美容に無関心だった男性は30代半ばから急激に老化する 専門医が語る“男の曲がり角”
35歳は“男の曲がり角”。形成外科・美容医療を専門とする西嶌暁生医師(37)は「だから夫は35歳で嫌われる」(光文社)で警告する。しかし、男性は肌に無頓着だったゆえに、簡単なケアで済むという。これだけ、やっておけば美しく歳を重ねることができる。ぶっちゃけ、“ズルい”アンチエイジング術を伝授してもらった。
西嶌暁生医師インタビュー 著書「だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ」が人気
35歳は“男の曲がり角”。形成外科・美容医療を専門とする西嶌暁生医師(37)は「だから夫は35歳で嫌われる メンズスキンケアのススメ」(光文社)で警告する。しかし、男性は肌に無頓着だったゆえに、簡単なケアで済むという。これだけ、やっておけば美しく歳を重ねることができる。ぶっちゃけ、“ズルい”アンチエイジング術を伝授してもらった。(取材・文=平辻哲也)
西嶌医師は約10年間、臨床と研究に従事し、2019年から「恵比寿形成外科・美容クリニック」に勤務する美容のスペシャリスト。キズをきれいに治す専門医として、手術痕、ケガの修復、ニキビ治療、皮膚の疾患、アンチエイジング治療(シミ、しわ、たるみ等)などを行っている。
男性の見た目は若い頃から美容に無関心だった結果、30代半ばから急激に老化する、という。「35歳という年齢は自分を見つめ直す年齢だと思うんです。しかも、男性は化粧で肌を酷使してきた女性とは違って、肌がニュートラルな状態にあるので、ちょっとした努力で改善できます。本では(1)アウターケア、(2)インナーケア、(3)生活習慣、(4)美容医療の4つに分け、詳しく書いていますが、同時に全部やるのは難しいと思いますので、各カテゴリーでこれだけやっておけば、というものをご紹介します」。
まずは(1)アウターケア。ズバリ、純石けんで顔を洗う、日焼け止めを塗ること。「この二つだけでいいと思います。化粧品は基本的に、水と油を混ぜるための合成界面活性剤が入っています。これは、食器洗いの洗剤に含まれる成分と一緒で、肌にとってはマイナスです。そのため、女性社会では“断食肌”といって、3か月~半年、何も塗らずに肌を回復させましょうというのが注目されていますが、幸せなことに、化粧の文化のない男性は自然と肌断食をしている状態と言えます。肌に大切なのは角質のバリア機能、皮脂、美肌菌。純石けんは角質バリアを壊しにくいし、皮脂も落としすぎない。美肌菌のエサにもなります。その上、価格も安い。固形の純石けんを泡立てて、顔を洗って欲しいのですが、面倒な方は泡が出るプッシュ式がオススメです」。
これからの季節、日焼けは女性だけではなく、男性の肌にとっても大敵だ。「20代までは男性の方が女性より肌の水分量は多いのですが、30代で同じぐらいになって、40代では男性の方が、水分量が落ちてきます。原因の一つは日焼けで紫外線のダメージが蓄積されていること。これがシミ・イボや肌バリアの破壊になって現れてきます」。
(2)インナーケアでは、亜鉛の不足を補うこと。「男性は亜鉛、ビタミンB、ビタミンC、タンパク質が不足がちです。特に細胞分裂に不可欠な亜鉛はアルコール分解で使われてしまうので、お酒が好きな男性は要注意。短期間であればサプリも有効ですが、普段の食習慣で工夫することができます。例えば、カキ、カニ缶、枝豆、そら豆には比較的多く入っているので、酒のつまみとして加えてもらえるといいです」。美と健康のために、カキやカニを食べる。良い言い訳を聞くことができました!