配信者は「『なっていた』という形が一番」 約10年“兼業”経験のSHAKAが送るリアルな助言
eスポーツエンターテインメント「RAGE(レイジ)」によるバトルロイヤルシューティングゲーム「Apex Legends」の有観客イベント「RAGE Apex Legends 2022 Summer」DAY2が8月28日に千葉・幕張メッセ(ホール9-10-11)で開催された。ストリーマーとして参加したSHAKAに、大型オフラインイベントの感想や、日本のストリーマーシーンの現在について聞いた。
大型有観客イベント「RAGE Apex Legends 2022 Summer」に参加
eスポーツエンターテインメント「RAGE(レイジ)」によるバトルロイヤルシューティングゲーム「Apex Legends」の有観客イベント「RAGE Apex Legends 2022 Summer」DAY2が8月28日に千葉・幕張メッセ(ホール9-10-11)で開催された。ストリーマーとして参加したSHAKAに、大型オフラインイベントの感想や、日本のストリーマーシーンの現在について聞いた。(取材・文=片村光博)
同イベントはRAGE初となるApex Legends単独でのオフラインイベント。DAY1は人気ストリーマー、DAY2はプロ選手を中心に参戦し、大きな盛り上がりを見せた。
イベント後、取材に応じたSHAKAは「プレイヤー数がこれだけ多いゲームタイトルで、こんなにお客さんが入るイベントは初めてでした。シンプルにすごく楽しめました」と振り返り、“お祭り”形式ならではの面白さがあったと語る。
「Apexの大会では、全試合のポイントで競い合うことが多いんですが、今回は1試合1試合で完結する形式がすごく良かったと思います。“ガチ”の大会ではなく、特殊ルールが入った試合も今までにない感じでした。お客さんも出演者も、すごく楽しめたんじゃないでしょうか。即席チームでしたし、構成も勝つためというよりは、普段使わないようなキャラクターを使ってみようというのを感じましたね」
プロ選手中心のDAY2にも人気ストリーマーたちが参加し、盛り上がりに貢献したように、ストリーマーの影響力は年々強まっている。配信プラットフォーム「Twitch」で長年ストリーマーとして活躍し、多くの視聴者から支持を集めるSHAKAは、活動する中で意識していることを次のように明かす。
「まず、見ている人が笑えないネガティブなことを言わないということ。あとはここ最近できていない部分もあるんですが、できるだけ毎日決まった時間に配信するということ。これは3~4年続けてきたことです。遅くても午後8時から12時の間は必ず配信するとか、そうしたルーティンは最初だけ意識したら、あとは無意識にできるようになっていました。自分は負担に感じることなくできていましたね」
一方で、増え続けるストリーマーの存在によって配信の“差別化”を意識することは「全然ないですね」という。
「周りを気にするというよりは、自分がやりたいことを、やりたいようにやるのが一番かなと思ってやっています。逆に、僕が配信しているTwitchで配信者が増えるのはうれしいですね。ライバルというより、仲間という意識の方が強いです」
まさに今回のイベントも、ストリーマー間の仲間意識、協力して盛り上げていく姿勢が印象的だった。基本的に個人で数字を出していく職種ながら、横のつながりを大事に、互いに良い影響を与え合う日本のストリーマー文化が表れていたと言えるだろう。
ストリーマー志望の子どもたちへのアドバイス「武器を見つけてもらえれば成り立つ」
今のストリーマー、プロゲーマーたちの活躍を見て、憧れを抱く子どもたちも多い。シーンの第一線を走り続けるSHAKAからアドバイスを送るとしたら、どんな言葉になるのか。
「言い方は難しいんですが、『(配信を)やりたくてやっていた結果、(ストリーマーに)なっていた』という形が、一番いいんじゃないかと思っています。『どうしてもなりたい!』と思っても、何をするべきか、どうしたらいいのか、基準がふんわりしているというのが理由です。とにかく頑張ればなれる、というものでもありません。
僕も最初の10年くらいはずっと働きながら、配信もゲームも収入ゼロでやっていました。最初からゲームや配信に振り切り過ぎてしまった場合、その期間が長ければ長いほど、社会から離れてしまうリスクもあると思います。いわゆる“普通”の人生を歩みながら、もしプロゲーマーや配信者になれそうなタイミングがあればなるというのが、一番ではないでしょうか。何かしら自分の武器があって、それを見つけてもらえれば、成り立つと思います」
最後に、今後も開催されるであろうオフラインイベントへの思いを聞いた。
「もちろんゲームがメインではあるんですが、個人的にはもう少し、来てくれた方との交流方法も増えたらいいなと思っています。来場される方の数も多く、難しいところもあるとは思いますが、調整しつつやれればうれしいです。ただ、オフラインイベントだったら正直、何でもいいですというのが本音です(笑)。こういうイベントは本当に楽しいですからね」
これからも配信、オフラインイベントの両方で、SHAKAらしい形でファンを楽しませ続けてくれるはずだ。