「ノアの大器」稲村愛輝がZERO1火祭りで大化け タイトル奪取でトップ戦線に躍り出る
今年こそ暑い夏を完走する。182センチ、120キロと巨体に恵まれた、文字通りの「ノアの大器」稲村愛輝(よしき)がZERO1「火祭り2022」に不退転の決意で出陣。まずは順調に走り出した。
4年目ながらもすでに29歳、スピード出世に期待
今年こそ暑い夏を完走する。182センチ、120キロと巨体に恵まれた、文字通りの「ノアの大器」稲村愛輝(よしき)がZERO1「火祭り2022」に不退転の決意で出陣。まずは順調に走り出した。
火祭り2021に続いての連続参戦となる稲村だが、昨年は何とも悔しい結末だった。優勝戦進出をかけた田中将斗戦を前に、左腓骨を骨折しリタイア。約4か月の長期欠場に追い込まれてしまった。不完全燃焼の思いが残っている。
田中とは3・6後楽園ホール大会で激突したが、火祭りで残った悔いは火祭りで返すしかない。昨年以上の熱い思いを秘めて、いやむき出しにしてのZERO1マット乗り込みとなった。
今年は開幕戦(7・1東京・新木場大会)のBブロック公式リーグ戦でいきなり田中と激突した。褐色の弾丸・田中のパワフルかつスピードあふれる攻めを耐え抜き、タックル、エルボーで田中を弾き飛ばす。ジャーマンスープレックスでたたきつけたが、30分はあっという間だった。30分時間切れ引き分け。勝ち点3をゲットした。
田中を相手に30分、闘い抜いた稲村だが「引き分けたけど、田中将斗に近づけたなんて思っていない」と謙虚に振り返った。すべてを出し切っても勝ちきれなかった現実を、冷静に捉えていた。
とはいえ、稲村はまだまだデビュー4年目。数々のタイトルを獲得し、いまだ全盛期のコンディションを維持するリビングレジェンド・田中に引き分けたことは、評価に値する。「勝ちきれなかった自分にいら立つ。残りの公式戦、すべて勝つ」と、稲村は決意を新たにした。
実際に2戦目(7・8新木場大会)で、ヒデ久保田を無双からフォール。勝ち点5を積み上げ、勝ち点8とした。「まずは勝利。相手のしつこい攻め、最後のひらめき……勉強になった」とクールに分析。一戦ごとに成長している手ごたえをつかみ取った様子だ。「闘った相手の力をすべて吸収して、残り全勝。優勝して火祭り刀をノアに持ち帰る」と悲願の優勝を改めて誓った。
稲村の残る公式戦は太嘉文(7・17愛知・名古屋Sportiva大会)、永尾颯樹(7・18大阪府立体育会館第2競技場大会)、阿部史典(7・27栃木・宇都宮オリオンスクエア大会)。クセ者との対戦を残しているが、稲村の言う通り、闘いながら一歩一歩、レベルアップしていくしかない。
25歳でデビューした稲村。柔道、相撲、学生プロレスの土台を生かした豪快なファイトで台頭しているが、すでに29歳。これまで以上にスピード出世していくしかない。
ぶ厚い体の源は、ストロングマントレーニング。超大型のタイヤや砂袋を使った練習などで筋力アップをはかっている。定番のウエイトトレーニングに加えてさまざまな独自の方法を取り入れ「#人間強度」を上げている。
稲村のインスタグラムは「茶色い」。お気に入りのお店の料理に、道場の台所で自ら腕を振るった一皿など、食べ物を連日の様に投稿している。
「食べ物と生き物が好き」と公言し、犬、猫はもちろん爬虫類や虫も愛している好漢・稲村。スーパーヘビー級の「未完の大器」がいよいよ勢いを増している。