20歳で3500万円フェラーリ購入、タワマン家賃は50万円 “バズらせ屋”現役医大生の素顔
20歳で3500万円の「フェラーリ458スパイダー」を購入し、家賃50万円のタワーマンションで1人暮らしをしている21歳の現役医大生がいる。「裕福な両親がお金を出しているのでは?」という声が上がりそうだが、驚くべきことにすべて自腹だという。なぜ20歳という若さで3500万円のフェラーリを購入することができたのか。そして、家賃50万円のタワマンに住むことができるのか。TikTokで「りょた」として活動している現役医大生・九島遼大さんに話を聞いた。
株式会社メディアエイドCEO 代表取締役社長・九島遼大さんインタビュー
20歳で3500万円の「フェラーリ458スパイダー」を購入し、家賃50万円のタワーマンションで1人暮らしをしている21歳の現役医大生がいる。「裕福な両親がお金を出しているのでは?」という声が上がりそうだが、驚くべきことにすべて自腹だという。なぜ20歳という若さで3500万円のフェラーリを購入することができたのか。そして、家賃50万円のタワマンに住むことができるのか。TikTokで「りょた」として活動している現役医大生・九島遼大さんに話を聞いた。(取材・文=石井宗一朗)
「金銭的な部分で言えば、自分が会社をやっていたからです。会社経営で得た利益を使える状態にありました」
そう答えた九島さんの肩書きは株式会社メディアエイドのCEO 代表取締役社長。2020年、九島さんが19歳のときに設立した同社は、TikTokアカウントの運営代行などを行っている。
「企業さんのホームページ作成代行と言うと分かりやすいかもしれません。いわゆる“ゴーストライター”ですね。リクルートや認知拡大など、企業様の目的に合わせて代わりに運用し、手数料としてお金を受け取っています」
TikTokを始めたきっかけは幼なじみでもあるTikTokerの「かとゆり」さん。先に“バズった”かとゆりさんから「やりなよ」と声をかけられたのが始まりだ。
今では“バズらせ屋”として活躍する九島さんだが、最初は「全然バズらなかった(笑)」といい、バズらせ方を本気で研究するようになった。
「『そもそもなぜこの動画がバズっているのか』というところから考え始め、伸びる法則があることに気づきました。そこから、『その法則に基づいた動画を作るにはどうしたらいいのか』というのを半年ぐらいかけて調べた。そうやって、いろいろな動画を毎日投稿していたらあるときドカンと伸びました」
こうして手に入れた“バズらせる”ノウハウを生かし会社を経営するようになったのは、知人から「自分のもバズらせて欲しい」とお願いされたことがきっかけ。「『こういうのでも人の力になれるんだ』と思い、実際にやってみてバズらせることができた。それがお金になるようになっていって、それから紹介などでお客さんが増えていった。最初は個人でやっていたんですけど、手に負えなくなっていって……そこから仲間を集め、チームになり、それが会社になったという感じです」。
現在の取引先数は累計で150社ほど。22年4月放送のテレビ東京系「じっくり聞いタロウ」に出演し話題となったことで、20~30社ほど増加した。テレビ出演については「自分の母親ぐらいの世代からも認知していただけるようになった。悪い影響はなかったですね」と振り返る。
「フェラーリ・オーナーズ・クラブ」に最年少で加入
数ある車の中でフェラーリを選んだ理由については「単純に車が大好きだったというのが一番」と明かす。加えて、ほかの同年代との「差別化」を図るとともに、「これを買ったらほかの人とは違う部分にいけるんじゃないか」という思いがあった。
しかしながら、20歳のときは今ほど会社の利益が出ておらず「ギリギリでの購入」に。それもあってか、購入直後は周囲から「浪費だ」と言われることも多かった。
周囲から疑問の声が上がる中、それでもSNSでフェラーリを紹介し続けた九島さん。結果として、テレビ出演を果たし話題となった。「それこそテレビなんてフェラーリがなかったら絶対出られてないですし、後々周りが手のひらを返すようになっていきました」。
3500万円は確かに“大きな買い物”だったが、「自分にとってはプラスしかなかった」と語る。ブランディングへの好影響はもちろんのこと、購入したフェラーリ自体も値上がりしている。「言ってしまえば、お金を払わずに手に入れた車が、さらなるお金を生んでいる状態です」。
フェラーリのオーナーである九島さんは、「フェラーリ・オーナーズ・クラブ」にも最年少で加入している。フェラーリを買った段階で案内されるコミュニティーで、会員同士が食事会などを通じて交流することができる。
九島さんもディナーパーティーなどに出席しており、「30人ぐらいの小規模な感じで行われるので、ほかのオーナーさんと親睦を深めやすい環境。自分は若いので珍しがられます」と明かした。
その一方で、テレビ出演の影響もあり、最近では九島さんのことをすでに知っているというオーナーも増えてきた。「なぜフェラーリが買えたのかといった質問はあまりされないです。1番多いのは自分に関する質問。『本当にお医者さんになるの?』『学校どうやって行ってるの?』といったものですね」。
医学科進学に「目指さない理由がなかった」
勉学と会社経営の二足のわらじ。両立のコツについては「メリハリが大事」と語る。オンとオフの切り替えが得意だといい、テスト前にはしっかり勉強する「短期集中型」だ。
「もちろん勉強にもっと時間を割ければとは思うんですが……そこはしょうがないですよね。ただちゃんと試験はパスしてきているので、必要最低限はできていると思います」
医学科を志した理由については「両親が医者という家庭に生まれたのが大きい」といい、通っていた高校も理系であれば大多数の生徒が医学科を目指す学校だった。こうした環境で育った九島さんは「自分自身も医者をやりたくないわけではなかった。周りもお医者さんを目指している中で、目指さない理由がなかったとも言えます」と当時を振り返る。
また、両親が勤務医であることから病院を“継ぐ”選択肢もなかったが、同時に「家庭がめちゃくちゃ裕福だったわけではない」という。「絶対に卒業してほしい」とだけ言われており、「自分自身もちゃんと卒業して免許を取ろうと思っています」と語った。
医師として働くには、卒業後も研修医として病院での臨床経験を積む必要があるが、今のところその予定はない。しかし、医療系そのものには興味があり「せっかくここまで頑張ってきているので、再生医療や医療系ベンチャー企業をやりたい。特に興味があるのは美容系」と明かす。
TikTokのマーケティング会社としてのポジションを確立した九島さん率いる株式会社メディアエイド。平均年齢20代前半という若い力、バイタリティーを武器に、今後も新たなSNSマーケティングを展開していく。
□九島遼大(くしま・りょうた)2000年東京都生まれ。東京慈恵会医科大学在学中。株式会社メディアエイドCEO 代表取締役社長。20年にTikTokに本格参入し、約1年間で30万人のフォロワーを集める。その後、発信者としても活動しながらSNS運用代行業を開始。「再現性が高いノウハウ」により、半年間でプロデュースアカウントは75アカウントを超える。TikTok業界ではトップのアカウント数。TikTokを用いたインスタ運用や他媒体運用を得意としている。