城桧吏が明かす「おばけずかん」撮影秘話 子どもたちの絆を深めた新垣結衣の言葉
大人が知らないベストセラー「おばけずかん」シリーズを基にした映画「ゴーストブックおばけずかん」が7月22日に全国公開される。500人以上の中からオーディションで主人公・一樹を射止めたのは、俳優の城桧吏(15)。先生役で4年ぶりにスクリーンに戻った女優の新垣結衣が、撮影の合間に口にした一言に感謝している。
共演者との再会で感じた互いの成長「アクションができる役者になりたい」
大人が知らないベストセラー「おばけずかん」シリーズを基にした映画「ゴーストブックおばけずかん」が7月22日に全国公開される。500人以上の中からオーディションで主人公・一樹を射止めたのは、俳優の城桧吏(15)。先生役で4年ぶりにスクリーンに戻った女優の新垣結衣が、撮影の合間に口にした一言に感謝している。(取材・文=西村綾乃)
映画は累計150万部を突破するシリーズ「おばけずかん」を初めて実写化したもの。映画「STAND BY ME ドラえもん」シリーズなどの山崎貴が監督・脚本を手掛けた。城は気弱だが、願いごとを叶えるために、仲間や先生と力を合わせて、さまざまな試練を乗り越えていく少年を演じている。
「ファンタジー映画が大好きなので、撮影前からとても楽しみにしていました。(柴崎)楓雅とサニー(マックレンドン)とはオーディションでも一緒だったので、3人で出られると聞いたときはとてもうれしかったです。楓雅とは以前(『約束のネバーランド』で)共演したことがあって、そのときは、まだ声が高かったのに、久しぶりに再会したら声変わりをしていて、『お互い成長したな』って話しました。サニーはゆるキャラみたいな感じで、現場を明るくしてくれました」
同級生役のサニーマックレンドンと、吉村文香は映画初出演。大人に囲まれた現場では、柴崎が緊張からある言葉を連発していた。先生役の新垣はそんな柴崎を心配し、ある言葉をかけていたという。
「撮影の休憩時間で、僕は横になって眠っていたんですけど、話し声で目が覚めたんです。『誰かな?』と思ったら、楓雅と新垣さんで、新垣さんが楓雅に『撮影のときに、周りにごめんなさいというのは止めた方が良いよ』とアドバイスをしていたんです。起きるに起きられなくて聞いていたら、『ごめんなさいじゃなくて、ありがとうございますと言った方が良いよ。ありがとうは、一緒に良い作品を作る仲間として、相手を尊重する言葉。絆を深める言葉なんだよ』と教えてくれていて。目を閉じて寝たふりをしながら、ジーンと感動していました」
コロナ禍の撮影では、「共演者同士あまり話ができなかった」と残念がる。
「その中で新垣さんは、クランクアップを迎えた日に直筆の手紙を渡してくれたんです。後から聞いたら、全員分用意してくれていたみたいで。新垣さんから『中身は言わないでね』と言われたので秘密ですが、いつも後ろから見守ってくれて。本当の先生のような安心感がありました」
新垣とのやりとりでは、「いいところを見つけてほめてくれたことが、励みになった」と振り返った城。新垣が登場するシーンは「教室に入って来る場面が大好き。2度あるので、その違いを楽しんでほしい」と呼びかけた。
身長は170センチに成長「アクションもこなせる役者になりたい」
「第71回カンヌ国際映画祭」でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」で祥太役を務め、注目されたのは2018年。まだ11歳だった。当時公表していた身長は147センチ、現在は170センチほどと、見た目も大きく成長した。
「身長以外は、自分でここが成長したというのは、分かりにくいのですが、しいて言うなら大人しくなったと思います。昔から身体を動かすことが大好きで、ジッとしていられずに、昔は学校の先生からは『落ち着きがない』と叱られたことがありました。でも朝礼とか人が集まったときには、落ち着いて行動するようになりました」
コロナ禍での中学生活は、楽しみにしていた行事がなくなるなど寂しいこともあったが、撮影で訪れたことがあった京都を、同級生と一緒に巡ったことは良い思い出になった。
現在、高校1年生。まだまだ伸び続けている身長を活かして「アクションもこなせる役者になりたい」と目を輝かせた。
□城桧吏(じょう・かいり)2006年9月6日、東京都生まれ。代表作は18年の「カンヌ国際映画祭」でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」、20年公開の映画「約束のネバーランド」など。趣味はゲーム。AB型。
ヘアメイク 中島愛貴
スタイリスト 吉田ナオキ