コロナ禍でふるさと納税に変化 日用品などの普段利用が増加、今後は体験型の品も

国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」運営元のトラストバンクによる2021年ふるさと納税振り返り記者説明会が28日、オンラインで行われ、コロナ禍でふるさと納税の寄付額が増加、「巣ごもり需要」や「普段利用」など新たな傾向が見られることが分かった。

令和3年度(2021)のふるさと納税は
令和3年度(2021)のふるさと納税は

2021度のふるさと納税の寄付総額が過去最高額の8000億円以上になると予測

 国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」運営元のトラストバンクによる2021年ふるさと納税振り返り記者説明会が28日、オンラインで行われ、コロナ禍でふるさと納税の寄付額が増加、「巣ごもり需要」や「普段利用」など新たな傾向が見られることが分かった。

「ふるさとチョイス」はふるさと納税により自立した持続可能な地域をつくることを目標としたポータルサイト。これまで地場産業の発展や課題解決への資金調達、災害時の資金調達などのふるさと納税事業を行ってきた。

 説明会では、2021度のふるさと納税の寄付総額が過去最高額の8000億円以上になると予測。寄付が増えた要因として、ふるさと納税の利用率向上、ポータルサイト参入企業の増加、自治体が提供するお礼の品の増加、制度法改正後の有名企業商品(ナショナルブランド)の登場などを挙げた。

 2021年の動きとしては、コロナ禍による「巣ごもり需要」加え、制度が普及したことにより日用品を返礼品に選ぶ「普段利用」が増加。マスクやトイレットペーパーなどの日用品や、今年上旬には価格が高騰したたまねぎの寄付金額が2倍以上に増加するという動きも見られた。

 ふるさとチョイスでは、「普段利用」によりこれまで寄付が肉・魚貝類・果物類などの特産品を売りにする自治体に偏っていた課題が解決されると期待する一方、地場産品基準や制度本来の意義・価値を失う可能性を懸念。「自治体名×品名」で検索できる仕組みや寄付の使いみちを設定できるようにするなどの取り組みを行っているという。

 今後の傾向については、イベントチケットや旅行といった「地域に行って体験する」品が増えると予測。電力やNFTなど、これまでの概念にはなかった新しい品が登場する可能性もあり、地域のチャレンジを促す一方、その取り組みが地域経済に資するものなのかという観点が重要になってくると総括している。

次のページへ (2/2) 【表】2019~2021年の「検索ワード」の変化
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