28歳で資産1億円達成 プロ中のプロが年収300万円女性の「投資初心者」に伝えたいこと

日本政府が「貯蓄から投資へ」の経済政策を掲げる中で、金融や資産形成に対する国民の意識が徐々に高まっている。老後の資産確保は、誰もが気になりながらも、なかなか手を付けられない課題でもある。女性の社会進出が進み、ライフスタイルが多様化する中で、「女性と投資」のテーマが取り上げられることも多くなってきた。投資家で金融リテラシーにも詳しい遠藤洋氏(34)に、女性と投資の関係性について分析してもらった。

女性と投資に関係性はあるのだろうか(写真はイメージです)【写真:写真AC】
女性と投資に関係性はあるのだろうか(写真はイメージです)【写真:写真AC】

推し活、ファッション、美容もポイント 投資家・遠藤洋氏が分析

 日本政府が「貯蓄から投資へ」の経済政策を掲げる中で、金融や資産形成に対する国民の意識が徐々に高まっている。老後の資産確保は、誰もが気になりながらも、なかなか手を付けられない課題でもある。女性の社会進出が進み、ライフスタイルが多様化する中で、「女性と投資」のテーマが取り上げられることも多くなってきた。投資家で金融リテラシーにも詳しい遠藤洋氏(34)に、女性と投資の関係性について分析してもらった。

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 学生時代から始めた投資の成功によって28歳の頃に資産1億円を達成した実績を持つ遠藤氏。株式投資などの情報を共有し合うコミュニティー「ixi」を主宰しており、約100人のメンバーのうち、3、4割が女性。ここ2、3年で、女性や若者の参加が増えているという。

 世の中の女性たちが投資に注目し始めている背景について、「『将来が心配』と不安を覚える人が増えてきたことが大きいのかなと思います。最近の円安進行、物価高によって、食料品の値段が上がるというニュースをよく聞きます。食品の値段は生活に直結するので、女性が特に気になるポイントです。こうした中で、パートの方はなかなか時給が上がらない、それに、旦那の給料が上がらない。じゃあどうすればということで、投資で少しでも資産を増やせればと目を向ける女性が増えてきているのだと思います」と語る。

 とはいえ、投資と言っても、「分からない」「難しそう」「リスクがある」と壁を感じる人が多数であるのが現状だろう。遠藤氏は、男性より女性の方が投資に向いていると指摘する。まず、「女性は一般的に、変化というものに敏感です。日頃からファッションやブランドのはやり廃り、芸能エンタメの流行を気にしています。世の中の変化を感覚的に捉えることが、男性より得意。男性で仕事に没頭して世の中の流行に疎い人は、周りによくいますよね。女性は、消費行動の最先端にいると言いますか、お金を使うことのリアルに身を置いて実感している人が多いです」との見解を示す。

 そのうえで、「投資に一番必要な情報はまさにそこなんです。今世の中で何がはやっていて、これから何が注目されるのか。はやるものを作る会社、またはブームが廃れてしまいそうな業界はどこなのか。買い時や売り時を見極めることが大事です。決算書を読み解く難しいことでもありますが、世の中の動きを見て感覚的に捉えることが有効になってきます。例えば、お子さんがいる家庭では、『子どもたちの間でこのアニメがはやっているから、この会社が伸びるんじゃないか』と、感覚的に見抜くことができるのです」と強調する。

女性と投資の関係性について分析した投資家の遠藤洋氏【写真:遠藤洋氏提供】
女性と投資の関係性について分析した投資家の遠藤洋氏【写真:遠藤洋氏提供】

「手取り月20万円で推し活には月約3万円」女子への提案

 遠藤氏は、女性が特に気にして、普段からお金を使っているファッション・美容を例に挙げ、こんな興味深い指摘を加える。「ファッション・美容は、女性にとって投資につなげやすいと考えています。見た目をより良くすることで、仕事などで得することが多くなってきますよね。それに、この分野は、まさにはやり廃りが顕著。『いまこのブランドがきてる』ということが分かる、その感覚を生かすことです」。つまり、人気ブランドの商品を提供している会社の株を買うという考えだ。「ブランドの商品を買うことはもちろんいいことですが、その会社に投資するという視点を見つけられれば、自分が好きに使えるお金を増やす可能性を高められますし、人生の選択肢が広がるのではないでしょうか。流行に乗って自分がオーナーになるという発想です」。

 長引く不景気で、そもそも投資に回す資金を捻出するのは難しい。遠藤氏には気付いてほしいことがあるという。例えば、「年収300万円で趣味=推し活にもお金をかける女性」。手取り月20万円で、推し活には月約3万円をかけており、もっと費用をかけたいと思っているケースなどだ。「大好きなアニメ、漫画、芸能人、アイドルの趣味を持つことはいいことです」と前置きした上で、「今現在、推し活に使っている時間とお金を、ちょっとでも未来の自分のために使うこと。考えをシフトさせることも選択肢の1つです。商品や経営理念が好きだと思う企業の株を買って、そこがどんどん有名になっていけば、気持ちの面でもうれしいですし、お金を増やすこともできる。投資というものは見方を変えれば、企業の推し活なんです」と話している。

□遠藤洋(えんどう・ひろし)、1987年、埼玉県生まれ。東京理科大に在学中の20歳の時に、アルバイト資金30万円で投資を開始。知識ゼロのため2週間で全資金を失う苦い経験をする。そこから本格的に投資の勉強を始め、大学卒業後、ベンチャー企業を経て、株式会社キープライムを設立。資産形成に成功し、投資関連の著作を多く執筆している。最新著書は「投資をしながら自由に生きる」。

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