K-POPガールズグループ・aespa日本初ショーケースに92万通応募殺到の理由 チケット難民続出

韓国の4人組多国籍ガールズグループ・aespa(エスパ)が6日と7日の2日間にわたり計4回の初来日ショーケースを横浜市内で開催した。今回の公演では計4万席をめぐり延べ92万通の応募が殺到したことが主催者から発表され業界関係者に衝撃が走っている。競争率はざっと20倍以上。もちろんコアなファンは複数の公演に予約を入れているため倍率が上がるが、それにしても計4万席がファンで埋まる様子は圧巻だった。所属事務所「SMエンターテインメント」の先輩にあたる9人組ガールズグループ・少女時代は10年8月25日に東京・有明コロシアムでプレミアムショーケースを開催し、初めて日本のファンの前でパフォーマンスを披露した。対象者はDVD「少女時代到来~来日記念盤~New Beginning of Girls' Generation」完全生産数量限定盤の購入者。予想以上にファンが殺到したため急きょ3回公演に増やし計2万2000人が参加した。しかし、今回のaespaのショーケースは1枚7500円(税込)のチケット代が必要だったにもかかわらずチケット難民が続出する大盛況ぶり。チケット交換サイトでは1枚2万円以上で取引されるケースも多く、近年のK-POP人気の広がりをあらためて示すことになった。

aespaが日本初ショーケースを開いた横浜市のぴあアリーナMM【写真:ENCOUNT編集部】
aespaが日本初ショーケースを開いた横浜市のぴあアリーナMM【写真:ENCOUNT編集部】

7月に国連で演説 「メタバースの発展には現実の持続が重要」

 韓国の4人組多国籍ガールズグループ・aespa(エスパ)が6日と7日の2日間にわたり計4回の初来日ショーケースを横浜市内で開催した。今回の公演では計4万席をめぐり延べ92万通の応募が殺到したことが主催者から発表され業界関係者に衝撃が走っている。競争率はざっと20倍以上。もちろんコアなファンは複数の公演に予約を入れているため倍率が上がるが、それにしても計4万席がファンで埋まる様子は圧巻だった。所属事務所「SMエンターテインメント」の先輩にあたる9人組ガールズグループ・少女時代は10年8月25日に東京・有明コロシアムでプレミアムショーケースを開催し、初めて日本のファンの前でパフォーマンスを披露した。対象者はDVD「少女時代到来~来日記念盤~New Beginning of Girls’ Generation」完全生産数量限定盤の購入者。予想以上にファンが殺到したため急きょ3回公演に増やし計2万2000人が参加した。しかし、今回のaespaのショーケースは1枚7500円(税込)のチケット代が必要だったにもかかわらずチケット難民が続出する大盛況ぶり。チケット交換サイトでは1枚2万円以上で取引されるケースも多く、近年のK-POP人気の広がりをあらためて示すことになった。

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 aespaは韓国出身のカリナ、ウィンター、日本出身のジゼル(父親が日本人、母親が韓国人)、中国出身のニンニンからなる4人組。20年11月17日に初シングル「Black Mamba」でデビュー。同作のYouTubeミュージックビデオ(MV)は翌年1月8日に再生回数1億回を突破し歴代K-POPグループのデビュー曲では最短記録となるなど絶大な人気を集めた。

 同曲のMVを見ても分かるようにその世界観は独特だ。aespaとは「Avatar X Experience」を表現した「a」と、両面という意味の英単語「aspect」を結合して作られている。「自分のもう1人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」という世界観がベースだ。現実世界のaespaのメンバーは仮想世界の「もう一人の自分」であるアバター「ae-aespa(アイ-エスパ)」と“SYNK”(連結)しており、それぞれ「ae-KARINA」、「ae-WINTER」、「ae-GISELLE」、「ae-NINGNING」という名前となっている。今回の初来日ショーケースのタイトルが「aespa JAPAN PREMIUM SHOWCASE 2022 ~SYNK~」となっているのはこの“SYNK”に由来している。

 aespaのアバターが活躍する場がメタバースだ。メタバースとはユーザーがアバターを使って社会生活を営む仮想世界のこと。デビュー曲「Black Manba」や7月8日リリースの新曲「Girls」などのMV中にコンピューター、大型モニター、そしてメンバーのアバターが出てくるのはメタバースを意識しているからだ。そのaespaは7月5日に国連の米・ニューヨーク本部総会会議場で開催された「2022 持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム」の開会セクションに出席し、未来世代を代表して感動的なスピーチを行った。

 東京のインターナショナルスクール出身のジゼルはよどみのない流ちょうな英語で「メンバー4人は現実世界に存在し、4人のアバターメンバーはメタバースに存在するので私たちは“メタバースガールズグループ”と呼ばれたりします」と自己紹介。続けて、現実と仮想、時間と空間、世代などすべての境界を越えた無限の領域であるメタバースについて「メタバースは現実を反映する世界であり、現実が持続できないならメタバースの無限の可能性は守れない。次の世代が持続可能な開発目標を全面的に支持することが重要です」と呼びかけた。メタバースはアバターが活動する世界なので年齢、性別、人種、障害の有無なども飛び越えることが可能だが、それによってかえって思いもよらない差別や偏見、誹謗中傷が広がる危険性も指摘されている。aespaが現実世界で生きることの重要性を訴えたのもそうした理由からだ。

 今回の初来日ショーケースでも現実世界とメタバースを往来するaespaのコンセプトが前面に押し出された演出となっており、それによる苦悩もストレートに表現されていた。Facebookが昨年、2004年の創業以来使い続けてきた社名を「Meta(メタ)」に変更し、メタバースと呼ばれる仮想世界に力を入れ始めたのもメタバースによる急激な世の中の変化を先取りするためだ。いち早くメタバースという新しい世界に特化したコンセプトを打ち出したガールズグループとして世界中がaespaに熱い視線を送っている。米メディアもaespaに注目しており「TIME」は「2022 Next Generation Leaders」にK-POPガールズグループとしては初めて選出。経済誌「Forbes」も「アジアの30歳未満のリーダー30人」の中にK-POPアーティストとして唯一名を挙げた。さらには、7月に発売された2ndミニアルバム「Girls」が「ビルボード200」チャートで3位を記録しK-POPガールズグループの最高ランクを更新するなど旋風を巻き起こしている。

 初の来日ショーケースが空前の人気となったのも、グループ独特の世界観とメンバー4人のキャラクターの魅力による。今後、今月27、28、29日に東京ドームで行われる「SMTOWN LIVE 2022」や9月3日にさいたまスーパーアリーナで行われる「第35回マイナビ東京ガールズコレクション2022AUTUMN/WINTER」にも出演する予定で、日本での人気はますます高まりそうだ。

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