仙女・橋本千紘インタビュー前編 強くなるきっかけを教えてくれた新崎人生の一言
新崎人生のアドバイスで始めたレスリングで才能を開花
――入門テストに合格するも、そのまま入門ではなく進学しました。プロレスラーになるためにあえてレスリングを始めたそうですね。
「そうなんです。そもそも自分には格闘技経験がなくて、バスケットボールを7年間やっていたんですけど、新崎社長(新崎人生/みちのくプロレス)から、『受け身の練習をしておいた方がいい』と言われて。その時、(同じテストにいた)花月(引退)は柔道をやっていて基礎があるけど、自分には基礎が無かったんです。『(新崎人生から)半年でいいから入門するまでやっておきなさい』と言われたのがきっかけで、レスリングを始め、そこから推薦とかをいただいて結果も残して。自分でも心がいろいろ揺らいだんですけど、結局は親から『高校に進学した方がいいんじゃないか』との言葉で進学しました」
――レスリングによって格闘技の経験が無い事をカバーするばかりか、大きな結果(全日本選手権3位、アジアジュニア選手権67kg級優勝)も残しました。
「高校に入った時はプロレスを思い出すと自分がブレてしまうので、わざとプロレスを見ないようにしていました」
――大学を卒業するまでプロレスは脇に置いておいたとか?
「そうですね。それまでは考えないようにしていました」
――では、プロレスラーになる決め手は何だったのですか。
「カルロス天野選手の引退試合で後楽園ホールに行かせていただいて、里村さんとか以前GAEAに出ていたメンバーを見て、やっぱり自分のなりたいものにならなければ後悔するという気持ちになって、その日のうちに里村さんに『プロレスラーになりたいです。仙女に入りたいです』と伝えました。親には大反対されたんですけど、自分で決めちゃいました」
――中学時代に合格していた仙女へそこで正式に入門したわけですね。
「ハイ、そうです」
――仙女で練習、試合をしていく中で、里村選手からGAEA時代の話を聞きましたか。
「聞いた事はないですね。でも私がGAEAを見ていた事は話しました。といってもそこまで深くは話してはいないです」
――そのかつて憧れていたGAEAが限定復活すると知った時、どう思いましたか。
「それはまず、自分が出たいなという気持ちになりました」
(後編に続く)
インタビュー・撮影協力:ホテルグレイスリー新宿
□橋本千紘(はしもと・ちひろ) 1992年7月1日生まれ。福井県坂井市出身。東京・安部学院高校では全日本選手権3位、アジアジュニア選手権67kg級優勝などの成績を収める。高校卒業後は日本大学法学部政治経済学科に進学。日大レスリング部で活躍する。大学卒業後、日本レスリング協会強化委員吉村祥子氏の紹介で里村明衣子と出会い、「センダイガールズプロレスリング」に入門。2015年10月プロデビューを果たし、現センダイガールズワールドシングルチャンピオンシップ王者として活躍中。