【RIZIN】「フェザー級を組んだ方が盛り上がる」と本音も それでも女子トーナメントを開くワケ
格闘技イベント「RIZIN」は7日、都内のホテルで会見を行い、「湘南美容クリニック presents RIZIN.37」(31日・さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カード発表を行った。なぜ今、女子のトーナメントを開催するのか。会見後、榊原信行CEOが“女子格”への思いを明かした。
浜崎朱加、浅倉カンナ、RENA、山本美憂、変わらない主要メンバー
格闘技イベント「RIZIN」は7日、都内のホテルで会見を行い、「湘南美容クリニック presents RIZIN.37」(31日・さいたまスーパーアリーナ)の追加対戦カード発表を行った。なぜ今、女子のトーナメントを開催するのか。会見後、榊原信行CEOが“女子格”への思いを明かした。
「今、瞬間で言ったらフェザー級とか組んだ方が盛り上がるのかもしれない」。榊原CEOが口にする。ではなぜ、今女子なのか。
2015年大みそか、RENAがイリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)を2Rで破った一戦が女子格の火付け役になったと振り返る。浅倉カンナ、RENA、浜崎朱加、山本美憂とタレントぞろいのメンバーだが、6年半以上経った今でも主要メンバーは変わっていない事に課題を感じていた。
「17年、18年の前回のGPを組んだ。RENAと山本がメインで話題になったのは16年ですけれど、トップアスリートの女子選手たちがキャラと実力もある。そこを凌駕(りょうが)する伊澤星花みたいな若手選手が伸びていない」と指摘する。
そのうえでの今回の女子スーパーアトム級ワールドGPだ。「真価が問われる。女子格の未来を決める上でもう1回スポットライトを当てるべきかなって強く思いました。ここで女子格を海外からも選手を入れられる状況で磨き直す。未来をちゃんと築いていく」と決意を口にした。
これまでと異なるのは“超新星”伊澤の存在だ。「5年ぶりのトーナメントなんですけれど、RENA、浜崎、カンナ、伊澤っていうこの4人がGPで顔を合わせられるのも先にはないと思う。日本の中での新旧も含めて、今年やるべきかなって。それが世界とどこまで戦えるのか」と開催の意義を強調した。
欧州、ブラジルなどから外国勢4人が参戦する。外国人選手の入国が緩和された4月に行われた「RIZIN TRIGGER 3rd」では、日本人ファイターと海外の壁が歴然となった。今大会でもその可能性は十分にあり得る。
「外国人が圧勝してしまう可能性もある。ラーラ・フォントーラ選手とかめっちゃ強豪なので。本当に伊澤はあっけらかんとすごいことを成し遂げているんだけれど、本当の意味での世界の強豪と対することがなかった。日本勢4連敗とかも十分あり得るメンバーかなと。安パイはないですね」
それでも「メインは女子でいく」と豪語した。朝倉海が欠場した2日の「RIZIN.36」と比較し、女子メインの意味合いを改めて強調した。
「どこを切ってもおもしろさのあるラインナップが7月31日はできました。興行的なことと我々が1番見せたいワールドGPっていうそのなかで女子格にしっかりスポットを当てる。女子格の選手たちが気概を持って、男子の試合を凌駕(りょうが)する試合を見せる。『メインはもうお前さんたちに任せるよ』っていう覚悟を我々が見せることが女子選手に責任感、覚悟を植え付けられるんじゃないかな。プロモーターとしては彼女たちに託したい」
5年ぶりの女子トーナメント。5年の間にはRENAの米国団体「ベラトール」挑戦、浅倉の連敗や絶対王者だった浜崎の敗戦などさまざまな動きがあった。またパンデミックにより外国人選手の渡航は制限され、鎖国状態となった。一方で“超新星”伊澤は台風の目となり、RIZIN女子格界をかき回し、再び女子格に火を灯した。対外国人勢、日本の女子格闘家はどこまでいけるのか。真夏の祭典にふさわしい熱い試合を見せてもらいたい。