「ミセスユニバース」最年長受賞者は79歳の元医師 1年半のジム通いで9キロ減量

女性の社会的地位の向上や社会貢献をテーマとした世界的ミセスコンテスト「ミセスユニバース 2022」の日本代表選考会が都内で開催された。これまでの人生経験や社会貢献への意識といった内面が重要な審査対象となる本大会で大会史上最高齢の79歳で出場した元医師の高岡邦子さんが5位に選ばれ「Ms Elite United Nation International 2022」の日本代表として世界大会の切符を手にした。大会を終えた高岡さんに受賞の喜びやこれまでの活動について話を聞いた。

「ミセスユニバースジャパン2022」日本大会5位受賞の高岡邦子さん【写真:ENCOUNT編集部】
「ミセスユニバースジャパン2022」日本大会5位受賞の高岡邦子さん【写真:ENCOUNT編集部】

まるで「Dr.コトー診療所」の主人公のような生きざま

 女性の社会的地位の向上や社会貢献をテーマとした世界的ミセスコンテスト「ミセスユニバース 2022」の日本代表選考会が都内で開催された。これまでの人生経験や社会貢献への意識といった内面が重要な審査対象となる本大会で大会史上最高齢の79歳で出場した元医師の高岡邦子さんが5位に選ばれ「Ms Elite United Nation International 2022」の日本代表として世界大会の切符を手にした。大会を終えた高岡さんに受賞の喜びやこれまでの活動について話を聞いた。

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「名前を呼ばれたときは、『うそでしょ?』と思いました(笑)。まさか自分が呼ばれると思っていなかったのでビックリしました」と受賞の瞬間を振り返った高岡さん。30代で沖縄の離島の巡回医療に従事したあと、全国の無医村で活動し、東日本大震災の際には岩手県大槌町で医療ボランティアに従事するなど、まるで「Dr.コトー診療所」の主人公のような人物だ。

「『Dr.コトー』よりもっと前のことで島にお医者さんがまったくいない時代でした。私はもともと離島とかお医者さんがいない場所で仕事をしたいと思って医者になりました。30を過ぎた頃に離婚を経験して、行くんだったら今しかないなと思って沖縄で2年間巡回医療を行いました。沖縄県庁のスタッフと一緒に1週間間隔で離島を回って行く、そんな生活を送っていました。大変でしたが、それ以上に楽しかったです。すごくたくさんの患者さんに喜ばれたんですが、次は病気になる前の予防の方が大切ではないかと思い、33歳で東京に戻って予防医学に力を入れるようになりました。今でも食事と運動に気をつけてできるだけ薬を使わないというのが私のライフワークになっています」

 そんな元気な高岡さんが、以前から患わっていた股関節痛が悪化し歩けない状態に。

「自分のクリニックで健康のための運動指導をしていたんですが65歳で後輩に譲ったんです。それから東日本大震災があり、私は岩手県大槌町の高校に寝泊まりしながら6週間滞在しました。その後も講演活動などを行っていましたが、運動ができなくなるくらい股関節痛が酷くなり、最後は100メートルも歩けない状態になってしまいました。このまま寝たきりになって人の役に立てないならもう生きている意味もないかなと落ち込みましたが、すぐに気持ちを切り替えて手術を決断したんです」

 両側の人工股関節の大手術を受けた。つい2年半前の出来事だ。

「私のライフワークだった運動と食事、これを私自身で実践してみようと思いました。それで手術が終わった翌日からブログを書いて車椅子の状態からだんだん歩けるようになっていく姿を紹介しました。私と同じような症状で悩んでいる同世代の人たちに勇気と元気と希望を与えたいというのが私の一番のモチベーションでした」

