【RIZIN】朝倉海へ、榊原CEOが“休養指令”「復帰は1年後でもいい」 6年前から続く症状に驚き
格闘技イベント「湘南美容クリニックpresentsRIZIN.36」(2日、沖縄アリーナ)の公開計量が1日、沖縄県内のホテルで行われた。公開計量後、榊原信行CEOが囲み取材に応じ、右拳を痛めた朝倉海欠場の裏側を明かした。そこにはプロモーターとして選手の未来を守る“信念”があった。
右拳のプレートが骨と癒着するほどの重傷
格闘技イベント「湘南美容クリニックpresentsRIZIN.36」(2日、沖縄アリーナ)の公開計量が1日、沖縄県内のホテルで行われた。公開計量後、榊原信行CEOが囲み取材に応じ、右拳を痛めた朝倉海欠場の裏側を明かした。そこにはプロモーターとして選手の未来を守る“信念”があった。
苦笑いで怒とうの1週間を振り返った。「けがを抱えながらけがと付き合ってきた海としては何としても出たかった。1週間前まではそうだったんだよ」。
しかし、試合5日前の6月27日に流れは変わった。「どうも痛み止めが効かないと。麻酔科の医者にも見てもらったんですが、もう麻酔も効かないんです。火曜日にも水曜日にも拳の名医だという人を訪ね歩きました。各々の先生の意見は変わるんだけれども、根本的には『治療しないと選手生命、普通の生活すらできなくなる可能性はありますよ』ということでした」と表情は険しくなった。
海と長くRIZINを盛り上げてきたからこそ気持ちも分かる。「責任感が強いんでやめるという意識が海にはないんです。痛いというのは僕らには客観的には分からない。あらゆる手を尽くしてこの状態なので、責任感だけで無茶をさせて、ファンの皆さんにはがっかりさせてしまうけれどもやめる決断はすごく難しかったけれど、ここで休むのも必要だなということになりました」と説明した。
かなり深刻な状況のようだ。「海は、元々6年半くらい前に拳を痛めたときにプレートを入れている。本来であれば完治してそのプレートを抜くのが正しいことだと思うんだけれど、入れたままなの! 入れながらRIZINでもだましだましにやっていた。去年の年末に痛めたところもやったりするんだけれど、それ以外のところもね。プレートが曲がってしまっている状態なんだよね。骨と変な形で癒着してしまっているんです」と驚きを口にした。
このけががプロモーターとして見つめ直すきっかけにもなった。「もう少し僕たちも体調を知ってオーバーホールしていく。これを機に今後に生かしたいなと思います」と力を込めた。
海には“休養命令”を出すことにもなった。復帰予定を問われると、「ドクターとも話して、1日も早いほうがいいということで、来週にもメスを入れる」と手術することを明かした。さらに「本人は『大みそかに復帰したい』と言っていました。僕は無理せずに1年後でもいいと思っている」とした。
続けて「年齢的なことも考えて、堀口恭司じゃないけれど、けがを完治させないと僕は復帰させるべきではないなって思っています。RIZINという団体からすると朝倉海が(ビジネス的にも)計算が立つし、メイン級が抜けるのはとても痛いけれど、ここは無理をさせずに、その先の未来を見据えて拳を直してかなと思います」と静かに続けた。
28歳の海にはまだ未来がある。格闘技最高峰の「UFC」を口にしている。4月から5月にかけては世界を見据えて米国修行に送り出した。
今後、朝倉海を見る機会は減るが英断だ。よりパワーアップした海の姿を見られる日を今は待つときだ。