武尊がうつ病&パニック障害を公表したワケ “言い訳”“負け惜しみ”とは異なる理由
「最高の心と体で戻ってくることが次なる戦い」
心身ともに、大げさではなくボロボロだった。肉体面では、これまで公表していなかった「腰椎分離すべり症」を患っていることを明かし、「一時期は運動も、寝ることもできないくらい下半身のしびれとか、麻痺とかの状態になっていた」と明かした。拳の手術は手術では完治せず、膝の前十字じん帯の損傷もあった。
心はさらに深刻だった。
「数年前から精神科にも通っていて、パニック障害とうつ病と診断されて」と告白。「その部分は昔からでもあって、うまく付き合いながら今回の試合を迎えた。決まるまでで言えば数年間。そこで自分の心が耐えられるのかというのもあったし、知らず知らずのうちに自分の心が壊れていくのを感じていて、今回の試合前にちょっと体調が悪くなった時期があって、その時に今の格闘家としての人生だけじゃなくて、これからの人生を考えた時にまずはいったんこれを治さないと、この後の人生が壊れてしまうなと思った」。
なぜ公表したのか。アスリート、特に格闘家は心身の不調を隠したがる。試合前はもちろん、試合後もだ。特に負けていた場合は“言い訳”、“負け惜しみ”と言われかねない。実際にこの日の会見後、ネット上には「聞きたくなかった」「言わないでほしかった」などという声も一部で上がっていた。
実際に武尊自身、「公表するか悩んだ」。葛藤の末に、明かした理由ははっきりしている。
「同じように苦しんでいる人もいる。心の問題だけじゃなくて、けがもそうだし、同じけがで苦しんでいる人もたくさんいる。このタイミングで心と体を治せるように休養させてもらって、最高の心と体で戻ってくることが次なる戦いかなと」
これまでもその戦う姿で見るものを勇気づけてきた。K-1のカリスマはしばしの充電期間を経て、再びファンを魅了してくれるはずだ。