Netflix「梨泰院クラス」が逆走1位 「六本木クラス」効果で人気再燃、日本独自の“怪”現象
2年前に世界中で大ヒットした韓国ドラマ「梨泰院クラス」がNetflix日本TV部門で驚きのランキング1位となっている。グローバルオンライン動画配信サービス集計サイト・FlixPatrolによると、「梨泰院クラス」の日本ランキング(日別)は先週前半は6、7位だったが、テレビ朝日系「六本木クラス」放送翌日の8日は3位、9日は2位、10日以降は1位をキープしている。Netflixが13日に公表した週間視聴時間日本TVTOP10(4~10日集計)でも先週5位から1位に躍り出た。現在世界を席巻している米ドラマ「ストレンジャー・シングス未知の世界」を抑えての堂々の1位だけにその強さに注目が集まっている。
「半沢直樹」的復讐劇というより「友情・努力・勝利」の「ONE PIECE」に近い?
2年前に世界中で大ヒットした韓国ドラマ「梨泰院クラス」がNetflix日本TV部門で驚きのランキング1位となっている。グローバルオンライン動画配信サービス集計サイト・FlixPatrolによると、「梨泰院クラス」の日本ランキング(日別)は先週前半は6、7位だったが、テレビ朝日系「六本木クラス」放送翌日の8日は3位、9日は2位、10日以降は1位をキープしている。Netflixが13日に公表した週間視聴時間日本TVTOP10(4~10日集計)でも先週5位から1位に躍り出た。現在世界を席巻している米ドラマ「ストレンジャー・シングス未知の世界」を抑えての堂々の1位だけにその強さに注目が集まっている。
「梨泰院クラス」は韓国のケーブルテレビ局JTBCで2020年1月31日から同年3月21日まで放送されたテレビドラマでその後すぐにNetflixで配信された。ソウルの異国情緒あふれる飲食店激戦区・梨泰院(イテウォン)を舞台に、高校中退で前科のある主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)が外食産業トップに君臨する長家(チャンガ)グループを打倒するため個性的な仲間と共に奮闘する姿を描いた青春ストーリー。Netflixでの配信スタートから2年もたっているのになぜ日本ではランキングチャートを逆走しているのか。
“怪”現象の理由の1つは「梨泰院クラス」をリメークした日本版「六本木クラス」の放送開始だろう。東京・六本木を舞台に父親を葬った巨大外食企業・長屋ホールディングスへの復讐を誓った主人公・宮部新(竹内涼真)の苦闘をオリジナル版に沿って描いている。同作は「梨泰院クラス」の漫画原作を日本の設定に置き換えた「日韓共同プロジェクト」となっており、原作漫画の作者で「梨泰院クラス」の脚本も担当したチョ・グァンジン氏や演出を担当したキム・ソンユン監督らが協力している。
「梨泰院クラス」の劇中で頻繁に流れるシンガー・ソングライターのGAHOが歌う勇壮かつ胸が熱くなる主題歌「Start Over(始まり)」のインパクトは強烈で同ドラマの人気を押し上げたが、この名曲がカバーされ「六本木クラス」の第1回冒頭で流れたのはファンにとってうれしいサプライズだった。テレビ朝日が「『六本木クラス』を見てからオリジナルドラマである『梨泰院クラス』ではどう描かれているのか見比べたり、または『梨泰院クラス』で予習してから新しく生まれ変わった『六本木クラス』を楽しんだり、と2倍楽しめること必至だ」とPRしているように、日本のNetflix上で「六本木クラス」→「梨泰院クラス」という流れが生まれたのは間違いない。
興味深いのはこのドラマにハマった層は40~50代の男性だったということだ。「梨泰院クラス」についてはTBS系で放送された「半沢直樹」とよく比べられるが、「梨泰院クラス」で描かれた友情、努力、勝利というテーマは「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されている「ONE PIECE」に近い。韓国ドラマに詳しい放送ライターがこう指摘する。「『半沢直樹』の主要人物はほとんどが高学歴で銀行という社会的地位が高い業界に就職しています。つまりエリート同士の戦いです。一方、『梨泰院クラス』とその日本版の『六本木クラス』の主要人物は高校中退、トランスジェンダー、元ギャング、ソシオパスなど社会の周縁に置かれた人々です。主人公のパク・セロイ(日本版は宮部新)は抜けたところがありながらも喧嘩が強く、仲間を大切にしながら大きな夢に向かってバカのように突き進む。こうした姿は『ルフィ』に重なります。『梨泰院クラス』が日本でだけいまだに繰り返しNetflixの上位にランクインしている理由はこんなところにありそうです」。
テレ朝は14日、「六本木クラス」が本場・韓国をはじめ世界7つの国と地域で配信されることを発表した。韓国では配信プラットフォーム「TVING」で配信。香港、マカオ、台湾の各地域でも独占配信され、タイや北米(アメリカ・カナダ)でも展開するという。これらの地域ではマンガやアニメなど日本のコンテンツの人気が高い。「六本木クラス」の“大化け”が期待できるかもしれない。