まるで漫画の世界…ど派手バイクに本格コスプレ、茨ジャギと名乗る“世紀末”な男の正体

「俺の名をいってみろ」。このせりふがピッタリの漢が茨城県にいる。人気漫画「北斗の拳」に登場する「ジャギ」のコスプレでど派手なバイクを乗り回すという“世紀末”ないでたち。“茨ジャギ”と名乗る漢に話を聞いた。

“世紀末”ないでたちが目を引く茨ジャギ【写真:伊藤賢汰】
“世紀末”ないでたちが目を引く茨ジャギ【写真:伊藤賢汰】

10月には栃木県で「ひでぶ祭vol.2」なるイベントも開催予定

「俺の名をいってみろ」。このせりふがピッタリの漢が茨城県にいる。人気漫画「北斗の拳」に登場する「ジャギ」のコスプレでど派手なバイクを乗り回すという“世紀末”ないでたち。“茨ジャギ”と名乗る漢に話を聞いた。(取材=伊藤賢汰/文=中村彰洋)

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 まるで“世紀末”の世界から飛び出したかのようなバイク。コスプレ先行ではなく、元々好きだったバイクカスタムがこういったジャンルだった。ジャギに目覚めたきっかけは、およそ3年前のこと。知人からのコスプレイベント出演の誘いだった。

「1回限りのつもりでお金をかけないでなるべく衣装を作ろうと思いました。世紀末っぽくてヘルメットを使えるキャラクターを考えたときに『北斗の拳』のジャギがいいなと思いました。衣装もトゲとかついていて、ああいうスタイルが元々好きなのもありました。それで手作りで肩パッドやヘルメットのマスク部分を半年ぐらいかけて作って、イベントに出ました。1回だけのつもりだったんですけど、自分でも面白くなって、結構反響もあったので現在に至ります(笑)」

ど派手バイクの横で決めポーズの茨ジャギ【写真:伊藤賢汰】
ど派手バイクの横で決めポーズの茨ジャギ【写真:伊藤賢汰】

 名前の由来は実に明快。千葉県でバットマンコスプレをした“千葉ットマン”への憧れと対抗意識だった。

「バイクイベントで見かけたことがあって、自分もいつかこういうことをやってみたいなと思っていたんです。そのときから冗談で茨城在住でジャギが好きだったので“茨ジャギ”と考えていました。茨城の魅力が少しでも伝われば、という思いも込めています」

 プロフィールは非公開ながらも、普段は工場で働いていることを明かす。一部の同僚以外には“正体”はバレていないとのこと。「会社に何か迷惑をかけちゃっても困るので」と“世紀末な顔”とは異なる会社員としての責任感ものぞかせた。

 コスプレのクオリティーにはこだわりがある。お金をかけずにどこまでリアルに再現できるかをテーマに突き詰めている。完成形を頭の中で想像し、100円ショップやホームセンターで材料をそろえることも醍醐味の一つと笑顔だ。元々DIYが好きだったこともあり、熱中すると止まらない。パーツに掛けた費用は、ヘルメットに約7000円、防具にいたっては1000円ほどというから驚きだ。ジャケットも以前から使用していたものにアレンジを加えただけと説明する。

“茨ジャギ”誕生秘話を真剣に語った【写真:伊藤賢汰】
“茨ジャギ”誕生秘話を真剣に語った【写真:伊藤賢汰】

 コスプレを始めてから約3年。以前からウエアやヘルメットが「ジャギっぽい」と言われることもあり、満を持しての挑戦となった。また、以前からの趣味だったドラムをバイクと複合させ、“バイクドラム”にもチャレンジ。さまざまなイベントなどにも出演し、盛り上げている。

「バイクに音楽、さらにコスプレのイベントを合体したような、趣味の壁を越えてみんなで楽しめることをしたいですね。“世紀末”という世界観を共通点として、コスプレだったり、バンド演奏などを楽しみながら。バイク乗り以外でも集まれるような空間を作って広めていきたいです」

 10月には栃木県で「ひでぶ祭vol.2」なるイベントも開催予定。茨城とジャギを愛する漢の“世紀末”にかける思いは今後も広がりを見せていく。

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