“中国武術の達人”アンディ・ウー、リングアナ妻・櫻田愛実との生活は夫婦漫才
デビュー10周年の「中国武術の達人」アンディ・ウーがさらなる躍進を誓っている。
柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.109】
デビュー10周年の「中国武術の達人」アンディ・ウーがさらなる躍進を誓っている。
2012年7月に全日本プロレスでデビューしたアンディ。中国拳法の世界チャンピオンとして、武具を駆使した華麗な演武を披露し人気を集めた。その後、武藤敬司が立ち上げたWRESTLE-1(W-1)に参加し、W-1が活動停止した2年前に、河野真幸とともにVAMOSTARを設立した。
VAMOSはスペイン語で「行くぞ!」。STARは英語のスター。スペイン語と英語を合体させた造語で「さあ行くぞ! スターになるぞ!」というわけだ。
「W-1の解散で行き場のなくなった選手たちの受け皿を作りたかった。折しもコロナ禍も始まって、本当に大変だった」と振り返る。苦労も絶えなかったようだが、持ち前の行動力、明るく前向きな性格で、活路を見出し、現在では東京、大阪を中心に月に1、2回の定期戦を開催している。
「VAMOSTARは皆が帰ってくる場所で良い。各自が色んな団体で活躍して、VAMOSTARで成果を披露できれば最高」と目を輝かせる。アンディ自身もコレガプロレス、沖縄プロレスの王座を獲得し、ベルトを保持してVAMOSTARに凱旋(がいせん)を果たした。
積極的な営業活動で、プロレスを初めて見る人たちを会場に呼びこむことに力を入れている。ただし、コアなファンにも満足してもらいたい。この両立はなかなか難しいチャレンジなのかも知れないが「結局、一生懸命やること」と結論に達したという。
10年間、ケガでの欠場はなしのプロ根性
保育園の頃から、武藤に心酔していた。「プロレスラーになる」という夢を実現させ、武藤の化身であるザ・グレート・ムタとの対戦もデビュー4年目に現実となった。「マスクを破られ、毒霧を浴びた。血だるまにもされた。でも、文字通り夢心地だった」と熱い。
10年間、ケガで欠場したことがない。「家に無事に戻るまでが試合。遠足と一緒」と笑うが、自分一人の体ではなくなったことで、その思いはいよいよ強くなった。「ムトウの日」6月10日に、W-1時代からリングアナウンサーを務めているタレント・女優の櫻田愛実との結婚を公表した。
実は付き合いは長いという。「彼女はプロレス学校で大けがを負ったこともある。左半身がまひした時期もあったけど、今は後遺症もない。あえて言えば、大食いになったこと。僕と変わらないぐらい食べる」と楽しそうだ。
2人とも関西出身で感性がぴったりと合う。「会場ではあまり話さないけど、家での会話は人から見たら、漫才かと思われるんじゃないかな」とにっこり。明るく楽しい2人は、夫婦漫才でM-1出場を目論んでいるとか。
「M-1はともかく(笑)、僕は夢を達成できた。みなさんもあきらめずに、貫いてほしい」とマスクからのぞく目が熱を帯びてきた。新たな夢もできた。「僕が武藤さんの様になりたい、とプロレスラーを目指したように、アンディ・ウーに憧れてプロレスラーを夢見る人が出てきてくれたら、それはすてきなこと。大それた話だけど、僕自身がもっともっと成長するためにも、自分に喝を入れるためにも」と一段と力がこもる。
8月30日には、大阪・コレガスタジオで「アンディ・ウー10周年記念大会in大阪」大会が開催。アンディ、河野、SUSHI、児玉裕輔、土肥こうじ、羆嵐、一、崔領二、大門寺崇、金本浩二、HUB、ディラン・ジェイムス、アルティメット・スパイダーJr、影山道雄、晴斗希ら豪華メンバーの参戦が決まっている。
大日本プロレスの「最侠タッグリーグ」(9月4日、大阪市立淀川区民センターで開幕)にも中之上靖文とのコンビでエントリーされた。デスマッチ戦士も参戦するタッグリーグ戦だ。中国武術でどう対抗するのか見ものだ。
公私に渡って充実期を迎えた「日本生まれの中国拳法マスター」のより一層の大活躍に注目だ。