「完全に心の水がこぼれ落ちた」 BiSHアユニ・Dが映画で見せた本物の涙の意味

今後は歌だけでなく、演技にも挑戦したいという【写真:舛元清香】
今後は歌だけでなく、演技にも挑戦したいという【写真:舛元清香】

歌と演技の共通点を語る「何かに憑依されている感覚はある」

 これまで演技をやってみたいと思ったことは1度もなかった。「まるっきり違う人になったというわけではなかったので、大きな衝撃はなかったんですが、すごく単純なことでいうと、泣くことは本当に難しいな、と。テレビの画面越しで見ていると簡単に見えますけど、やってみないとわからない。泣くシーンは、全然泣けなくて、山の撮影ですごく寒く、体中の成分が乾ききっているということもあって、マインドがあっても体が言うことを効かない状態だったんです」。

 助けになったのは宮地監督がくれた時間だった。「宮地さんは現場から少し離れた場所に連れ出してくれて、アユニちゃんにとって、家族はどんな存在か、大切な人を失うことはどういうことなのかといった話をしてくださって、それで完全に心の水がこぼれ落ちた。だから、あの涙は本物の涙なんです」。

 アユニ・Dにとっても、北海道で離れて暮らす家族は大切な存在だ。「BiSHに加入する時は応援してくれましたし、お姉ちゃんは私の一番のファン。家族のことを思うと、どうしてもあふれるものはありますね」。

 アユニ・Dに限らず、メンバーはジャンルがまったく異なる作品でそれぞれの個性を出している。やはり歌と演技は一種の共通点があるのだろう。「BiSHでも、この曲を歌ってる時はこういう気持ちになるとか、振り付けありきの曲は何かに憑依されている感覚はあるので、通じる部分はあるのかもしれませんね」。

 今後は歌だけでなく、機会があれば、演技に挑戦したいという。「やりたい気持ちは、昔よりすごいあふれていますね。今、もう1回あの演技したら、昔よりできるんじゃないかと謎の自信もあったりするんです(笑)。演技の特訓はしていませんが、機会があったら、またやってみたいです」と意欲を見せる。

□アユニ・D(あゆに・でぃー)10月12日生まれ。北海道出身。2016年8月に“楽器を持たないパンクバンド”BiSHに加入。「PEDRO」「青虫」としてソロでも活躍している。

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