「旅サラダ」で“体当たり”東留伽アナの頼もしい才能 MC神田正輝は「第2の父」
人気番組や注目番組の舞台裏の魅力を探る企画。今回はテレビ朝日系「朝だ!生です旅サラダ」(毎週土曜、午前8時)。2020年の新人時代から全国のおいしい物を探して旅する「日本縦断コレうまの旅」のコーナーで頑張る東留伽アナウンサーに番組の舞台裏やおいしい物を探す極意などを取材した。また山田敬文プロデューサー(取材当時)にコロナ禍の苦労話も取材。まずは東アナがどうやっておいしい物にたどり着いているのか尋ねた。
「朝だ!生です旅サラダ」の舞台裏 神田正輝から箸の持ち方教わり「第2の父」
人気番組や注目番組の舞台裏の魅力を探る企画。今回はテレビ朝日系「朝だ!生です旅サラダ」(毎週土曜、午前8時)。2020年の新人時代から全国のおいしい物を探して旅する「日本縦断コレうまの旅」のコーナーで頑張る東留伽アナウンサーに番組の舞台裏やおいしい物を探す極意などを取材した。また山田敬文プロデューサー(取材当時)にコロナ禍の苦労話も取材。まずは東アナがどうやっておいしい物にたどり着いているのか尋ねた。(取材・文=中野由喜)
「旅先で、駅とか朝、人が集まりやすい場所に行って情報を集めることからロケがスタートします。全部アポなしです。通勤時間の朝9時とか10時くらいに駅に行って、いつも10組くらいの方からお話を聞いていると思います」
事前にある程度の情報を仕入れていると思っていたが、まさかアポなしとはびっくり。
「背中に『美味しいグルメ情報を教えてください』『東留伽が行く!日本縦断コレうまの旅』と書かれたのぼり旗を背負ってアピールし、声をかけていただいた方から情報を仕入れます。ご年配の方の方が、地元のおいしい物を知っているように思いますが、年代ごとにお勧めのお店があるでしょうから、幅広い世代の方のお話を聞くようにしています」
番組では、明るく元気でさわやかな印象。おいしい物を食べて「コレうま~」と決めぜりふを叫ぶ姿は視聴者の気分も上げてくれるが、舞台裏で自身が頑張っていると思うことを聞いてみた。
「できるだけお店の方と話すようにしています。放送されている以外にも結構、お話しています。お店を何年前からやっていて、どういう気持ちで、そのお料理を作っているとか。お店の方にとってはテレビで紹介されるのが一生に1度の経験かもしれません。いい思い出になってほしいという思いと、ちゃんと知りたいという思いでたくさんお話しするようにしています」
放送されるのは3軒ほど。どの店でもしっかり完食している印象がある。
「2、3口食べて食リポを終える人もいるそうですが、私はおいしいので、どんどん食べちゃって、食リポを終える頃には半分以上、無くなっていることが結構あります。残すのは申し訳ないので結局全部食べちゃいます。お店の人にも『本当に全部食べるね』とびっくりされます(笑)。まずランチの時間帯に食べて、お土産を頂くこともあるので移動中にちょっと食べて、次のお店で食べて、また、食べて。1日中ずっと食べていますね(笑)」
おなかは大丈夫か。
「ロケ前の食事を減らすようにして軽い飢餓状態で臨んでいます。ちゃんと、おいしい物への『獣の勘』みたいなものを奮い立たせています(笑)。ロケ前日の夜ご飯をサラダだけにしたり、ロケ当日の朝を食べず、ロケで出てくるおいしい物に全力で集中しています」
この番組の影響で1度の食事の量が増えてないだろうか。
「『コレうまの旅』で岩手に行き、わんこそばを食べた時は125杯食べられたので胃袋も成長したと思います。100杯を超えようと挑戦したら簡単に超えてしまいました(笑)」
一般的な女性観光客は30杯程度のようだが、東アナは「旅サラダ」にピッタリの才能の持ち主。一方、いつもおいしい物を食べる側だが料理を作る方はどうか。
「できなくはないです。得意料理はカルボナーラ。でも食べる専門でいたいです(笑)」
メインMC・神田正輝の魅力についても聞いてみた。
「大好きです。いつも『コレうまの旅』の物を食べて『おいしい』と完食してくださり、食後のCM中にも『本当においしいね』って。私が初めてこの番組に来たとき、入社1年目で緊張していたら、神田さんが『自分の場所と思ってやったらいいよ』と声を掛けてくださったんです。そのおかげで今、自由すぎるんじゃないかと思うほど自分の持ち場と思ってやらせてもらっています。私の自由さは神田さんのおかげで成り立っています。お箸(はし)の使い方など食事のマナーも教えていただいて、第2の父、親戚のおじさんという感じです」
夢も紹介してくれた。
「コロナ禍で私の『コレうまの旅』がスタートしましたが、いつか『コレうまの旅海外編』をやれたらと思います。ロスに行きたいです。ハリウッドスターにコレうま取材したいです」
最後に山田プロデューサーにコロナ禍の苦労を聞いた。
山田氏は「4月で30年目に突入した番組ですが、コロナ禍になって30年近い『旅サラダ』の歴史の中で、旅に行くなと言われたのは初めてでした。前代未聞の状況に追い込まれた時、過去30年の大量の映像と知識を使って対応しました。旅は不変の人類の楽しみの一つ。番組はさらに20年、30年と続くと思います」。
また、山田氏は30年続いた要因を「ただの旅情報番組ではなく、人の思いをたどる番組だから。人の思いに寄り添おうという思いでやっています。人の思いが変われば景色も変わります。違って見えます。しっかりと人の思いを伝える番組であり続けたらと思います」と語った。