小倉優子、早大教育学部はE判定…大学院進学の可能性は? 「評価は格段に上がるはず」
タレントの小倉優子が11日放送のTBS系「100%!アピールちゃん」(毎週月曜、午後10時)に出演し、早稲田大学教育学部合格を目指して懸命に勉強する姿を見せた。この日の密着コーナーで小倉は、現在の実力を確認するため去年実施された高校3年生全統共通テスト模試の英語に挑戦した。早大合格ラインは100点満点中80点。受験勉強を始めて5か月の小倉は50点を目標としたが、採点の結果は20点で合格可能性評価はE判定となった。試験時間は80分あったものの、解答するスピードがまったく間に合わず、後半部分の回答はマークシートの(2)の部分を機械的に塗りつぶすのが精いっぱいだった。
英語は超難問 長文読解力と速読力が合否を左右
タレントの小倉優子が11日放送のTBS系「100%!アピールちゃん」(毎週月曜、午後10時)に出演し、早稲田大学教育学部合格を目指して懸命に勉強する姿を見せた。この日の密着コーナーで小倉は、現在の実力を確認するため、去年実施された高校3年生全統共通テスト模試の英語に挑戦した。早大合格ラインは100点満点中80点。受験勉強を始めて5か月の小倉は50点を目標としたが、採点の結果は20点で合格可能性評価はE判定となった。試験時間は80分あったものの、解答するスピードがまったく間に合わず、後半部分の回答はマークシートの(2)の部分を機械的に塗りつぶすのが精いっぱいだった。
応援に駆け付けたお笑いコンビ・ロザンの宇治原史規(京都大学法学部卒)は小倉の努力を見て合格に太鼓判を押したが、ことはそう簡単ではなさそうだ。早大教育学部の英語の入試は例年大問が5題となっており、全体で2500語程度だったが、21年度は2770語に増加。22年度は大問が4題に減ったにもかかわらず、語数はさらに増えて3440語と過去最多となった。しかも、内容の難易度が相当上がっている。早大公式HPで公開されている教育学部文科系英語の入試問題(6月22日更新)を見ると、大問[I]はダーウィンの進化論をジェンダーや性など現代社会の課題に関連付ける長文が出題されていた。
小倉は「英単語ターゲット1900」を読んで英単語1900語を覚えたというが、最難関私大の早稲田大学、慶應義塾大学に合格するためには6000~7000語が必要とされている。予備校講師がこう言う。「早大教育学部入試の英語はとにかく英文量が多く、高い速読力と読解力が必要です。試験時間は90分ですから何度も見直す時間などはありません。熟語やイディオムの暗記も必須ですし、これに加えて時事問題や社会問題にもアンテナを張っておくことが合格の絶対条件となります」。
もちろん、E判定だからといって可能性がゼロになったわけではない。A判定は合格率80%以上、B判定は65%、C判定は50%、D判定は35%、E判定は20%以下となっているが、E判定は下位の20%ではなく全体の60%ほどに及ぶため、まずはD判定を目指すことが合格の可能性を広げることになる。あきらめるのはまだ早い。
一方、こうした小倉の早大教育学部受験について有名私大講師がこう話す。「アイドルやタレントとしての人生経験が長い小倉さんなら、苦労して学部に進学するより大学院を目指した方がはるかにキャリアアップにつながると思います。学部に入ると授業が忙し過ぎて育児や仕事との両立は難しい。それが4年も続くと中退リスクを抱えこむことになります。しかし、大学院なら英国数理社などの学科試験がない社会人入試がありますし、夜間や土日に通学できる社会人向けのカリキュラムを準備している大学院もたくさんあります。テレビでの豊富な仕事経験を生かしてアイドル論やメディア産業論、芸能プロダクションを事例とした経営研究や、3児の母として育児と仕事を両立させてきた経験を生かして女性のセカンドライフやキャリア形成などの研究も学問的に価値があると思います。修士課程の2年で修士論文を書き上げれば小倉さんへの評価は格段に上がるはずです」。
では、大学院に進学するにはどんな対策が必要なのか。例えば、立教大学大学院の出願資格は「大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で、2022年9月19日までに満22歳に達するもの」。つまり、大学院側がOKなら高卒でも進学できるということだ。同大学院ビジネスデザイン研究科博士課程前期課程(修士)の社会人入試出願資格は「入学時までに2年以上の実務経験を有する者。出願時に日本において企業等の組織で現職に就く者」とある。小倉には有名タレントとしての稀有な社会人経験があるため、こちらをきちんと“アピール”できれば良い結果が出るかもしれない。選抜方法は社会人の場合、書類審査、課題エッセー、口頭試問のみだ。
大学院に進学した女性タレントと言えば菊池桃子がよく知られている。戸板女子短期大学被服科(現・服飾芸術科)を卒業後、法政大学大学院政策創造専攻修士課程を修了。2012年8月に母校・戸板女子短期大学の客員教授に就任した。23年度の政策創造研究科の入試要項を見ると、入学試験には社会人AO入試があり、社会人経験3年以上が対象。研究計画書や職務・活動等報告書などの書類審査と面接試験の結果を総合的に判断して合否を判定するという。この4月にはお笑いコンビ・ホンジャマカの恵俊彰が早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学した。入学試験は「書類審査と面接試験を総合的に判定する」だった。もちろん英語の試験はない。
「ある知人は中堅大学を卒業後、慶応大学の学部に入り直しましたが、『時間の無駄だった。最初から慶応の大学院に行けば良かった』と後悔していました。難関私大でも大学院のハードルは思ったより低い。MARCHクラスの大学院は教員のレベルも高く狙い目です。しかも大学院生なら教員の了解を得て、学部の授業を聴講することもできます。苦しい思いをして連日学部入試の受験勉強に明け暮れるよりも、自身のキャリア形成の一環として大学院で専門的な研究を始めた方が人生にとってメリットは大きいと思います。大学院では英語の論文を読むことがあるので、小倉さんが取り組んでいる英語の勉強は決して無駄にはなりません」(前出の有名私大講師)
少子化による経営難が叫ばれる中、大学は生き残りをかけて貯蓄のある社会人を学生として迎え入れる体制を作り始めている。早大教育学部進学より大学院進学の方が“うまみ”は大きいかもしれない。