。スポンジも自分で編んでいますが、それは我慢しているのではなく、楽しいから。交通手段として自転車を使うのは一番理想な形ですけど、なかなか難しいこともあります。できるかぎり自分で歩いたり、行ける距離は自転車で行くようにしています」
――身近なことで地球温暖化を実感したことは?
松下 「私が小学校の時は元気よく校庭で体育の授業をしましたが、今の子は炎天下で長時間外にいることができない。それ自体が危険なことなんだ、と。今はコロナ禍ですごく制限されることも多いけれども、今ある環境を認めながらも良くしていくことを意識しないといけないなと特に思いました」
依田 「僕はテレビ朝日で25年ぐらいお天気キャスターをやっていますが、昔に比べると、報道番組でお天気を扱う機会がすごく増えました。しかも、やると視聴率が取れるんです。つまり裏を返せば、皆さんが気にしているということなんです。みなさんがおかしいと思っているし、実際にデータを見ても、気温は暑くなっています」
望月 「昔の情報番組の天気コーナーは、洗濯物はこれぐらいで乾くという感じだったのが、今は『外にいると危険です』という話もあるし、お天気コーナーそのものがニュースの一つだなとすごく実感します。番組全体が特番になってしまうぐらいの関心事になっていますよね。食べ物の問題、生活の部分、全てに天気が影響を与えている。それが人権問題まで及ぶのだなと実感しました」
――松下さんはインスタグラムでは裁縫の紹介もされていますが、今回のテーマに寄り添うところがありますね。
松下 「私は自分で作るのも好きなのでやっています。それが環境問題にどうつながっていくかは分からないのですが、何か楽しみながら続けられることが大事なのかな。お洋服も好きですが、本当に好きなものは究極、端切れで作って、それを工夫して使う(笑)。楽しみながら続けるのが大事。今、自分がこれだったらできるなって思うことが裁縫だったんですね」
――テレビ東京「ガイアの夜明け」でも環境問題は多く取り上げていますね。
松下 「私は3年ぐらいやらせていただく中で、集中豪雨やゲリラ豪雨は多く取り上げています。どちらかと言えば、開発している側のお話なので、今回とは切り口が違いますが、ものすごく勉強になります」
――最後にこの番組の見どころは?
松下 「一言で言うのは難しいですが、いろんなことが全てつながっていると思います。何か一つ環境のことを考えて行動するだけで、一つのことが良くなるかもしれない。この番組を見ていただくと、今を知れる。それが大きいかなと思います」
依田 「今日も、気候危機に対する解決策の話をたくさんしたんですが、答えはたくさんあるんだなっていうのがわかりました。何より、温暖化を止めるヒット商品を待っています」
望月 「見始めたら、最後まで見てほしいです。最初だけ見ると、衝撃しかないので、2時間ドラマを見るような感覚で見ていただきたいです」