eスポーツ発展は「先人たちの思いが実った結果」 専門キャスターが語る盛り上がりのワケ

タクティカルFPSゲーム「VALORANT」の国内大会「2022 VALORANT Champions Tour Challengers Japan Stage2」Playoff Finalsが6月25日、26日にさいたまスーパーアリーナで開催され、「NORTHEPTION」がStage2優勝と世界大会進出を決めた。2日間で約2万6000人を動員した本大会。会場で実況・解説を務めたeスポーツキャスターのOooDa(オーダ)とyue(ユエ)に、今大会の感想や今後の展望を聞いた。

インタビューに応じたOooDa(右)とyue【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じたOooDa(右)とyue【写真:ENCOUNT編集部】

eスポーツキャスター・OooDa&yueインタビュー

 タクティカルFPSゲーム「VALORANT」の国内大会「2022 VALORANT Champions Tour Challengers Japan Stage2」Playoff Finalsが6月25日、26日にさいたまスーパーアリーナで開催され、「NORTHEPTION」がStage2優勝と世界大会進出を決めた。2日間で約2万6000人を動員した本大会。会場で実況・解説を務めたeスポーツキャスターのOooDa(オーダ)とyue(ユエ)に、今大会の感想や今後の展望を聞いた。(取材・構成=石井宗一朗)

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――NORTHEPTIONがZETA DIVISIONを破り、コペンハーゲンで開催される世界大会進出を決めました。今日の試合の感想を教えてください。

yue「前日の敗北もあってNORTHEPTION側が不利と思われた中、そのプレッシャーをはねのけて、自分たちらしいプレイを最後まで貫き通した。それが本当に素晴らしかったなと思いました。今まで『ZETA DIVISIONが王者』と言われていたのを覆しての世界大会進出。ぜひコペンハーゲンでも頑張ってほしいなと思います」

OooDa「今までZETA DIVISIONはどんな逆境でも止めてきたんですけど、そこが今日は止められなかった。細かいうまさもありますが、それ以上にNORTHEPTIONが流れをつかみきって逃げきった印象です。ZETAを寄せ付けませんでした。逆にZETAはどんどん苦しい状況に追い込まれて流れを変えることができなかった。世界3位のチーム(ZETA)がここまで追い込まれるのは私も含め、誰も想像していなかったと思います」

――この2日間で大勢の方が観戦にかけつけました。大会全体を通しての感想は。

yue「以前の感覚ではオフライン大会に100人、200人が集まっただけでも『こんなに人が来るんだ』と驚いていました。それなのに急にこの1万人超えという規模になって、実感が湧かないというか……。正直ここまでの盛り上がりはまったく想像していなかったです。足を運んでくださった皆さまや、いつも見てくださっている方への感謝の念が尽きないですね」

OooDa「うれしいですね。これだけ多くのお客さんが会場に足を運んでいただいて、楽しんでいただけたというのが何よりもうれしいです」

eスポーツの盛り上がりついて語ったOooDa【写真:ENCOUNT編集部】
eスポーツの盛り上がりついて語ったOooDa【写真:ENCOUNT編集部】

――ここ数年、eスポーツの急激な盛り上がりが顕著です。お2人が考えるその要因とは。

yue「eスポーツの規模がまだ小さかった時代、10年、20年も前から今までずっと盛り上げてくださった方がいらっしゃったおかげで、今があるのかなと思います。その先人たちの思いが実った結果なのかなと」

OooDa「(yueと)同じように思っています。始めた人、それを継続した人がいないと今の場というのは存在しない。eスポーツの楽しさを知って、それを広げて、そのパイが逆のピラミッドになってきて今があると思っています。これからどこまで大きくなるのかは分からないですけど、皆さんがeスポーツ、日本の競技シーン面白いねと言ってくださる以上は、まだまだ成長していくのでは。そこは楽しみですね。だから僕たちも、まだまだ頑張らないといけない」

yue「その点で言えば、僕がこの道に入った理由、ゲームの世界に深く入った理由が、十数年前のゲームでOooDaさんが実況していた大会なんです。その大会を見て『もっと頑張ろう』という気持ちになれた。ある意味僕がここにいるのもOooDaさんのおかげです」

OooDa「同じです。僕も誰かを見てきているので」

今後の目標を明かしたyue【写真:ENCOUNT編集部】
今後の目標を明かしたyue【写真:ENCOUNT編集部】

――お2人が実況をする上で大事にされていることは何ですか。

yue「言葉遣いや、間違えないということはもちろんありますけれども、一番は試合の盛り上がりや、すごいシーンをより『すごいんだぞ!』と伝えること。100%には届かなくても、できる限り声に乗せて伝えたいなとは思っています」

OooDa「eスポーツって難しいところで、スポーツ競技なのかゲーム、エンタメなのかという際どいラインにあると思っています。スポーツ中継のように細かく状況を伝えるのも、もちろん面白いとは思いますけど、やっぱりゲームなので、リアクションも必要。『○○がこうなって、ああなって~』と言うのか、『おー! すごーい!』って一発でいくのか。そこって大事なところだなと。若年層だったり、知らない人たちが見たときに『すごいんだ』『面白い』と感じられる何かがあればいいなと思っています」

――今後の目標や展望を教えてください。

yue「今回さいたまスーパーアリーナで大会が開催されましたが、こうした大きな会場での開催は僕の夢の1つでもあったんです。その夢がかなった今、次はもっとすごいこと、もっと大きなものに期待してしまう。国内大会だけではなく、国際大会、それこそ世界一を決める大会が日本で開かれて、その舞台に立てたらと思います」

OooDa「60歳ぐらいまでこの仕事を続けて、家を買って、その後はたこ焼き屋を開いてゆっくり遊びたい。元選手とかeスポーツで関わった人たちが、たこ焼きを食べに来てくれたらうれしいです。今日もお客さんで、別タイトルの元プロ選手で引退して、その後別のゲームでコーチをして、うまくいかず葛藤している2人がいたんです。今日は2人が見に来てくれていて、最後に声をかけてくれた。そういったゲームで出会った人たちには、みんな幸せになってほしいなと思いますし、みんなで幸せになりたいですね」

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