 その様子は今でもブログに記録されている。手術から1年半がたち新たな挑戦を決断した。

「トレーニングのためにジムに通って1年半で9キロ痩せました。ウエストは23センチ減りました。『せっかくこういう体型を作ったんだから何か大会に出ませんか?』とトレーナーさんに言われ、私もブログだけでは発信力が弱いのでもっと大きな発信力でみんなに元気を与えたいと思い、コンテストを探したところ『ミセスユニバース』を見つけました」

東日本大震災では岩手県大槌町に医師として6週間滞在した【写真:高岡邦子さんインスタグラムより】
東日本大震災では岩手県大槌町に医師として6週間滞在した【写真:高岡邦子さんインスタグラムより】

伝えたいことは「やりたいことがあれば遅すぎることなんてないわよ」

 見事ファイナリストに選ばれた高岡さん、本大会に向けてさまざまなトレーニングに励んだ。

「もともと好奇心旺盛なタイプなので年齢に関係なく何でもやってみようという精神でやってきたので、トレーニングでも歳だからと思わないでどんどん学んでいこうと挑戦してみました。でも投げ銭のライブ配信だけはダメでしたね(笑)。ほかのファイナリストのみなさんは、私の子ども世代や孫世代の方ばかりで、私みたいなのがここにいてもいいのかなって思うこともありました。それで続けるのは難しいとスタッフさんに伝えたら、気に入ったことだけをやり続ければいいとおっしゃっていただいて。なんとか最後まで続けることができました」

 高岡さんは日本大会で見事5位に入賞し、8月にカナダのトロントで開催される「Ms Elite United Nation International 2022」の日本代表として世界大会に臨む。

「私の50代、60代は本当に無我夢中でほかの人の何倍も働いてきました。ですから美容のことなんてまったく気にしなかったんです。そこで今回、自分が逃げていたことにあらためて向き合ってみて今まで気が付かなかったことをこの機会にたくさん学ばせていただきました。『やりたいことがあれば遅すぎることなんてないわよ』と言いたいです」

 今回で6回目の開催となった「ミセスユニバース」の日本大会は30歳から79歳まで合計47人のファイナリストが出場。スピーチ、ウォーキング、メイク、ファッション、食、プロトコールマナー、SNS、プロフィール撮影など、約半年に及ぶプロ講師によるレッスンを受け、日本代表選考会に挑んだ。

 代表選考会では、スピーチ、フィットネスウェア審査、ドレス審査、知性・品性・社交性・表現力や社会貢献度など、外面だけでなくこれまでの人生経験や社会貢献への意識といった内面が審査対象となり「ミセスユニバース」のほか「ウーマンオブユニバース」、「グランマユニバース」などの日本代表、計17人が世界大会への出場権を獲得した。

「ミセスユニバースジャパン2022」日本大会受賞者
1位:光安都美(みつやす さとみ)さん 45歳
「Mrs Universe 2022」日本代表権

2位:金川聡美(かながわ さとみ)さん 41歳
「Mrs Universe 2022」代表権

3位:田島みわ(たじま みわ)さん 58歳
「Mrs Universe 2022」代表権

4位:菅原由香(すがわら ゆか)さん 40歳
「Ms. Classic Universe」日本代表

5位:高岡邦子(たかおか くにこ)さん 79歳
「Ms Elite United Nation International 2022」日本代表

6位以下
「Mrs. UN Asia pacific2023」佐藤智恵子さん
「Timeless Beauty 2023(Mrs部門)」佐藤民子さん
「Timeless Beauty 2023(Ms部門)」佐藤まい香さん
「Mrs United Nation International 2022」志水瑛子さん
「Ms United Nation International 2022」岡村佳香さん
「Woman of the Universe 2022」武藤与子さん、あかね渉さん
「Ms. Classic Universe 2022」吉田奈津子さん
「Grandma Universe 2022」中野幹子さん
「MRS GLAM WORLD 2022」松本真美子さん
「Mrs. UN Asia pacific」丸岡舞美子さん
「Mrs. National Universe 2022」美咲舞妃さん

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