YOASOBIの大ヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋爪駿輝の原作小説「スクロール」が映画化され、俳優の北村匠海と中川大志をダブル主演として2023年に全国公開することが決定した。

　原作小説「スクロール」は、橋爪が17年に発表したデビュー作。理想と現実のギャップに溺れながらも、社会、そして自分と必死に向き合う若者たちの姿を描き、若い世代から“自分たちの物語”と圧倒的な共感を獲得した。物語は、鈍色の青春を駆ける若者たちのリアリティーあふれる青春群像劇。

　監督は、映画、テレビ、CMなど映像のジャンルをクロスオーバーして活躍する清水康彦が務める。さらに、米津玄師やKing Gnu、あいみょんなどのミュージックビデオを手がけてきた川上智之が撮影監督を務め、清水と共に圧倒的な映像美を映し出す。

　北村が演じるのは、就職はしたものの上司からすべてを否定され、「この社会で夢など見てはいけない」とSNSに想いをアップすることで何とか自分を保っていた＜僕＞という役柄。作品について北村は「スクロール、誰しもが、この社会の一部として生きていて、そして生かされている。すごく概念や哲学的なことから、抽象的で感覚的なことまで、このスクロールという一つの作品で作れていると思います」とコメント。共演する中川について、「子供の頃から友人の大志と、この作品を背負えること、とても嬉しく思います。さまざまな目線で見ていただけると嬉しいです」と呼びかけた。

　北村と共に主演を務めた中川は「北村匠海という俳優は、僕がこの世界に飛び込んだ小学生の頃からずっと、たくさんの刺激をもらってきた存在です。近いようで遠く、なかなか交われ無かった彼と、この歳になって、やっと、共に作品が作れることに胸が熱くなりました」と喜びを語った。続けて、「繊細で、時には思い切り大胆な清水組の現場はとても居心地が良く、五感を解放できた気がします。生きる道を見つけようともがく彼らが、そこで感じた匂いや、温度が、スクリーンから届いたら、幸せです」と撮影を振り返った。