「牡丹と薔薇」で一世風靡した大河内奈々子の今 フラワースタイリストで実業家の顔も

2004年のフジテレビ系の昼ドラ「牡丹と薔薇」(FOD、U-NEXTで全話配信中!)で主演を務めて一世を風靡(ふうび)した女優の大河内奈々子は、モデルとして15歳でデビューしてから今年で芸能生活30年となる。実は現在、女優だけでなく、もう一つの顔を持つ。フラワースタイリストとしてオンラインフラワーショップ「blooom」を立ち上げて実業家として活動しているのだ。また中学生の一人息子を持つ母でもある。女優を離れた素顔を探ってみた。

「牡丹と薔薇」で主役を務めた大河内奈々子
「牡丹と薔薇」で主役を務めた大河内奈々子

ボタバラブームで一世風靡、芸能生活30年の節目を迎えた今の顔

 2004年のフジテレビ系の昼ドラ「牡丹と薔薇」(FOD、U-NEXTで全話配信中!)で主演を務めて一世を風靡(ふうび)した女優の大河内奈々子は、モデルとして15歳でデビューしてから今年で芸能生活30年となる。実は現在、女優だけでなく、もう一つの顔を持つ。フラワースタイリストとしてオンラインフラワーショップ「blooom」を立ち上げて実業家として活動しているのだ。また中学生の一人息子を持つ母でもある。女優を離れた素顔を探ってみた。(取材・文=中野由喜)

「お花が好きで、いつも周りにお花のある生活をしていましたが、8年か9年前でしょうか、たまたま知人のお花屋さんがお手伝いに来てほしいと言うので、手伝って、そのまま3年間修業させてもらいました。主にブライダル系のお花を担当しました。花嫁の持つお花や会場に飾るお花です。3年間、毎朝4時に起きて市場に行き、おじさんの間に入ってセリにも参加していました。母の日の季節はプレゼント用のお花を1日に100個作る作業が約1週間続き、睡眠時間1日2時間くらい。『牡丹と薔薇』の撮影当時みたいでした(笑)」

「牡丹と薔薇」の主役が今は本物の花を扱っているのだ。

「お花に縁があるんだと思います。私は15歳から芸能界で仕事をしていましたから、一般的な会社に勤務したことがなかったので、そこで3年間、普通に働くことができたことは、すごく大きかったと思っています。電話の対応からメールの書き方など働く社会人として基本的なことも学べたかと思います。後半は知人の花屋さんの支店に配属され、任せていただいた仕事もたくさんあったので責任の大きさを感じながら仕事をしました。貴重な社会経験をさせてもらいました」

 花を扱う仕事は苦労も多かったようだ。

「大変でした。冬は暖房をつけられないし、夏はお花のことを考えて冷房がすごいです。体が1年中、冷えている状態。女性には過酷な職場だと思います。それでも花嫁さんの美しい姿を見るとやっていて良かったなと思います。美しい会場ができたときも達成感を感じました。今はお花屋さんとの関わりは少なくなっていますが、ワークショップとかオンラインイベントで皆さんとコミュニケーションを取りながら、お花を皆さんと一緒に作ることがメインになっています。お花についてはビジネスというより、ワークショップなどで皆さんにお花と触れ合えるきっかけを持ってもらえたらいいなと思ってやっています。お花屋さんに任せるだけでなくご自分でブーケ作りなどをする楽しさを知ってほしいです」

子育ても落ち着き「もう1度、女優さんというお仕事に向き合っていけたら」

 大河内の中では女優という仕事とフラワースタイリストという仕事はどういう関係にあるのか。

「お花に関して皆さんとワークショップでコミュニケーションを取れるようになったので、そこに女優の私に興味を持って来てくださった場合、直接的なコミュニケーションを取れますので、いい意味で皆さんと近づける所。ただ、もし女優の仕事をしていなかったら、もっとビジネスだったかもしれません。お花とのかかわり方は、私にはストレス発散とかマインドフルネスに近いものがあるかと思います。お花を作ることで心理的にいい影響があればと思っています」

 中学生の男子の母でもある。どんな母なのだろうか。

「犬を飼っていますが、夫には『犬も子どももマザコンに育てるのが上手だね』と言われました。そんなことはないんですけど(笑)。よく息子に言っていたのは『優しいね』という言葉。たとえば息子が何か物を取ってくれたりした時には、『優しいね。ありがとう』と言っていました。そのせいか優しいんです。言霊だと思っています。息子はおばあちゃん(大河内の母)と仲良く手をつないで歩いたりして、私の母にも優しくしてくれます。母にとっては初孫で、溺愛(できあい)していましたので、息子も分かっているのでしょうか。とにかく優しく育ってくれています。今のところ何でも話してくれています。多分、男の子の母親って、息子を彼氏みたいに思っていると思います」

 思春期を迎えつつある息子とは良好な関係。優しい母と優しい息子。最後に今後の抱負を聞いてみた。

「子どもが中学生になり、だいぶ時間の余裕と私の心の余裕もできたので、出産と子育てで少し離れていましたが、もう1度、女優さんというお仕事に向き合っていけたらと思います。母になって、花を通じて学んだ社会経験もお芝居に生かしていけたらと思っています」

□大河内奈々子(おおこうち・ななこ)1977年6月5日、東京都出身。15歳のときに「セブンティーン」の専属モデルとして芸能界入り。ドラマは97年に日本テレビ系「恋のバカンス」、テレビ朝日系「ギャルボーイ!」で主演、2000年NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」千姫役、04年フジテレビ系「牡丹と薔薇」で主演のぼたん役、05年TBS系「新キッズ・ウォー」、映画は1996年「岸和田少年愚連隊BOYS BE AMBITIOUS」、2021年「拝啓、永田町」など。特技は書道、華道、料理。趣味は読書と映画鑑賞。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください