早瀬久美、70歳になって思うこと「自然体でいるだけ」 芸能界復帰で変わった“生活”
1971年の日本テレビ系ドラマ「おれは男だ!」でヒロイン「吉川くん」を演じて脚光を浴びた女優・早瀬久美(70)が、近年、インスタで水着姿をアップするなど、50年前を思わせるような若々しい姿を披露している。結婚後、1983年に夫の仕事の都合で渡米し一時、芸能活動を休止したが、1990年に帰国して2002年に芸能活動を再開した。活動再開から20年の近況や今の思いを取材した。
年だからと言う人はずるい、かと言ってアンチエイジングも嫌い
1971年の日本テレビ系ドラマ「おれは男だ!」でヒロイン「吉川くん」を演じて脚光を浴びた女優・早瀬久美(70)が、近年、インスタで水着姿をアップするなど、50年前を思わせるような若々しい姿を披露している。結婚後、1983年に夫の仕事の都合で渡米し一時、芸能活動を休止したが、1990年に帰国して2002年に芸能活動を再開した。活動再開から20年の近況や今の思いを取材した。(取材・文=中野由喜)
「復帰できるとは思っていませんでした。子育てに夢中でした。子どもの受験もありましたし。当時、芸能界は遠い存在で、私もああいう世界にいたんだなと思っていました。たまたま家の近所のスーパーの帰り道で買い物袋をさげて歩いていたら、昔、ドラマの撮影で知りあった音声さんに偶然、出会い、芸能界に戻るように声をかけられたんです。『無理でしょ』と思ったのと、まだ『忘れられていなかった』という驚きの両方の思いがありました」
これの出会いがきっかけで徐々に仕事を始めた。
「主婦から女優に戻ったら世間が変わるんですね。それまでお金を払って見に行っていたコンサートがご招待で行けたりします。びっくりです。それもど真ん中の席だったりします(笑)。そういうことはもうないと思っていたので、ああ、芸能界、いいなと思いましたよ。普通の主婦をやったからこそ分かること(笑)」
現在は八王子FMでパーソナリティーの仕事をやっている。コロナ禍前は往年のファンを集めたイベントも。今後はどんな活動をしていくのか。
「自分のために楽しいことをやりたいし、私を知っている方たちが、懐かしんで来てくれるイベントを再開したいですね。あとはお芝居もやってみたいですが、それ以上に、むしろ脚本を書いたり、作品を作る方をやりたいです。自分のパーティーを自分で企画すると、頑張れば頑張るほどみんな満足してくれるんです。作品を企画する裏方のような仕事をやってみたいと思います」
昨年、おととしと、インスタでビキニ風の水着姿もアップしている。70歳でインスタを駆使することにも感心するが、水着姿のスタイルの良さにも驚く。
「自然体でいるだけです。気を使って一生懸命に頑張っているわけではありません。ありのままにしていたらいいという考え。そんなに細かいことを気にしたり、ああいうふうにありたい、こうありたいではなく、自然体でいたら元気にいられると思っています。水着になるには、それなりの隠しどころがありますから(笑)。ああやれば若くいられるとか、運動しなければなどと考えるのは面倒なんです。そういう頑張らなきゃいけないのは嫌。年だからと言う人はずるいと思うし、そうかと言って、闘ってアンチエイジングというのも嫌い。私は自然体がいい。今は、子育ても終わり、いい生活したいとか子どもをいい学校に入れたいとかという思いからも解放されています。今は森田健作さん並みの健全な生活をしています(笑)」
70歳だが、今も青春ドラマのヒロインのように若々しく輝いている。インスタは友人らと楽しく過ごしている笑顔がいっぱいの写真が多い。70歳直前で披露した水着姿も早瀬にとっては自然体の自分でいるだけのこと。自身の人生を謳歌しているように思える。
□早瀬久美(はやせ・くみ)1951年12月25日、兵庫県神戸市生まれ。66年映画「紀ノ川」で映画デビュー。68年フジテレビ系ドラマ「お嫁さん」で初主演。71年日本テレビ系「おれは男だ!」でヒロイン・吉川君で人気に。80年に結婚し、83年には芸能活動を休止して渡米。90年に帰国し陶芸教室を経営。2002年に芸能活動再開。17年から八王子FM「早瀬久美のあの日をもう一度」のパーソナリティー。