小学生時代からスカウト多数の14歳・白鳥晴都 母の勧めで芸能界入り決断、両親への感謝の気持ち
映画「とんび」(瀬々敬久監督)で北村匠海の少年時代を演じた白鳥晴都(14)が、「ぜんぶ、ボクのせい」(8月11日公開、松本優作監督)で映画主演を果たした。同作は、母親(松本まりか)に2度捨てられた少年がホームレスの男性(オダギリジョー)らとともに疑似家族を作っていくストーリー。来年の映画賞新人賞候補にもなりそうだ。
北村匠海の少年時代を演じた経歴を持つ白鳥晴都
映画「とんび」(瀬々敬久監督)で北村匠海の少年時代を演じた白鳥晴都(14)が、「ぜんぶ、ボクのせい」(8月11日公開、松本優作監督)で映画主演を果たした。同作は、母親(松本まりか)に2度捨てられた少年がホームレスの男性(オダギリジョー)らとともに疑似家族を作っていくストーリー。来年の映画賞新人賞候補にもなりそうだ。(取材・文=平辻哲也)
目鼻立ちが整った白鳥は、静岡県出身の中学3年生。小5のときから何度もスカウトされ、小6で芸能界入り。「小学校の頃から東京に遊びに来ていて、何度か声をかけられ、お母さんから『大変な世界だから、強要はしないけど、やってみる?』と言われたんです。『やってみたい』と言ったら、協力してくれて。今、こうしていられるのは、お父さんお母さんが協力してくれたおかげです」と感謝の言葉を口にする。
重松清原作の小説を原作にした阿部寛主演の「とんび」で、事務所の先輩・北村演じるアキラの少年時代を演じたのが転機になった。「撮ったのは中1のときの年末で、この仕事が楽しいと改めて思いました。北村さんにバトンを渡す役だったので、プレッシャーというか、緊張感もすごくありましたが、阿部さんがリラックスさせてくださったので、無事に撮影を終えられました」と振り返る。
本作の主役はオーディションで射止めた。自身の恵まれた家庭環境とは、まったく違う少年役。優太は母に捨てられ、施設でも居場所を失っている。「優太は、僕が全然知らない世界で生きている人というのが第1印象です。家族がいて、家があるという普段の生活にすごいありがたみを感じました。僕もそんなに明るい方でもないし、学校でも真ん中にいるタイプではないので、自分の意見が言えないのはなんとなく分かりました」と意外な面も口にする。
昨春、千葉県のいすみ市で撮影。ホテルに1人で宿泊することも初体験だった。「最初は不安なこともいっぱいあったんですけど、監督が毎日『大丈夫?』『今日も頑張ってね』と言ってくれたり、『ここは良かったから、もっと良くしていこう』と褒めてださり、モチベーションにつながりました。出演者の方々もよくしてくださいました」。
母(松本)と同居人の恋人(若葉竜也)から家を追い出されるシーンでは、何度も撮り直した。「段取りから本番まで本当に何回やったんだろうと思うくらい、やりました。お2人は僕が納得いくまで何度も付き合ってくださり、そのおかげで、いいシーンが撮れたのかなと思っています。オダギリさんも、カメラのこと、釣り、映画についても教えてくださいました。僕はインディーズ映画を見ないのですが、『これ、見た方がいいよ』と教えてもらったりもしました」。
どこをとっても優等生。最近はスマホでの動画編集にハマっている。「父の日と母の日に、写真とかをつなぎ合わせて動画を作ったりしています」。初主演映画には「全体的に暗めっていうイメージを持つ人もいるかもしれませんが、ちょっとした部分で希望を感じたり、笑える場面もあります。映画を通じて、普段の生活のありがたみを感じられる作品だなと思いました。今回は影のある役だったので、明るい役をやってみたいとも思いますし、逆にサイコパスみたいな役にも挑戦してみたいです」と意気込む。
1年間で15センチ伸びた身長同様、俳優としても伸び盛りだ。
□白鳥晴都(しらとり・はると)2007年12月17日生まれ、静岡県出身。演技未経験ながら「とんび」(22/瀬々敬久監督)でスクリーンデビューを果たす。出演作として、テレビドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」(21)「神木隆之介の撮休」(22)「シジュウカラ」(22)「ケイ×ヤク」(22)など。特技ピアノ。趣味・読書。身長164センチ。