YouTube、国内3500億円超の経済効果 10万人超フルタイム相当の雇用創出 Googleが発表
Googleが、英国の独立系コンサルタント会社であるOxford Economicsに2021年のYouTubeがもたらす経済的、文化的、社会的影響の調査を依頼し、日本における結果を30日に発表した。Oxford Economicsの「YouTube Impact Report」によると、21年、YouTubeは、日本において3500億円以上の経済効果をもたらし、10万人を超えるフルタイム相当の雇用を創出した。(20年は、2390億円と7万5970人)
「新しいアーティストや音楽がヒットするためにYouTubeが不可欠」
Googleが、英国の独立系コンサルタント会社であるOxford Economicsに2021年のYouTubeがもたらす経済的、文化的、社会的影響の調査を依頼し、日本における結果を30日に発表した。Oxford Economicsの「YouTube Impact Report」によると、21年、YouTubeは、日本において3500億円以上の経済効果をもたらし、10万人を超えるフルタイム相当の雇用を創出した。(20年は、2390億円と7万5970人)
Oxford Economicsでは、YouTubeが社会に与える影響の全体像を把握するための定性的・定量的な分析において、3500人を超えるYouTubeユーザー、2000人以上のクリエイター、500以上の事業者を対象に調査を実施。調査から得たデータと公式統計を用いて、YouTubeのクリエイターエコシステムの経済的な影響を雇用やGDPへの貢献度の観点から分析した。
YouTubeの経済効果の中心となっているのは、コンテンツを提供するクリエイターや企業に収益を再分配する仕組み。これには広告をはじめ、音楽業界やメディア企業に支払われるロイヤリティが含まれる。こうしたコンテンツ所有者に還元される収益は、日本におけるYouTubeエコシステムの直接的な経済効果と呼ばれている。
また、クリエイターはコンテンツを制作するにあたって必要な商品やサービスを購入するため、間接的な経済効果ももたらしている。それに加えて、クリエイター自身や制作に関わるスタッフ、関連するサプライチェーン(音響・映像機器、映像編集・制作を提供するサービスなど)の従業員は得た収入を消費することで誘発的な経済効果も生み出している。
このレポートではさらに、クリエイターがYouTubeでの活躍をもとに動画以外の領域で得ている収入についても推計。これには、オリジナルグッズ売上、ブランドとの提携、ライブやコンサートなどが含まれる。加えて、賃金やサプライチェーンにおける消費はさらなる経済効果ももたらしている。
YouTubeのエコシステムの経済効果の総額とは、直接、間接、誘発、そして触媒的な経済効果の総計。今回の調査結果では、YouTubeのクリエイターエコシステムが、引き続き強い成長を遂げていることが明らかになっている。
10万人以上のチャンネル登録者を持つチャンネルは、21年12月時点で6500以上となり、前年比で35%を超える増加率を記録。日本国内で100万円以上の収益をあげているYouTubeチャンネルの数は、前年比で40%増加した。
また、中小企業の63%が、「YouTube広告は売上の向上に寄与している」と回答。YouTubeチャンネルを持つ中小企業の65%が、「新しいオーディエンスにリーチして顧客ベースを増やすうえでYouTubeが貢献した」と実感している。
さらに、YouTubeチャンネルを持つメディアおよび音楽関連企業の85%が、「新しいアーティストや音楽がヒットするためにYouTubeが不可欠」と考えていることも明らかに。72%が「YouTubeは業界のクリエイティブな人材輩出に貢献している」「YouTubeのおかげで世界中の新しいオーディエンスにリーチできる」と回答している。
□Oxford Economics 1981年に創設。世界有数の独立したグローバル顧問会社の1つであり、100以上の業界、200以上の国、7000を超える都市と地域に関するレポートや予測、分析ツールを提供している。イギリスのオックスフォードに本社を置き、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、シンガポールに地域拠点を持ち、300人を超えるプロのエコノミスト、産業の専門家、経済に特化した編集者を含む常勤スタッフ450人を雇用している。