朝倉未来が語る「BreakingDown」の未来 RIZINとの関係性「提携したらおもしろい」
オーディションで鮮烈な印象を残すも本大会に進めなかった選手たちが大暴れ。さらに大会初の2on2マッチも行われた。未来のYouTubeチャンネルで生配信され、メインイベントの10人ニキとDJ社長の対決時には同時接続数が40万人を超えるほど大きなインパクトを残した。
次回大会は「強い人の試合を組む」
朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める1分間で最強を決める格闘技イベント「BreakingDown5」のスピンオフ大会「BreakingDown5.5」が16日、都内で行われた。
オーディションで鮮烈な印象を残すも本大会に進めなかった選手たちが大暴れ。さらに大会初の2on2マッチも行われた。未来のYouTubeチャンネルで生配信され、メインイベントの10人ニキとDJ社長の対決時には同時接続数が40万人を超えるほど大きなインパクトを残した。
大会後、未来とオーガナイザーのYUGO氏が囲み取材に応じた。
突然の開催だった今大会。未来のアイデアだったようで「運営から11月に行われる『6』の応募を最大化したいという話だったので、どんな宣伝をした方がいいのかなと考えたときに『5.5』をやればいいのかなと考えました」と経緯を明かす。
結果的に宣伝は大成功だった。未来は「同時接続40万人を超えていて、再生回数は100万回以上いっていると思う。これだけの宣伝をできる術はないと思う」と自信をのぞかせた。
ツイッターのフォロワー数は142.7万人、超がつくほど大物インフルエンサーのDJ社長の参戦もあった。「BreakingDown5」の顔とも言える10人ニキとの対戦は“最弱”対決となったが、内容にも会場の盛り上がりにも満足していた。
「DJ社長はネタ枠かなと思ったすけれど、出場選手の誰よりも覚悟を決めて臨んでくれた。10人ニキは負けを含めても10人ニキだった。同時接続がいったのもあの試合だったので良かったな」
改めて開催の意義についても説明した。
YUGO氏は今大会について「コンセプトは2つあって、まずひとつは伏線回収。前回のオーディションで遺恨があったけれど精算していない部分をできた。もうひとつは新しいことを試すことだった」と振り返る。
新しい試みの2on2マッチについて「どちらかが大けがしてしまうかもしれないという恐れはあった。エンタメとデンジャラスというのはトレードオフなのでそこは確かめる場としてはありがたかった」と総括し得るものがあったようだった。
今後の大会についても言及した。未来は「オーディションとは別にある程度、強い人の試合を組んでしまおうと思っている。それとは別にオーディションもやりたい」と口にし、海外開催のために「顔みたいな選手は作っていかないといけない。強さもいるし、ブレイキングダウンを見ている人なら誰でも知っている選手である必要がある」とうなずく。
YUGO氏も「すでに実力のある方は今後も出てほしい。あとは生え抜きで出てきた実力もあって華のある選手に出てきてもらいたいな」と語った。
未来は9月にフロイド・メイウェザー(米国)との試合も控えている。RIZIN戦士としても試合をするなかで「BreakingDown」をどのように運営していきたいのか、明確な道筋があった。
「日本の格闘家の人たちにはブレイキングダウンを利用してもらいたい。格闘家の価値ってどれだけのお客さんに見てもらいたいと思われるか。自分の主戦場としている団体はあると思うんですけれど、ブレイキングダウンを利用して存在を世間に知ってもらって、元の舞台に戻っていってもいい」
開催するごとに注目度は高くなっていっている。RIZINの榊原信行CEOも「ブレイキングダウンには学ぶべきことがある」と評価していた。
そのことに対し未来は「相変わらず頭の柔らかい方だなという印象です。僕は良好な関係なのでメイウェザー戦のことも含めて連絡を取り合っています。今後提携したらおもしろいなという話はしています」と明かした。
またYUGO氏も「榊原CEOはすごく大人なできる方。言いたくても言いづらい環境があると思う。僕らは格闘技団体とかに対抗したいとか、格闘技業界に敵意をむき出しにしてやっているわけでない。これきっかけで格闘技を見たとか始めたとか、そのようなことが起きるような土台を作り始めている。なので当然手の取りあえるところは取り合いたいと思っています。RIZINさんと協力できることもあればと思います」と口にした。
「BreakingDown」はただ1分間最強を決めるわけではない。選手のバックボーンや成りあがっていくさまをストーリーとして見せ、視聴者をくぎ付けにしてきた。RIZINと手を取り合うことで生まれる化学反応はどんなものなのか。プロ格闘家ではなく、素人にスポットを当てることの批判はある。だが着実に世間に浸透してきている。「BreakingDown」が日本格闘界を底上げする新しい風になる日は近いかもしれない。