格闘技のメガイベント「THE MATCH 2022」（ABEMAで全試合独占生中継）は6月19日、東京ドームで開催される。キックボクシングの“神童”那須川天心と、“ナチュラル・ボーン・クラッシャー”武尊の「世紀の一戦」をメインに、RISE、K-1の両団体が誇るトップファイターがズラリと勢ぞろいする。「ENCOUNT」では出場選手へのインタビューを実施。カウントダウン連載で紹介する。第6回はRISEの“ブラックパンサー”ベイノア（極真会館）。K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者の和島大海（月心会チーム侍）と対戦する。

　異色のマッチアップながら、共に空手をバックボーンとするもの同士の激突。ベイノアは和島について、こう切り出した。

「実力はありますよ。僕よりも若い感じかと思ったら、意外と年上だったんだと。今は全く思わないですけど、彼も“押忍”な感じだと思うんで。そこはわかり合えるのかなっていうのは思いますね。押忍」

　16勝のうち14KOを記録している和島。昨年12月には木村ミノルとの3度目の対戦で初勝利を収め、第4代K-1 WORLD GPスーパーウェルター級王座を獲得した。強打には定評がある。

　ベイノアは映像を確認し、「強いっすよね。やっぱり、倒してるのが多いんで。打ち合いは望むところ？　望んでいかないと、やっていけないですからね。もちろん」と激しい殴り合いを歓迎した。

　総合格闘技との二足の草鞋をはくベイノア。実は東京ドームは昨年の「RIZIN.28」で経験している。アドバンテージになるのかと思いきや……。

「自分が2回目ということで、やっぱりね、勝たなきゃいけないなっていうのはありますよね。場慣れしてるから」と言いつつも、「初めてのRIZINってのもあって、わけのわかんないうちに試合が終わってしまったというか、もう会場入りしてすぐアップして、すぐに入場があって。すぐに引っ込んですぐに試合に入って、すぐ終わって……という感じでした。夢見心地というか、なんかもう、本当に覚えてないんですよね」と頭をかく。

　実は、お笑い芸人の顔も持つベイノア。どこまでが本心かはわからないが、「今回はお客さんも超満員ですし、ちゃんと広い会場の雰囲気を味わいたいなっていうふうに思いますね」とニヤリと笑った。

　試合だけではなく、入場からド派手なパフォーマンスで楽しませるのがベイノア流。「自分としてもやっぱり那須天（＝那須川天心）が勝って、キックボクシングを引退してもらいたいっていうのもあります」と強調しながら、「ただ、大会全体を見たときに埋もれたくはない。そういう意味では試合はもちろん、それ以外の部分でも、しっかり見てくださる皆様の印象に残るような、パフォーマンスをプロとして見せたいなと」。

　入場で魅せ、そして試合でも魅せる。K-1屈指の強打者・和島を上回っている部分を問うと、即答だった。

「“獣感”じゃないですか……（笑）。相手はいい意味でも悪い意味でも真面目。自分の獣感で食ってやろうかと。生物的に俺の方が強いってことですよ」

　終始、独特の“ベイノアワールド”を展開しつつも、最後には団体を背負って立つ覚悟の強さがあふれだした。

「那須天なきRISEのためにも、1人1人がRISEを背負うっていうのはもちろん。今までは大きい大会とかでメインにいる那須川天心がっていう存在がすごく大きかったんですけど、これからは今いる選手みんなでそのRISEを作ってくっていう意識のためにも、このタイミングでこの大会っていうのは、ベストだったんじゃないかなと思いますし、あとは勝つだけだなと思います。押忍！」

〇…ENCOUNTではインタビュー実施選手に天心―武尊を予想してもらった。

　ベイノアの予想「ノーコンテスト」。

「本当にお互いの気持ちが爆発して、本当にスッゴイ盛り上がりになると思うんですよ！　で、会場も盛り上がりすぎて、ドームが爆発してノーコンテストですね。本当、那須天には勝ってほしいっすね。めちゃくちゃ勝ってほしい。近くで頑張ってるのを見てますしね。だけど、そんな洒落にならない結末（爆発）になることを予想します。押忍！」

□“ブラックパンサー”ベイノア　1995年8月20日、米国カリフォルニア州生まれ、板橋区成増育ち。2006年に極真会館入門。16年にキックボクシングデビュー。17年からRISEを主戦場に。キックボクシングでは18勝（9KO）3敗。MMAでは1勝2敗。お笑いコンビ・けとるべるのボケ担当。178センチ、70キロ。