DDTの新星・正田壮史は大学休学してプロレスラーに 少林寺拳法でインハイ3位の実力派
8月14日にレスラーデビューした「DDTの新星」正田壮史が、スター選手への階段を昇り始めた。初戦の相手はDDTの屋台骨・HARASHIMAであり、その後もKO-D無差別級前王者・遠藤哲哉と一騎打ちするなど、並みの新人選手ではありあないファイティングロードを歩んでいる。入門3か月で実戦という逸材ぶりを、いかんなく発揮中だ。
「プロレスラーになりたい気持ちを押さえきれなくなった」
8月14日にレスラーデビューした「DDTの新星」正田壮史が、スター選手への階段を昇り始めた。初戦の相手はDDTの屋台骨・HARASHIMAであり、その後もKO-D無差別級前王者・遠藤哲哉と一騎打ちするなど、並みの新人選手ではありあないファイティングロードを歩んでいる。入門3か月で実戦という逸材ぶりを、いかんなく発揮中だ。
DDTサイドの期待が大きいのもうなずける。高校時代に少林寺拳法でインターハイ3位。指導を受けたのが世界一に輝いた先生とあって「最高の環境でした」とにっこり。
持ち前の格闘センスをすでに披露しているが「少林寺を生かしたキックやパンチを生み出したいんです」と前向きそのもの。流水蹴りや卍拳などをプロレス流にアレンジした技を開発している。
何より、プロレスへの思い入れがすさまじい。大学に入学し、無事に3年に進級したが「どうしてもプロレスラーになりたい気持ちを押さえきれなくなってしまって」と休学し、DDT入りしている。中学生のときに飯伏幸太の変幻自在のファイトスタイルを目にして、プロレスにはまった。
「かっこ良くて衝撃でした。でも、もうレスラーになったんだから、いつまでもそんなことは言っていられない。正田壮史というレスラーに憧れてもらえるように頑張りたい」と、その意識は高い夢だったDDT入門を果たし練習生として、忙しい生活を送っていたが、思いのほか早くその日がやってきた。「早くて半年後かな」と、じっくり構えていたがところ、3か月でデビュー戦が決定し、本人もびっくり。「知ったときは驚きました。正直、不安な気持ちばかり」だった。
ところが、デビュー戦の日にコスチュームを着用すると「鎧だよ。これがあるから大丈夫。いけるっしょ」と落ち着いたという。まさにレスラーは天職だったのだ。
「でも、ゴング後のことは全く覚えていません。気が付いたら、負けていました。悔しいけど、今の僕が勝てるほど甘くはない。そこはわかっています」と振り返る。
9月18日の東京・後楽園ホール大会では、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのハリマオ・吉村直巳へのチャレンジマッチが控えている。「ごつい。岩のような体をされている。パワーはじめ、すべてでかなわない。唯一、勝負できるとしたらスピードでしょうか。かく乱して、活路を見出したいですね」。一つでも爪痕を残すため、トレーニングに力がこもる。
オフには、自慢のロングヘアをかきあげながら、時代小説を読み、ネットフリックスで「ウォーキングデッド」の最新シリーズをチェック。「テレビっ子でもあるんです。僕の世代ではあまりいないみたいですけど」と照れ笑いを浮かべる。
英語学習にも取り組んでいる。「実は大学の専攻は英語。将来の海外遠征でも役立つし、外国人選手とコミュニケーションが取れれば、レスラーとしてはもちろん、人生もより楽
しめると思うんです」とにっこり。「正田壮史というレスラーを楽しんでもらえるように、できることはすべて取り組んでいきたい」と、改めて誓う新星の成長物語を、それこそ楽しみに見守りたい。