吉住、コントキャラへの“愛情”「バックボーン書いてみたい」 今後のビジョンとは
「女芸人No.1決定戦 THE W 2020」女王のピン芸人・吉住が、22日からフジテレビで3夜連続で放送されるオムニバスドラマ「脚本芸人」で脚本を務める。今回が初のドラマ脚本となる吉住に新たな挑戦への思いや今後の“野望”を聞いた。
キャスト知らず脚本作り…「うわ! 芸能人だ!」
「女芸人No.1決定戦 THE W 2020」女王のピン芸人・吉住が、22日からフジテレビで3夜連続で放送されるオムニバスドラマ「脚本芸人」で脚本を務める。今回が初のドラマ脚本となる吉住に新たな挑戦への思いや今後の“野望”を聞いた。(取材・文=中村彰洋)
今回、第2夜を水川かたまり(空気階段)、第3夜を岩崎が務め、そのトップバッターとして吉住が第1夜を手掛ける。実力派コント師が勢ぞろいし、芸人が脚本をリレー形式で作成するという新たな試みとなるが、オファーを受けた吉住は喜びを口にする。
「脚本に興味があって、前回の単独ライブでも長尺ネタを作りました。いつか脚本の仕事がきたら書けるように、力を付けておくという意味でも長尺ネタを書いたほうがいいんじゃないかと作家さんに言っていただいたんです。そのネタがあったから今回お声がけをいただいて、『ぜひやりたいです』って。一緒にやらせていただくのが、う大さんとかたまりさんと聞いて『うわ! めっちゃいい並びじゃん、最高! ここに入れてもらえるんだ』って感じでした(笑)」
吉住が描いたのは女優と警備員のストーリー。趣里と藤木直人が演じるが、脚本執筆時には誰がキャストを務めるかを知らぬまま制作していた。「うわ! 芸能人だ!」と名前を聞いたときには驚いたという。
「自分の書いたものがお二方の目に触れることがあるんだという感じでした。ありがたいなと。風間(太樹)監督から撮影で役者さんたちも楽しそうにしていたと聞いたときはホッとしました」
普段はピンネタを書く吉住にとって脚本を書くという挑戦は新鮮だった。「普通にワクワクしました」と笑顔だ。そして可能性も感じている。
「なんとなくピンのコントだと自分が書いて、自分が演じて、想像の域をときどき超えることはあっても、それが本当に“想像の外”だったのかって言われると意外とそうでもないかもしれないです。今回は、自分の脳を介していない動きをされたりしていると思うので、そのときに自分の書いたものがどういう絵になるんだろうっていう楽しみがあります。めっちゃ楽しみですね。自分の作品を見るのは怖いタイプなんですけど、どうできあがってくるんだろうなって楽しみです」
意識して書き分けた「載ってると載っている」
また、繊細なネタを書く吉住だからこその細かなこだわりもある。
「演じやすいかどうかは考えながら書いています。せりふとか語感とかテンポ感だったりをけっこう気にしています。演じやすいようにかみ砕いていただいてもいいかなって思いながら書いた部分もあって、ある程度読んだ人がどう演じたらいいかが分かるように、流れがなんとなく分かるように丁寧に書いておこうと思いました。
例えば『ポスターに載ってる』というせりふがあったんですけど、普通だったらしゃべるとき、『ポスターに載ってる』ってしゃべるけど、私が『ポスターに載って“い”る』って書いていたんですね。その『いる』っていうのが私らしいと思っていただけて、趣里さんもそこを意識されていたということを監督からお聞きしたときにすごくありがたいな、ちゃんと本を読み取ろうとしてくださったんだなって思えました」
お笑いだけでなくドラマに演者としても出演するなど、多方面での活動も増えてきたが今後のビジョンも明確だ。
「小説にも興味があります。ショートショートみたいなのもいつか撮ってみたいなと思います。ほかにも自分のコントの中の人間たちのオムニバス本とかも書いてみたいですね。女審判だったり、『R-1』でやった“正義感暴れ”の女性のバックボーン、どういう学生時代を過ごしたかみたいなのを書いても面白いかなと思っています」
□吉住(よしずみ)1989年11月12日、福岡県出身。「女芸人No.1決定戦 THE W 2020」優勝、「R-1グランプリ」でも2021年、22年の2年連続で決勝進出と賞レースで活躍。22年6月22日から放送のフジテレビ3夜連続ドラマ「脚本芸人」を担当。7月1日、2日には東京・シアターサンモールで吉住第5回単独公演「咲かないリンドウ」を開催する。